犬種ごとの特徴から食事や飼育の注意点を語る!柴犬編

ペットショップチロルの息子です。

柴犬って昔から身近にいるせいで正当に評価されていないことが
他の犬種よりも多い気がするのはきっと僕だけじゃないはず。

洋犬と日本犬は確かに違いは大きく独特な魅力がありますが
特に柴犬はサイズと性格から人気も高い犬種です。

たくましい体躯にりりしい顔つきの野生的な風貌で
最も犬らしいと称賛を浴びるTHE日本犬の
魅力を余すことなく引き出して飼育していただくために
柴犬の特徴から食事や飼育の注意点をお話ししましょう。

柴犬の特徴から栄養管理を考える

柴犬の特徴は何といっても季節によって生え変わる被毛でしょう。
そして皮膚のトラブルが多い点も忘れてはいけません。
そして意外とデリケートな胃腸です。

この点を踏まえて栄養管理を考えてみましょう。

柴犬の抜け替わる被毛のための栄養管理

夏はやせ細ったと感じるほど被毛の密度が薄くなりますが
冬にはしっかりと栄養を蓄えたように厚く密接した被毛が体を覆います。

夏と冬ではまるで違う犬かと思うほど見た目にもはっきりとした変化が表れます。
こうした違いがあるのですから、夏と冬では栄養管理にも配慮は必要です。

被毛の主な成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。
シスチンなどの18種類のアミノ酸でできています。

季節ごとの変化に合わせた栄養摂取を考えてみましょう。

柴犬のための1年間の栄養管理

身体を四季に合わせて変化させることに長けている犬ですが
そのためには適切な栄養管理が必要です。

季節ごとにどういった栄養管理が必要かをお話ししたいと思います。

春(3月~5月)の柴犬の栄養管理のポイント

この時期は季節の変わり目で激しい寒暖の差がありますが
比較的過ごしやすい気候です。

桜が散るころには換毛が始まりますので冬毛を維持するタンパク質は
それほど必要としません。
体温と外気温の差も少なくなりますから摂取カロリーも抑えめで良いでしょう。

食欲が旺盛な犬は太りやすい時期でもあります。
食事量を控えめにするかタンパク質、脂肪分の少なめなフードへ変更するか
水分や食物繊維の豊富な野菜などを加えカサ増しするなどの工夫を。

夏(6月~8月)の柴犬の栄養管理のポイント

この季節は犬には最も過酷な時期です。
特に日本の夏は高温多湿となりますし、梅雨には雨の日と晴れの日での
寒暖差なども大きく体調を崩しやすいものです。

フードをふやかして消化の負担を軽くすることや
ウェットフード中心のフードに切り替えたりしましょう。

この時期は気候の変化が生体機能にも影響しどうしても食欲が落ちるので
少量でもしっかりと栄養が取れるように食いつきの良い高栄養のフードや
抗酸化作用の強いビタミン豊富な果物や野菜、サプリメントなどで
栄養補給をサポートするのも良いと思います。

みかんやリンゴ、バナナにトマトやニンジンなど
犬の体調や体重に合わせて与えても良いでしょう。

肉を与えるなら抗酸化作用の高いビタミンが摂取できるように
レバーやハツなどの内臓肉がおすすめ。
食べにくいようなら細かく刻んで与えましょう。

秋(9月~11月)の柴犬の栄養管理のポイント

過ごしやすい季節ですが実は一番体調を崩しやすいのが秋です。

季節の変わり目季節の変わり目で夏の疲れが出やすい時期ですから
体調の確認とそれに合わせたケアをしっかりと行ってください。

冬に向けての身体を作っていく時期ですが
胃腸が夏のダメージを引きずっていると
身体が寒暖差についていけなくなることがあります。

量を増やすよりは回数を増やしながら徐々に慣らしていきましょう。

栄養面ではタンパク質も脂肪も糖質もしっかり摂取したい時期です。
トッピングではささみや胸肉などのタンパク質が取れる肉がおすすめ。

体型も夏よりも1割程度の増量は許容範囲。
肥満ではなく気持ちぽっちゃり位がベストでしょう。

冬(12月~2月)の柴犬の栄養管理のポイント

この時期でもお散歩は欠かさずに行くというのなら
タンパク質もいつも通り摂取するべきですが
どうしても外に出るのがつらい時期ですし
散歩の距離や時間も短くなりがちです。

活動量が減れば筋肉の維持に必要なタンパク質は少なくて済みますし
ほとんど毛の抜けることもありません。

体型維持のために一番重要なのは外気温と体温の差を埋める熱量です。
脂肪や糖質の摂取を考えた栄養管理にしましょう。

乾燥する時期ですので水分を多く取れる工夫を。
脂肪分の多いバラ肉などを煮込んだスープなど与えても良いでしょう。

この時期は子犬用などの栄養価の高いフードに変更もありです。

柴犬の皮膚トラブルを回避するためには?

梅雨から夏は高温多湿になるため
密接した被毛が皮膚トラブルの原因になることがあります。

換毛が始まったら毎日ブラッシングを行いましょう。
時間は5分程度で構いません。皮膚を傷つけないよう優しく行ってください。

冬は乾燥によるダメージを防ぐようなケアが必要です。
洗い過ぎは良くありませんが
20~40日に一度はシャンプーすることをおすすめします。
冬はよりトリートメントに気を使ってください。

栄養管理のポイントはビタミンAとDHA・EPAの摂取です。
皮膚の保湿やバリア機能を健全に維持するためには欠かせない栄養素で
柴犬には他の犬種以上の摂取量が求められます。

ビタミンAは食品で言えばレバーに豊富に含まれていますが
ニンジンなどの緑黄色野菜のβカロチンから合成も可能です。

EPA・DHAは陸上動物では鹿くらいしか保有していませんし
加熱に弱いのでフードでは十分に摂取することは難しいでしょう。

どうやって摂取するのが良いかと言えば
しつこいくらいにおすすめしてしまいますが鮪の油が最適です。
DHA・EPAが豊富で脂溶性のビタミンが全て含まれています。

フードに添加することで摂取量も調整できますので
とても重宝するサプリメントでしょう。

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柴犬の飼育の注意点

体幹もしっかりとしていて骨太で引き締まった身体つきですから
姿勢の乱れや体の歪みなども起こりにくく
栄養管理が適切であればトラブルが多い犬種ではありません。
しつけもしっかりと行えばコントロールしやすい犬になるでしょう。

その素質を十分に引き出すために
柴犬の特徴を考えた飼育のポイントをお伝えしたいと思います。

柴犬のなりやすい病気と対策

柴犬で気を付けるのは内臓疾患と皮膚疾患です。

常に便の様子や皮膚状態などを観察し
体に合ったフードかどうかの確認をしてください。

また屋外での飼育では気候の影響を大きく受けます。
体が冷えることで胃腸の働きが悪くなり
より体調不良を起こしやすくなります。

身体の冷えを解消するにはカロリー摂取が必須ですが
胃腸が機能しなければ栄養補給は難しいでしょう。

そうした悪循環を防ぐには予防のための栄養管理が必要です。

タンパク質の取り過ぎも腎臓病のリスクを高めます。
肉食の猫の方が腎臓病が多いのもそのせいだと考えられます。

5歳までは2年に1度、6歳からは年に1度の健康診断などで
見えない犬の健康状態を理解してそれにあわせた健康管理をしていきましょう。

皮膚トラブルも食事との関係が深いものです。
体調と季節、年齢等に合わせた栄養管理を心がけて下さい。

胃腸がデリケートですので拾い食いなどはさせないように
しつけにも注意が必要です。

飼い主との関係性が正しくないと食器を下げようとして噛む犬になることがありますが
こうした犬は拾い食いをしたとしても飼い主が制止できなくなります。

腸の健康と食物アレルギー

他の犬種以上に胃腸への配慮は必要です。
皮膚のトラブルの原因にもなることがありますので
消化吸収率の良いことはもちろんですが
タンパク質量にも注意が必要です。

小腸性の下痢などを起こしていると粘膜のバリア機能が正常に働かず
かなり大きなペプチド(タンパク質)まで取り込まれてしまいます。

腸が弱っている状態で食べたものが食物アレルゲンとなる可能性が高くなりますので
皮膚トラブルの回避のためにも消化の良い高品質な食事を与えましょう。

柴犬は意外と体重当たりのタンパク質量は小型犬に比べると少なめです。

過剰なタンパク質の摂取は内臓にも負担になりますので
柴犬にはグレインフリーなどの高タンパクなフードは
合わないことが多いかもしれません。

活動的でよく動くのなら
エネルギー源である糖質(炭水化物)が多いフードをおすすめします。
ただ運動量に比例して与えないとすぐに太るので注意してください。

柴犬のしつけのポイント

柴犬は洋犬のように過度なスキンシップを望む犬は少なく
他人を受け付けない犬になる可能性もあります。

しつけは厳しく行わないと問題を起こすこともありますので
親子というよりは先生と生徒という距離感で付き合いましょう。

成犬になるまでは特に気を付けて正しい関係性を保つように
親子という関係ではなく先生と生徒という距離感で付き合うべきです。
もしくは上司と部下ですね。

一度しっかりとしつければしっかりと立場をわきまえ
忠実に主人に尽くす犬になるはずです。

柴犬という犬の扱いと評価が不当に感じる

冒頭でも言ったように他の犬種に比べて犬としての評価が
あまりにも低いと感じることが多々あります。

屋外で飼育することに関してはまあいいとしても
その環境に見合った飼育の配慮はされていないと思います。

庭の犬小屋に鎖でつながれていて
食事も残り物やセール品のフードを与えられている
そんな生活を送っている犬は大抵雑種か柴犬です。

価値についても他の犬種に比べると評価は割と低く
ショップやブリーダーの販売価格にも表れています。

トイプードルやチワワ、ポメラニアンなどは
高額で販売されていることが多い中
柴犬では10万円を超えると高いと言われることが多いです。

年配の方からは毅然とした性格や切れ長のりりしい目に
立ち耳で鼻筋の通った顔はいかにも犬らしいと人気ですが

子供のころから慣れ親しんでいる庶民的な犬の代表という犬種ですし
近所で産まれた犬をもらったり
捨てられた犬を拾ったりした経緯もあって
高いお金を払ってまで買おうという犬種ではないのでしょう。

ただ逆に言えば犬質の割に良質な犬に出会える確率は高く
ブリーダーの数も多いので比較できる犬も多いので
飼う方にとっては素晴らしい犬種です。

まとめ

柴犬は低価格で高犬質な犬に出会うことが出来る犬種です。
しっかりとした犬を選び適切な栄養管理を行えば
体調不良に悩まされることはほとんどないと思います。

柴犬に限ったことではありませんが
よく食べさせてよく遊ばせることです。
運動欲求を解消することが出来ればきっと大丈夫。

何をしたいかではなく何をしなければならないのか

これを忘れなければね。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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