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4ヶ月ぶりにカットに来た毛玉だらけのプードルのビフォーアフターを公開

投稿日:2017年8月7日 更新日:

ペット屋の息子です。

トイプードルのカットはどのくらいの頻度で行っていますか?
毛の伸びる速度は月に約1~1.2㎝程度なので毎月でなくともいいと思うかもしれませんが、足の裏の毛もそれなりに伸びますから、できれば毎月来て頂きたいものです。

今回は約4か月お手入れをさぼった状態のトイプードルのカット前とカット後の画像をご用意しましたので、それをもとにトリミングの重要性についての話をしていきたいと思います。

トリミングの間隔が開きすぎて毛玉だらけになったプードル

画像では毛玉の状態の様子が伝わらないかもしれませんが、年に数頭はこういった犬が来ます。忙しくて手入れも出来ずトリミングに出す暇もなく、何とか自分で洗ってみたものの、シャンプー前のブラッシングが不十分で、ドライヤーでブローしたものの毛がほぐれずひどくなってしまったパターンのやつです。

毛玉プードルのトリミングビフォー画像

プードルというよりかは羊に近い状態で毛玉の集合体のようになっています。

スタンダード云々はともかく、今どきのかわいい顔立ちの犬なのでカット次第では相当かわいくなりそうです。

足の裏の毛も伸び放題で肉球の間にも毛玉ができていましたが、爪はそこまで長くもなかったのが意外です。

トリミング開始!とりあえず今回はバリカンで短めのカットに

これくらいの状態ですと毛玉を梳かすだけでも2時間は余裕で掛かるでしょうし、ブラッシングの際にある程度は毛を引きちぎる事になりますから、ブラッシングで毛玉を取り除くには皮膚へのダメージを与えることになりかねません。

定期的に来店するプードルは基本的には全てハサミのみで仕上げますが、今回のような犬では時間も負担も掛かるので通常料金ではとてもできません。というわけでバリカンでカットすることにしました。

流石にここまで毛玉になってしまうとバリカンの刃もかなり短めのミリ数でないと入らないので3㎜でカットすることに。
時期的に熱中症の危険があるのであまり短くしたくなかったのですが、そうも言ってられない状態です。

細かい毛玉が密集しているせいで3㎜でギリギリ刃が入る状態。カットというより皮むきに近い感覚です。皮膚を覆う1枚の毛皮状態ですのできれいにめくれて行きます。

皮膚状態はそこまで悪くなさそうです。栄養状態が悪すぎるとすぐに炎症を起こしますがその心配はなさそうです。

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プードルの耳毛抜きは大事だと思う画像

皮膚状態が悪くないので耳もきれいですが、耳毛の密集度が半端ないです。
毛は保護の為に生えるというのも事実ではありますが、この時期の気温と湿度の高さでは耳ダニや細菌の温床になりかねません。
とりあえず鉗子で抜きました。

犬の耳毛抜きを自宅で簡単に行う方法!コツはあるものを活用する事

犬の耳毛を上記の画像のようになるまで放置すると季節によっては外耳炎の原因になります。自宅でも耳毛は簡単に抜く事ができますし、鉗子などを買う必要もありません。
ただある物を使うだけで簡単に耳毛を抜く事ができます。それがこちらの指サックです。

100均で手に入る物ですがシュナウザーなどのストリッピングにも使える優れものです。後はイヤーパウダーがあれば完璧ですね。

毛玉プードルのトリミング後の画像

顔だけはハサミで仕上げたので大分ましになりました。元々かわいらしいお顔のプードル君なのできれいに維持してあげて欲しいですね。

ハサミだけで仕上げたプードルと比較してみるとより違いがわかるかもしれません。

トイプードルはハサミカットが基本!トリミングの開始から完成までの画像

プードルのビフォーアフター画像からトリミングの重要性を語る

画像を見るだけでもきれいになって良かったねと言える結果ですが、毛はカットしてすっきりさせる事ができますが、トリミングを怠った結果が体に及ぼした影響を考えると健康を取り戻すのは容易なことではないと思います。

毛玉がひどく状態が相当悪かったので、毛質が回復しない限りカットしてもきれいな状態にはなりませんが、そこは時間をかけていけばある程度回復するでしょう。

ただ皮膚のターンオーバーから考えると28日以上は掛かりますし、プードルは毛が抜けにくい犬種ですから、ある程度の長さになって先端をカットしての繰り返しで被毛の健全性を取り戻すにはもう少しかかります。

皮膚にそれほどダメージが無かったのは不幸中の幸いです。体のラインを見る限りそれほど餌を食べないのでしょう。これが過食で肥満の犬であれば皮脂の過剰分泌+高温多湿+毛玉のトリプルコンボで皮膚病になっていたかもしれません。

トリミングを怠った代償は体のゆがみにも出ています。足裏の毛が伸びたままフローリングの上で生活するのは犬にとっては良いことなどありません。爪が伸びればさらに滑りやすく、人間が氷の上を歩くようなものです。

犬の骨格が長距離を走るための身体に特化しているのも災いしています。画像で見て頂くと分かると思いますが後ろ足の膝がかなり外側を向いています。こうなると体重を支えるのにバランスが悪くなり重力の影響と加齢による衰えで体のゆがみはどんどん進行していくでしょう。

正しい栄養管理と散歩で回復すればよいのですが、おそらく現状維持するのがやっとです。

ダイエットに取り組んだことのある方なら良くお分りでしょうが、脂肪だけを減らし筋肉だけを付ける事はおよそ不可能です。

犬は人間ほど寿命も長くありません。犬の1ヶ月は人間の7ヶ月に相当します。健康を損なうのが早く回復させるのは難しいことを良く理解していただきたいものです。

まとめ

トリミングはきれいにするとかかわいくする事が本来の目的ではありませんので、機能維持を考慮した上で行うことが重要です。
ただ今回のプードルではなかなか頑固な毛玉でしたので、短くカットしてしまうしかない状態でした。定期的なトリミングを行うことで分かることや防げることはとても多いです。

プードルに毎月5,400円のトリミング料金を支払うことの意味は充分にあると思います。女性が美容院でいくら掛かるのかわかりませんが

爪切り+耳掃除+肛門腺絞り+シャンプー+全身カット

さらに健康確認や機能維持の目的と考えてみて下さい。そして何のために犬を飼っているのか、犬に対しての愛情とは何か。その意味も

本日もお付き合い頂きありがとうございました。

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