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イングリッシュ・スプリンガーの子犬が亡くなった日

投稿日:2018年4月24日 更新日:

ペットショップチロルの息子です。

先日イングリッシュスプリンガーの子犬が1頭亡くなりました。
こうした事実を発表することは賛否両論あるかと思います。

ただ産まれた犬が全て健康で寿命を全うするわけではありません。
出産という過程で亡くなる子もいれば育つ過程で亡くなる子もいます。

繁殖を行う上で命を落とすリスクは避けられませんし
子犬が亡くなることがあるのは事実です。

昨日まで生きて息をして動いていたイングリッシュスプリンガーの子犬が
亡くなったことは事実です。

たった26日間の短い生涯でした。

温かい家庭に迎えられる機会を与えてあげることも
暖かな日差しの中で走り回る楽しさも
飼い主のぬくもりを感じさせてあげることも
美味しいご飯を食べさせてあげることも

私たちにはできませんでした。

春の桜の美しさを見せてあげたり
夏の日差しに焼ける砂の臭いを教えてあげたり
色とりどりの秋の落ち葉を歩くとなる音を聞かせてあげたり
雪のきれいな白さや冷たさを感じさせてあげたり

してあげることができませんでした。

母親と兄弟と過ごした26日間が彼女にとってどんな日々だったのか
僕にはわかりません。わかってあげられません。
亡くなった子犬を探す母親のレネの気持ちも。

ただわかるのは子犬が亡くなったという事実だけです。

鼻水を出し、苦しそうな呼吸で辛そうにこっちを見ていた子犬に
何もできませんでした。

子犬を亡くすのは初めての経験ではないけれど、その度に
自分の経験や知識が何の役にも立たないと思い知らされます。

母親のレネにも、スタッフにも辛い思いをさせました。
この子をお迎えになりたいというご家族の方にも。

ご遠方から会えることを楽しみに来ていただいたのに
会わせてあげることすらできませんでした。

産まれてきた命を助けることが出来ない機会を作ってしまう繁殖は
するべきではないのかもしれません。

母体の健康を考えての繁殖をし、出産につきっきりで無事に産ませることが出来ても
命を落とす危険は0にはできません。

どれだけの経験を積み栄養学を学び、病気の知識を身に着けても
人間が動物にしてあげられることはほんのわずかです。

生き物と関わる仕事である以上、どんなに避けたいと思っても
命と向き合うことは逃れられません。
ただこの辛さと悲しみと悔しさだけはいつになっても忘れないでいようと思います。

-お知らせ, 店長のひとりごと, 犬の話, 繁殖

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