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犬のダイエット方法に問題あり!フードと散歩で痩せるコツを教えます

フード

ペット屋の息子です。

犬を始めとするペットの肥満が問題になっています。以前も肥満の問題を取り上げましたが、ダイエットを考えるなら太らせなければいいというのは難しいの事なのでしょうか・・・

犬が自発的に太るというのは健康体の犬からは考えられませんから、飼い主の管理の問題と言わざるを得ません。犬も人間もダイエットのコツや方法は変わりませんが、犬は人間の様に自己の判断でダイエットをしようとも思いませんし、飼育環境下に居る犬が食事を自由に行う事もありません。結局成否は飼い主の意識によるものです。

というわけで今日はダイエットを確実に成功させる為の話をしていきたいと思います。

犬のダイエットを効果的なものにするために知っておくべき事実

ダイエットを成功させるためには太る為のメカニズムを正確に知っておく必要があるのではないでしょうか?
ダイエットに挫折する多くの方は、痩せる方法ばかりを考えてここをおろそかにしがちです。ダイエット方法は様々ありますが、残念ながらどれも確実かと言われると結果には個人差がありすぎて、実践してもうまくいかないことは身をもって知っている方も少なからずいるでしょう。
ダイエットをする上で大前提とされるのが、カロリー消費量がカロリー摂取量を上回る必要があるという事ですがこれは絶対とは言えません。

犬が太るのはドッグフードと炭水化物が原因

と書いてしまうとドッグフードが悪者のように思えますが、実際には効率よく栄養を利用できるという食品がドッグフードです。

犬が栄養学を理解しドッグフードを食べているわけはなく、犬の食事は飼い主の意識に委ねられる為、この辺りはメリットになりにくい点ではありますが、肉類以外のほとんどの食材は過熱する事によって利用できるカロリーを実質的に増やす事ができます。
つまりドッグフードという食品に加工されている時点で使われている食材そのものを同量食べるよりも太りやすいと言えます。

例えば卵なんかは生卵よりもゆで卵の方がカロリー自体は少なくなりますが、栄養吸収率は40%もアップします。こうした例からも加熱した食材を食べることは効率良くエネルギーを得る事になりますので、ドッグフードの最大のメリットがダイエットにおいては大きなデメリットになります。

そして炭水化物の摂取量です。
ドッグフードには野生動物がけして口にする事は無いであろう加熱したデンプンが相当量含まれています。炭水化物を加熱することで細胞膜を構成するセルロースが分解し吸収率が飛躍的に向上します。

以前の投稿の

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で炭水化物を犬に与えても良いと思える理由を書きましたが、ことダイエットという点に関しては喜ばしいことではありません。

炭水化物を摂取すると、消化によって単糖類に分解され体に吸収されます。血液中に糖が増える事を血糖値が上がると表現しますが、こうなると血液は粘度が増しドロドロになりますので動脈硬化の期間が増します。それを防ぐためにインスリンが分泌され糖を積極的に消費しようとします。真っ先に使われるエネルギー源になるのはその為です。
しかし糖がエネルギーとして消費するだけの運動が行われなければ、余った糖はそのままに血液中に残してはおけませんから脂肪細胞に蓄えられてしまいます。こうしたせっかくのエネルギー源を無駄にしない為の機能があなたの愛犬をわがままボディへと仕立て上げるのです。

と栄養学的な話をすればこうした理由があげられますが、太るメカニズムは正しく機能しても、実際に太る太らないに関しては人でも犬でも個体による差が大きく影響します。

食事量を制限して運動量を増やせば痩せるは間違い

摂取カロリーと消費カロリーの差だけではダイエットは成功しません。摂取する栄養バランスや体質によってその結果は大きく変わります。
全く食事をとらなければ痩せることは事実ですが、食事量を制限して運動量を増やせば痩せるは間違いです。某CMで言っているように脂肪と糖が肥満を作るので体質によって炭水化物の摂取量を変更する必要があります。
こうした体質の違いが消費カロリーと摂取カロリーの関係性に矛盾を生むから面白いものです。

摂取カロリーが多くても太らない例は、フードファイターなどの方々を見れば納得できるでしょう。検索すれば動画も出てきますが参考事例として掲載しておきます。

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犬や人間が太るようになった理由

太りやすい体質にしてしまう肥満細胞の増殖については以前の

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でも話しましたが、改めて詳しくわかりやすく説明しましょう。

脂肪はエネルギーとして非常に優れていて脂肪1gは9kcalもあります。炭水化物、タンパク質は1g4kcalですので、実に2倍以上の熱量がある事になります。

動物は生きるために生物を捕食するというのは今も昔も変わらない事実で、草食動物も植物を捕食しています。
つまり人間の食生活のように食べ物を保存し、好きな時に食事ができるという環境ではありません。人間ですら狩猟から農業へと食文化を変えていったのは歴史の0.5%でしかなく、いつ訪れるかもしれない飢えの恐怖と戦っていたのです。そうした環境から考えれば身体がエネルギーを蓄えようとするのは生物の本能から産まれた優れた機能です。生き延びるためにより早く強くなろうとするのは当然の結果と言えるでしょう。多くの栄養を摂取できる環境下では肥満になるのは自然な事なのです。

結局人間の食生活の恩恵を受けてしまったペットが太るのは必然とも言えます。犬や猫に熱加工したペットフードを与えることはある意味擬人化とも言える行為なのかもしれません。安全で安定した食事環境が幸せでなく健康被害をもたらすことになろうとは皮肉なものです。それも愛情が理由にある事が特に悲劇を感じます。

犬をダイエットさせるコツ

こうした理由を考えることでダイエットの成功率を上げる事ができます。
ポイントはドッグフードの与え方と炭水化物との付き合い方

このブログを読んでいる方の愛犬は肥満か肥満の恐れがある犬でしょう。体質的にそうした犬であれば以下の事に気を付けて下さい。

犬のダイエットの成功は空腹時間を減らす事にある

空腹でいる時間をなるべく無くすことで急激な血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌も抑制が可能になります。しかし食事の間隔があいてしまうと身体や脳が空腹を感じ飢餓状態になります。特に犬は腸の長さが短く排泄までの時間は人間よりも遥かに早いので、人間よりも多くの回数の食事が必要になります。

犬のダイエットの成功は炭水化物の与え方にある

飢餓状態に陥れば血糖値は下がりますので、食欲はより増大します。そんな状態で血糖値を急上昇させる高炭水化物のドッグフードを摂取すればインスリンが多く分泌される事になります。前述の様に過剰摂取になったり運動で消費できなければ糖は脂肪に変わり脂肪も肥満細胞へと蓄えられます。運動の消費エネルギーに比例した炭水化物量のフードを与える事が大切です。運動で糖が消費されなければ犬も人間も太っていきますが、太れば太るほど飢えていきます。

犬の肥満スパイラルを断つ

一度太ってしまうとその状態が基本状態になる上に、栄養が蓄えられやすい身体になれば簡単に空腹になります。空腹が飢餓状態を作りインスリンがまた脂肪を蓄えと肥満スパイラルに陥ります。これが人間であれば生理的なホルモンの命令に耐えることは難しく肥満街道まっしぐらです。しかし犬であればこの連鎖を飼い主の手によって断ち切る事が出来るはずです。

つまり犬を太らせないためには低炭水化物のドッグフードと少量づつのこまめな食事が大切です。

犬のダイエットフードの与え方と問題点

犬のダイエットフードにも様々ありますが、メーカーによっては脂肪分を減らしているだけのフードもあります。脂肪分が少なければ痩せるという事ではありません。前述の通り太るメカニズムからすれば炭水化物量が問題となりますが、優れたフードであれば難消化性デキストリンという食物繊維などが含まれており、文字通り消化が難しい炭水化物ですから消化管の通過時間も長く満腹感を持続させる効果もあります。

また肥満気味や肥満の犬におやつを与えるのをやめられないからダイエットフードを与えている飼い主がいますが、これでは本末転倒です。
ダイエットフードを続けるよりは通常のフードの方が健康を維持するための機能に優れていますし、カロリーを抑えた分をおやつで賄うようなやり方では余計に炭水化物量を増やしているかもしれません。栄養バランスから言っても良い事ではありませんし

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で言った通り栄養面でも経済的な面でも負担は大きくなります。そうした考えでは犬の健康を守っていく事は難しいでしょう。

犬をダイエットさせるための散歩の方法

散歩でもちょっとした工夫で効率よくエネルギー消費量を上げる事ができます。
例えば冬の散歩では犬は痩せやすいでしょう。

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でフードの量と気温の関係は述べましたが、体温を維持する為に消費カロリーは増大します。そうした中で運動することは多少なりともダイエットの効率を上げる事に繋がります。

そして歩く場所にもよります。足の裏にある程度刺激がある場所が良いでしょう。

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まとめ

人間のダイエットはとても難しいようですが果たして犬はどうでしょう?

太る痩せるのメカニズムは人間も犬も共通しているので、問題とされるのはやはり体質でしょう。人間ほどの個体差は無いように思いますが、犬は人間よりも動物的本能が強いので、太りやすい体質にしてしまうと厄介なように思います。

ダイエットは初めてすぐに効果は見えてきますが、身体の順応性がそれを邪魔するのでリバウンドや停滞期が訪れると多くの人が挫折します。人間ではダイエットの成功率は5%と非常に難易度が高く思えます。数字で言えば気象予報士の試験と同じですから。

やはり誘惑に勝てず結果の見えない長く続く停滞期に諦めてしまうようです。しかし逆に言えば継続する事ができれば必ず成功するとも言えます。
結局どんな方法でも信じて続けることが大切という事でしょう。
もちろん太らせないことが一番ですが・・・

本日もありがとうございました。

コメント

  1. 福田佳代 より:

    アニマルウォーターを購入したいです。
    どうすれば良いですか?

  2. ジュリエット より:

    避妊手術済みの柴犬 雌 7歳を飼育しています。(体重現在12㎏)

    避妊手術後太らせてしまい痩せれないまま現在に至ります。

    年齢的にも人間で言うと中年期で生活習慣病になりやすい年齢なので今年こそは(特に代謝の下がる夏場は)ある程度痩せさせたいと思っていますが実際どんなドッグフードが良いのですか?

    量を多く食べたい子なのでカロリー低めで低炭水化物で品質的にも安全な良いフードはありますでしょうか?

    毎日PCと睨めっこしながら良いフードは無いかと悩んでいます。

    低炭水化物のフードは必然的に高蛋白質になると思うのですが、仮にダイエットのために炭水化物の少ないフードを選んで与えたとして今度は高蛋白質で腎臓などの機能低下を招かないか心配です。

    因みに酷くは無いですがアルカリ尿に傾きやすい体質でストルバイト結石の心配もあるので其方も考慮されたフードが良いです。

    何かアドバイスをお願いいたします。

    • 牧田 亮介 より:

      ジュリエットさま

      コメントありがとうございます。
      夏場は気温と体温の差が少ないのでなかなか痩せづらいかもしれませんが、脂肪を蓄えたままですと不快指数が高まりますから愛犬のためにもダイエットに励むべきですね。

      現状に適したフードの選択は難しくはありませんが、ご希望に沿うかどうかは何とも言えません。
      高タンパクという点では現在の健康に問題がない限りご心配には及びません。窒素排泄量が増えるため肝臓の働きは増しますが数%の差が健康に問題を引き起こすとの結果は出ていないようです。ただタンパク質も過剰に摂取すれば中性脂肪に変わり蓄積されることになりますので給餌量はこまめにチェックする必要があります。

      ストルバイト結石の心配もあるなら与えるべきなのはヒルズのメタボリックス+ユリナリーがベストでしょう。というかそれ以外ではおすすめできる製品がありません。
      ブログで取り上げようと考えていた矢先でしたが、簡単にここで紹介してしまいます。

      別の方の回答でも話しましたが、現在のヒルズは療法食の開発に心血を注いでいて、特にメタボリックスとダームディフェンスは代謝に働きかけることで効果を発揮する設計になっていますので、効果は科学的に証明されています。

      メタボリックスの優れている点は従来のようなカロリーや食物繊維量の増加でフード自体のパフォーマンスをダイエット用に変更するというものではなく、摂取した後に犬の身体のエネルギー代謝の効率を改善することで効果的に働く仕組みになっています。

      肥満になるかどうかは明確に定められてはいませんが、なりやすい・なりにくいという体質の差は明確になっています。
      それを決めるのが2つの脂肪細胞です。

      脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があり、ざっくりいうと脂肪をため込む働きをしているのが白色、脂肪を燃焼するのが褐色です。
      去勢後の肥満の原因は白色脂肪細胞の肥大化にあり、通常よりも中性脂肪をため込みやすい体質に変化してしまうことです。それに生殖ホルモンの生成が抑えられる分基礎代謝が下がるということも原因の一つに挙げられます。もちろんこれは防ぐことが出来ません。また幼少期に栄養の過剰摂取が起こると白色脂肪細胞が増殖してしまいます。

      肥満にしないためには褐色脂肪細胞の働きを活性化する必要がありますが、それを可能にするのがこのメタボリックスです。
      ヒルズのメタボリックスには脂肪細胞を活性化するための仕組みが科学的に組み込まれているので、通常のダイエットフードと違い代謝に働きかけることが可能になっています。

      ここであまり詳しく書いてしまうとブログに投稿する記事が無くなってしまうので簡単で済みませんがとにかく効果的なフードです。
      ラインナップに尿路疾患対策を施した「メタボリックス+ユリナリー」がありますのでそちらをご使用になるのが宜しいかと思います。

      ブログでも度々話していますが原材料の安全性も確かにおろそかにできません。しかし使われている原材料はフードのパフォーマンスを正しく発揮するために必要な組み合わせの一つです。
      単純に栄養成分だけを犬に与えていては身体の機能維持はけしてできません。
      その例の一つが食物繊維に当たります。

      食物繊維は草食動物ですら自らの消化管の機能では消化分解できず栄養として利用できません。彼らの身体は肉食動物とほぼ同じ構造と機能で、違う点をあげるとすれば胃の数と腸管の長さくらいです。その違いは何のためかと言えば食物繊維からタンパク質を合成するために必要な細菌を住まわせるためです。

      犬や猫も長らくはそんな彼らを捕食していましたから草食動物の胃腸に住む細菌を食事から摂取してきました。人間も同様に数や種類は違えど同じような恩恵を受けることは出来ているのです。
      つまり食物繊維は犬の栄養にはなりえませんが健康維持に欠かせない消化管に住む細菌のための食事でもあり、便の水分量や形を保持するために必要なものでもあります。

      高タンパクでないフードは必然的に炭水化物量が増えますが、糖質が増えるかと言えばそういうわけではありません。
      炭水化物には食物繊維も含まれますし、タンパク質の摂取量によっては悪玉菌が優勢になりがちな腸内環境の健康維持に必要なのです。
      最近のフードはプレバイオティクスに配慮したものが多いのも栄養成分という点だけでなく腸内環境を健全に保つことが健康維持には効果が高いことが実証されているからです。
      実際フードの消化吸収率がどんなに優れていたとしても、栄養を吸収する消化管が正常に機能してこその話ですから。

      どんなフードにも食物繊維は含まれていて、この割合やタンパク質との配合バランスが著しく変わったりすると一時的に便の状態が悪化することがありますが、品質の良いフードであればその食事に見合った腸内環境に変化していきますから、時間をかけてゆっくりと慣らすことが必要です。

      結局フードの良し悪しは原材料で決まるものではありません。
      そのフードに含まれる様々な成分がそれぞれに犬の健康のために働くことが出来るかどうかです。それには犬の種類や性別、年齢以外にも考慮するべき点があります。

      ですからもしアレルギーなどの心配がなくジュリエットさんの愛犬が好んで食べるのであれば「メタボリックス+ユリナリー」をお試しいただければ幸いです。
      ヒルズのフードを与えることにに関して何かご心配な点があるようならまたその時はお話聞かせてください。別の選択肢がないかもう一度考えてみます。
      僕があなたの愛犬に出来ることはそのくらいしかありませんから。

      少しでも健康で長く過ごせるように願っています。

      • ジュリエット より:

        回答有難うございます。

        メタボリックス+ユリナリー検討してみます。

        尚、ロイヤルカナンのPHサポートV2+満腹感サポートは如何でしょうかね?

        此方の商品も体重管理と尿路結石に配慮されているフードで過去に一二度使用しましたが、どうしても発がん物質のBHAが気になり辞めてしまいました。

        • 牧田 亮介 より:

          ジュリエットさま

          回答しがいのあるご質問いただきありがとうございます。

          僕も知識と文章力が乏しいのでご納得いただけるご回答が出来ないと思いますが、原材料のみで良し悪しを評価することしかできない方たちの存在意味のないサイトよりはお役に立てるかと思います。

          読んでいただける方がいるだけでありがたいのでなるべく簡潔にわかりやすくお伝えできるようお話ししたいと思います。

          個人的にロイヤルカナンはヒルズよりもフードメーカーとしては評価しています。
          原材料や製法をその対象に合わせて変更していますし、粒の大きさや硬さ、形までをも最適なものにしています。
          膨大なデータと研究設備、犬猫の健康を守ろうおという意識の高さや情熱がなければできません。その点で他社の追従を許さない素晴らしい企業だと思います。

          他のフードメーカーも理念やコンセプトは素晴らしいものがありますが、犬猫に対しての感情や保護欲が強く感じられて納得できない点が何かしら一つくらいはありますね。
          薬理学や栄養学の基礎やエピデンスがどこかへ置き去りにされている気がします。

          以前他の方から質問があったクプレラやちょっと気になっているビルジャックなども惜しい点がありました。コンセプトもいいし発想もユニークなんですけどね。

          前置きが長くなりましたが、ご質問のロイヤルカナンのPHサポートV2+満腹感サポートですが、悪くはないと思います。しかしヒルズのメタボリックスほどの効果は期待できないでしょう。
          その理由は2つあります。

          1つはロイヤルカナンのPHサポートV2+満腹感サポートはベースが尿路疾患に特化したフードという点です。
          以前のご質問時にご愛犬の状態は7歳で12㎏でひどくはないがアルカリ尿に傾きやすいとの情報をいただいています。ということは明らかな肥満で尿路疾患は気をつけないとならない程度の状態ということになりますので、まず考えるべきは肥満の解消でしょう。

          尿路疾患の原因にも考えられることですので肥満が解消できればこちらも解決する可能性が考えられます。

          尿路疾患を患っていた、もしくは患っている犬のボディコンディションスコア(BCS)の中央値は、健全な状態の犬のBCSの中央値よりも高いことが明らかにされています。
          密接な関りがあると考えて良いでしょう。

          メタボリックスでは代謝を改善することで減量だけではなく肥満になりにくい体を作ることが出来ます。基礎代謝が上がれば様々な点で健康回復、維持、病気予防が可能になりますし、内臓機能の低下が予防出来れば健康寿命が延びることも十分考えられます。

          2つ目は肥満解消に対するアプローチの違いです。
          肥満にしないためには摂取カロリーを消費カロリー以下にすることが出来るかどうかですから、ロイヤルカナンも他のダイエットフード同様に、低カロリーで食物繊維の質と量で食事の満足感を高めるというコンセプトですね。

          不溶性繊維と可溶性繊維は代謝エネルギーこそない物の腸内細菌の餌になりますし、高脂血症や下痢、便秘などの改善にも有効です。
          高タンパクのフードではインドールやスカトールなどの悪性物質が生産されやすいので必要な配慮です。

          ただしこれはあくまで消化吸収されるサイクルでのフードのパフォーマンスをコントロールしているに過ぎず、メタボリックスのような基礎代謝の向上という体質改善には至りません。
          メタボリックスはロイヤルカナンと同様の減量効果に加えて、基礎代謝の向上での健康的な身体を作るという減量予後の健康にも配慮しているのです。

          とは言えこれはあくまで机上の空論に過ぎず、確実に効果に差が表れるかと言えば補償はありません。
          マルチファンクションシリーズはトリプトファンや加水分解ミルクカゼインなども含んでいると思いますし、食べる犬の体質や腸内環境のバランスによってはより効果的に減量が進む可能性もあります。腸内細菌とのマッチングによってはフードを受け付けないという可能性はどのメーカーのどんなフードでもあり得ることですし、食べなければ意味がありませんから。

          病は気からとも言いますし、犬にも意思や感情はありますのでその点でも絶対とは言い切れません。

          とまあこんな返答でご納得いただけるとありがたいです。
          BHAに関してはこれ以上の長文になるだろうと思いますので、別記事にいただいてる方の質問でご返答させていただきます。

          あとここまで話しておいてなんですが、フードのことはあくまでも独学で学んだことですので正解かどうかではなく一個人の一つの意見としてご判断くださいね。
          獣医師の先生方には病気の知識経験は全く及びません。素人も良いところです。療法食にしても全然わからないことの方が多いですから。

  3. ジュリエット より:

    返答ありがとうございます。

    私も知識は全然ありませんが最後にもう一つ質問です。

    ネット検索ではフード表記の一番最初に肉類が書かれているのが良いと謳っています。

    その点、教えていただいたヒルズの療法食は穀物が表記の最初に書かれています。

    確か多く使われている食材から順番に表記されていると言われているので、そうすると炭水化物などの穀物が最初に表記されているヒルズのメタボリックス+ユリナリーは寧ろ糖質が多く血糖値を上げ太らせてしまうのではないかと私個人としては思うのですが間違っていますでしょうか?

    その点、ロイヤルカナンのPHサポートV2+満腹感サポートにせよ満腹感サポートスペシャル、満腹感サポートと等は蛋白質からメインに表記されているので筋肉を維持しながらダイエットさせるには良いのではないかと思った次第ですが如何思われますでしようか?

    • 牧田 亮介 より:

      ジュリエットさま

      原材料表記についてですが、以前ブログで投稿していますのでそちらの記事もご参考にしてみて下さい。

      http://thisone-blog.com/trouble/foods/meat-first

      原材料については無視できない点は確かにありますが、ほとんどの方が情報に踊らされている気がします。
      ドッグフードはあくまでそれ自体が完成された食品です。肉でも野菜でもありません。

      原材料は肉が良いというのはすでに迷信と言ってもいいくらい技術や科学は進んでいます。
      ドッグフードの原材料を気にすることは、言うなればステーキを食べようという時にその牛がどんな食事をとっていたかを気にするようなものです。
      牛の身体も食事として摂取した草という原材料で出来ているのですから。

      ただ一つ違うのは人間の食事は成分分析値がわからないということです。

      アスリートでもそれぞれの食品から色んな栄養素を集めるような形で食事をとって、自らの考えやトレーナーの指示などでどんな食品をどれだけとるかを決めています。
      ですから競技によってタンパク質が多い少ない、脂肪はどの程度必要か、エネルギーの糖質はどのタイミングでどれだけとるかを計算しなければいけません。

      しかし犬の場合はすでにドッグフードという製品自体がその計算で作られています。ですから状態や年齢に合わせて選択することが必要なのです。

      ブログでも良く言っているように、問題は原材料ではなく必要な栄養素をどれだけ消化吸収できるかが大切です。
      いくら良質な肉を原材料に使っていても吸収率や利用効率が悪ければ結果が伴わないでしょう。犬の食事の目的はどこまで行っても栄養摂取が第一です。原材料ばかりを気にしていて結果が伴わなければ食事の意味がありません。

      糖質とタンパク質の代謝エネルギーは同じですからどちらを摂取したとしても、消費カロリーと摂取カロリーが釣り合っていれば痩せも太りもしませんし、消費カロリーが上回れば痩せます。
      しかし摂取カロリーが上回った場合には糖質はインスリンによって中性脂肪へと蓄えられます。

      ジュリエットさまがおっしゃるように糖質が多い食事はリスクが高いのは事実ではあります。原材料からしてもGI値の高い低いは判別できますので、ご心配になるのも無理はありません。
      単純に比較すれば確かにメタボリックスの方が糖質が多いのは事実です。
      しかし前回の回答でお話ししたようにメタボリックスの最大の特徴は基礎代謝量を底上げすることにあります。

      そもそも減量に対するアプローチが違いますので、単純に糖質の含有量でフードのパフォーマンスを決定することは出来ません。糖質と言ってもGI値の違いで吸収スピードも変わりますし、原材料表記の食材が同じであっても加工の方法などでも変わってきます。

      結局のところ糖質が多い少ないは数値化したとしても、どの犬にどれだけ必要かの割合は簡単に決められるものではありません。

      人間同様ダイエットの失敗は急激な食事制限やリバウンドにあることも事実です。
      肥満という異常状態を健全に引き戻すというための栄養バランスは、健康体の犬に対するものとは全く違いますから、やはり原材料や成分がどうだからと自身で判断するよりは結果で見るべきだと思います。

      ドッグフードの性質上エネルギー代謝を安価な炭水化物で補えるのならコストパフォーマンスをあげられることは事実ですので、個人的にはグレインフリーを推奨しようとは全く思いません。しかし犬に糖質が必要かどうかと聞かれれば、無くて良いものです。

      タンパク質から糖新生という方法を用いて生成することが可能ですから。
      ただこれは飢餓状態に陥る機会が多かった食生活が産みだした代謝とも言えますので、健康的な機能とは言い難いものでもあります。肝臓の機能を使い糖を産みだすよりは、α化したでんぷんを摂取しエネルギーとして利用できる方が効率がいいのは事実です。
      効率が良いからこそ太りやすいので問題にはなっていますが・・・・

      個々人的には食事の内容うんぬんよりも与え方が問題な気もしますし、自然な動物には避妊去勢した状態で生きているものはいません。
      ですからそれに合わせた食事栄養管理は研究がまだまだ足りていないのではという思いもあります。
      今回のヒルズのメタボリックスはその点で画期的なフードだと思いますので、避妊去勢の犬にこそおすすめできる気がします。手術の影響が代謝を変えてしまうことは事実と言えますので、代謝にアプローチするフードだからこその複合的な効果が狙える点で、単純な栄養摂取というだけでなく健康に配慮した食事と言えます。

      肥満の問題は減量ではなく健康状態の回復であると考えてみてはいかがでしょう?

      質問に対する回答ではなくなってしまったかもしれませんが、参考になれば幸いです。

      最後のご質問ということでしたが、こちらとしてもブログのネタや回答することで改めて考えさせられることもあったりととても有意義な機会でした。ありがとうございます。

      愛犬が太ってしまったことは喜ばしいことではありませんが、ジュリエットさまがそれを飼い主の行いによるものと認め改善に勤めようと努力しているのはとても素晴らしいことだと思います。
      しかも多くの意見をしっかり聞いたうえで判断しようという姿勢が伺えますので、こちらとしてもお役に立てたなら嬉しい限りです。

      残念ながらほとんどの方が根拠のない疑わしい情報を簡単に信じてしまいます。
      もちろん僕の言っていることも正解ではなく一つの意見ですので同じ穴の狢ではありますがw

      とにかくこれからも愛犬のために考え頭を悩ませ向き合っていってください。また協力が必要であればいつでもお声がけくださいね。
      あなたと愛犬の生活が素晴らしいものであるように願っています。

      ペットショップチロル
      牧田亮介

      • ジュリエット より:

        回答ありがとうございます。

        又、気になることがあれば質問いたします。

        では失礼いたします。

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