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犬の身体の歪みはこんなに怖い!知っておくべきリスクとその対策を徹底解説!

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ペットショップチロルの息子です。

犬の身体の歪みはあなたが考えている以上に深刻です。

人間でも同じことですから身をもって知っている方は多いと思いますが
その事実に気づいていない方も多いようです。

しかも獣医師もそのことをあまり深く考えていないようなので
僕から警告してみたいと思います。

 犬の身体の歪みは寿命を縮める危険がある

骨格の主な働きである身体の重さや動きを支える機能に支障をきたすことで
様々な健康被害を作り出します。

犬の身体の歪みが歩行困難を起こし老化を早める

もしイスの脚が1本だけ曲がっていたり短くなっていたらどうでしょう?
1部に負荷が集中して重さを支え切れず早く壊れてしまうはずです。

ohmantist / Pixabay

同じように犬の体重を支える足の関節に歪みが生じたりすれば
そこに負荷が集中したり、逆にかばうことで他の脚に余計な重さがかかるようになります。

そんな状態が長く続けば、負荷が掛かりかばったりの繰り返しで
状態はどんどん悪化していくでしょう。

走れなくなることから始まり、やがて歩けなくなりそして寝たきりになります。
歳を取れば取るほど状態の悪化は早くなります。

身体の歪みが内臓機能を低下させる

足腰の歪みや負担が掛かれば老化が早く進み内臓機能にも影響が出ます。

寝ている姿勢が長くなれば、重力ではなく床に接している身体には圧力がかかりますから
内臓が圧迫された状態が続くようになります。

そうした状態が長く続けば早い段階で内臓機能が衰え
栄養吸収率や血液のろ過能力が衰えたりと、健康を維持するのが難しくなるでしょう。

新陳代謝はみるみる衰え食欲は低下し
より代謝は悪くなるという負のスパイラルの始まりです。

 犬の身体の歪みが簡単に治せない3つの理由とは?

記事にしても誰も読まないと思いますが
犬の身体の歪みというのはかなり深刻な話です。

一度歪んでしまうと簡単には治すことができないからです。

その理由は3つあります。

1、犬には治療をするという概念がない

1つ目は犬には治療をするという概念がないからです。

野生動物の世界には病院というものがありません。
飼育されている動物でなければ治療を受けることはありませんし
治療をしようと考えるのは飼育している人間だからです。

犬も身体の歪みを自覚しているかもしれません。
痛みや違和感などを感じることは十分考えられます。

ただ身体の歪んでいる犬が、今どういう状態だからどうすればいいのか?

そう思うことはないでしょう。

2、犬の飼育環境の変化が歪みを作り悪化させる

以前も話したように犬は4足歩行ですから、身体が歪むことはそうないはずです。
しかし飼育環境がその原因を作っています。

犬がフローリングで滑るとこんなに危険!対策の為の注意点

犬の足の構造は硬く滑りやすい床には不向きです。

特に足裏の毛を伸ばしたままにすればそのリスクは増大しますし
爪が伸びても同様に滑ったり転んだりする危険があります。

今や多くの犬が室内で飼われていますし、ほとんどの住宅がフローリングの床です。

さらに屋外での自由運動をする機会や時間もないので運動不足から筋肉が育たなかったり
栄養豊富なフードやおやつを食べることが多く肥満傾向にあるので
リスクが増したり状態が悪化しやすいのが現状です。

3、犬の小型化などの容姿優先や利益重視の繁殖

以前もトイプードルのヘアカタログを見て衝撃を受けましたが
皮肉にも人間の犬に対する意識が犬の健康を奪っているのです。

失われるトイプードルの健康!ヘアカタログを見て衝撃を受けた話

トイプードルに限ったことではありません。
今や家庭で飼われる犬のほとんどは愛玩犬です。

愛玩犬は狩猟目的や使役目的などで繁殖されていた犬ではありませんので
先日話したチワワのように、野生動物の特徴を大きく改変した種類ばかりです。

犬種自体の特徴が、小型化したことの弊害と言えなくもありません。

加えて昨今の小さければ小さい方が良いというニーズから
健康を損なうリスクが高い犬の方がかわいらしく価値があるというような
受け入れがたい矛盾した状況を作り出しています。

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犬の姿勢と身体の歪みの関係性

犬の身体の歪みが目に見えてわかるようになると
姿勢が悪くなり、足の向きや位置が気になるようになります。

しかしこれを正すと別の歪みが出たりひどくなることがあります。

身体が歪んでしまうとその状態でバランスを取ろうとして
足の向きや位置が変わり姿勢がおかしくなります。

もちろんそのままでいいわけがありませんが
そうなるともう積みあがったジェンガのようなもので
まっすぐではいられなくなってしまうのです。

海外ならまだしも日本では犬の骨格を理解して改善できる整体師など
探してもそうそう見つからないでしょう。

もしいたとしても、犬は違和感や痛みから抵抗したりするでしょうし
その方を見て、やっと治療してもらえると安心するとは思えません。

治療に掛かる費用や時間の負担も相当でしょう。

犬の肥満と身体の歪みは治すよりも防ぐ!

身体の歪みは肥満問題と似ているところがあります。

大きな事故などでもない限り、肥満同様にいきなりおかしくなることはまずありません。
時間をかけてゆっくり進行していきます。

そして犬を太らせてしまう飼い主が犬を痩せさせられないように
身体の歪みもなってしまうと元の状態に戻すことが難しいのです。

さらに言わせてもらえば、いくら僕がトリミングの際にその事実に気づいて
肥満やゆがみの危険性や改善のために気を付けることを犬に話しても
聞いてはくれても理解して実行してはくれないのです。

ですから歪みもそうならないように気を付けることが一番です。
改善よりも予防することが大切です。

犬の身体の歪みを防ぐ為の3つの対策

犬の身体の歪みがいかに恐ろしいかご理解いただけたでしょうか?
なってしまったら元に戻すのも困難だということも伝わったなら幸いです。

犬は動物とは言えペットという立場になって野生の本能は薄れ
生活のほとんどを飼い主に頼るようになりました。

犬に予防しようという意識はありませんから、飼い主が気を付けるしかないでしょう。

というわけでできそうな対策を3つ考えてみました。

1、犬を選ぶなら将来性を考えよう

何度も言っていることですが大切なことなのでまた言います。

犬を選ぶときに今かわいいかどうかは全く関係ありません。
あっという間に成長してしまい、子犬の時のかわいさは2~5ヶ月で失われます。

犬は生涯の95%を成犬の姿で過ごす動物ですから
一番良いのは健全な成長をした犬を迎えることです。

犬のことを理解した専門家が育てた犬であれば健康面はもちろんのこと
性格やしつけの面でも家庭で育った犬とは全く違います。

ただそんな犬と出会える機会はほとんどないでしょうし
時間と費用が掛かっている分かなり高額です。

長い目で見れば、ペットを飼育する上で最も負担の大きい医療費は
ほぼ確実に減るでしょうし、なにより犬が辛い思いをする機会が減ります。

価格ではなく価値で選ぶ、消費ではなく投資と考えての選択をおすすめします。

容姿ではなく将来の健康を考えた犬を選ぶことが当たり前になれば
小さな犬を作り出そうという繁殖者も減るかもしれません。

成犬を選ぶことが当たり前になれば、犬を育てる際に
なるべく小さいままでいて欲しいと成長を妨げるように
食事量を制限するようなことも無くなるというわけです。

もしこれから犬を飼おうというのなら子犬選びは慎重に

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2、飼育環境を犬に合ったものにしよう

飼育環境にある犬は飼い主だけが頼りなのです。

滑らないようにカーペットやワックスをかけるなどの対策や
こまめに屋外での運動を行うことでリスクは格段に減らせます。

細かいことを言えば、犬と接するときも犬の目線に近づけるように
姿勢を低くし、しゃがんだり寝っ転がって相手をしましょう。

そうすることで犬が後ろ脚だけで立ち上がったりする機会が少なくなります。
前足を浮かせた状態で長い時間過ごしたり歩いたりするのは良くないことです。

犬同士の交流や犬だけでの生活ではそんな体勢になることはありません。

食事にも気を使い、脂肪分の多いフードやおやつなどを控えて下さい。
骨や筋肉を育てるために犬にあった適切な栄養管理を心がけ
季節や気温を考えた給仕量を心がけましょう。

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3、定期的に健康診断やトリミングで犬の健康状態をチェックをしてもらおう

飼い主だけで犬が健康かどうかを判断するのは難しいものがありますから
定期的な健康診断やトリマーにトリミングを任せすることをおすすめします。

獣医師は病気の治療の専門家ですし、トリマーも多くの犬を見ています。

飼い主よりも圧倒的に比較対象の犬を見たり触れたりしていますから
今あなたの犬がどういう状態にあってどうするべきかの提案をしてくれるでしょう。

マツコの知らない世界を見てトリマーと飼い主の考え方に物申す

トリミングは美容です。健康があってのものです。
定期的に行うことで健康機能の維持や改善をすることが一番の目的です。

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自信の犬を見てもらったうえで専門家の話を聞く機会が多ければ
飼い主としての成長にも繋がることになります。
犬のしつけのためにもなることですのでなるべくその機会を増やしましょう。

大きなけがや事故を防ぐことが出来れば余計な負担を犬にもかけずに済みますし
飼い主の時間を奪われずにすみますし余計な心配もなくなります。

治療に費用をかけるくらいなら予防に費用をかけましょう。

身体の歪みを改善する究極のアイテムを紹介

身体の歪みを治すのに最適なアイテムがあるのを忘れていました。

アフロスアニマルバランスバンドという首輪ですが
犬に装着するだけで身体の歪みが改善されるというとんでもない商品です。

この首輪をつけるとヘルニア等の疾患で歩行困難になった犬も劇的に改善します。
これだけ言うと胡散臭く思えるかもしれませんが本当です。

犬に使用してどれだけ効果があるか動画もありますので是非ご覧下さい。

展示会で見かけて話を聞いたときにそんなわけがないと思いましたが
自分で体感してしまったので信じるしかなくなってしまいました。

どれほどすごい物かはご来店いただいて体感していただくのが一番です。
まずはご自身でその効果を確かめてみて下さい。

首輪を手に乗せるだけで体幹が安定するのを実感できます。
催眠術にかかったくらいの驚きがあると思いますよ。

価格は7,580円(税込み)と首輪と考えれば高額ですが
効果からすればけして高くありません。

ちなみに人間用も販売しています。

まとめ

なんだかんだでかなり長くなってしまいましたが
犬の身体の歪みの恐ろしさが伝わったなら幸いです。

これから犬を飼う方がもし読んでくれたなら
犬選びの参考にしていただきたいと思います。

歪みだけじゃなく病気やケガ、さらには問題行動も
犬のこと全ては改善じゃなく予防することが大切です。

しっかりとした犬を選び
犬との正しい関係性を築き
犬に合った飼育環境を整え
栄養管理、運動管理を適切にし
専門家に頼り育てましょう。

最終的にCMになりますが、ペットショップの仕事は本来犬を売ることではありません。
ペットショップとは犬と人との暮らしを幸せなものにするためにあるお店です。
だからチロルは動物病院を併設したペットショップなのです。

販売して終わりではなく犬を飼っていただい時が始まりです。

あなたと犬の障害が幸せで満たされることを日々願っています。
そのために必要なことがあればいつでも頼ってください。

あなたのご来店をお待ちしています。

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