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ドッグフードの原材料表示の落とし穴!主原料が肉か穀物かの判断について

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ペット屋の息子です。

ドッグフードやキャットフードのおすすめをよく聞かれますが、先日こちらのブログの

ドッグフードのおすすめは?に最適なフードを動物の食生活から考える

おすすめのフードについて話しましたが、猫はともかく犬は犬種毎に特徴が大きく変わりますし、個体差にも随分と幅がありますから、このフードが良いですとは言えないのが本音です。

やはり犬や猫を実際に見てみないことには、具体的にこのフードが良いという提案は出来ません。
例えばシーズーやキャバリアなどは性質も穏やかで皮下脂肪も比較的多い犬種ですが、イタリアングレーハウンドやミニチュアピンシャーなどは活動的で筋肉質。いうなればアスリートのような身体を持っています。

犬種ランキングNo1のトイプードルは全身を覆う被毛が伸び続ける犬種です。そういった様々な特性の違いから最適なフードが変わるのは当然です。

それでも根本的には捕食動物ですから、愛情深く知識のある飼い主の方々なら、良質な肉を主原料としたフードを選びたくなるのが心情というものでしょう。
しかしその選び方は本当に正しいのか?

今回は主原料と原材料表示についての話です。

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ドッグフードの主原料が肉か穀物か

フードについての解説を熱心にされているサイトも多数ありますが、いくつか疑問に思う事も多くあります。

犬のプロであっても栄養学のプロではない方もいますから、当然と言えば当然ですが。

最近ではグレインフリー(穀物不使用)のフードが主流になってきています。捕食動物を祖先に持つ犬猫の食生活を考えれば当然の結果かもしれません。
しかし、犬については猫と違い真正の肉食ではありませんので、穀物を与えるか否かという点においても正しいとされる考えは無いと言えます。ただ主原料については肉類であるべきという意見が多いようです。

しかし問題は総合栄養食としての栄養価が摂取でき、健康に問題がないかという点であって原材料がどうなのかという事ではない。
あるフードメーカーはそういったコンセプトで製品を作っています。
主原料が穀物であっても優れたフードが無いわけではありません。

肉は確かにタンパク源として優れていますが、野生動物のように生肉をそのまま食べるわけではありませんから。

タンパク質の栄養価は生物価と消化吸収率で表される

タンパク質の栄養価とは食物中のタンパク質の利用効率を数値化した物ですが、その計算には生物価を使って求められます。
タンパク質の生物価は体内で吸収された窒素が合成に使われる割合を数値化した物です。

多くのサイトでは生物価の高いタンパク質を摂取することが必要とされていますが、実際にはそれだけでは不十分です。加工や調理によって食材の消化吸収率は大きく変わります。その点を考慮せずに原材料だけでフードの良し悪しは判断できないのです。

ドッグフードおすすめサイトが参考にできない理由

肉や魚が原材料表の先頭に合ったとしてもタンパク質の利用効率が良いフードとは限りません。

食材に含まれる水分量で重量が変わるので、水分のない状態で使われている原材料はどうしても表記の順序が変わってきますから。

例えば大豆と生の鶏肉では同じ100gを摂取したとしても大豆からの方が摂取できるタンパク質量は多くなります。含まれている水分が鶏肉の方が多いからです。

ですからロイヤルカナンのフードのように原材料表記の最初に米やとうもろこしがあったとしても何ら問題はありません。これがご飯であれば考えものですが。

犬にとうもろこしはNGなのか?ドッグフードの原材料を栄養学から語る

米の方が肉よりも水分が少ないのはお分りでしょう。穀物を主食とする人間でも調理しない限り食べられません。生米を食べるとおなかを壊します。

残念ながらインターネット上のドッグフードの解説はほとんどがそういった点を考えておらず信憑性に欠けるものばかりですから、それらを参考にフードを選んだとしても健康的に過ごせるかは正直疑問です。

原材料に何を使っているかだけで評価を下されたらフードを開発製造する獣医師や栄養学のエキスパートの経験や知識や研究成果は報われなさすぎます。

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ペットフードの表示について

そもそも法律ではペットフードは食品に当たらないので食品表示の原則は適用されません。
しかしペットフード公正取引協議会の定めるペットフードの表示に関する公正競争規約に沿って製造販売がされているのも事実です。ただこちらの協議会の定める規約は自主基準ですので、非会員の違反などの罰則適用はありません。あくまで製造・販売の業者が任意で行っているものということになります。

ペットフードの表示に関する公正競争規約によれば、添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多い順に記載することが義務付けられていますので、ここを判断基準にしている方も多いでしょう。
こうした表示義務から主原料が肉類である「ミートファースト」をうたっているメーカーもあります。

新鮮な生肉を多く含んだ良質なフードは、確かに犬の健康を維持する上では必要に思います。穀物を消化する能力が低く必要な栄養を吸収することが難しいからです。
しかしこの主原料が肉という表記には落とし穴があります。場合によっては穀物ファーストでも栄養価的に勝っていることも考えられます。

ドッグフードの原材料の肉には種類がある

ドッグフードの原料になる肉にもいろいろありますが、生肉と記載があればイメージも良いでしょうが、実際のところ70%は水分です。

原材料表示の中には〇〇生肉の他に〇〇ミールが一般的ですが、ミール(肉粉)の規定は、加熱加工して脂肪分を取り除いた動物の組織を乾燥させた粉末状の物です。

こちらは乾燥した状態の肉である為、含まれる水分はほぼ0です。脂肪分も少なくたんぱく質が豊富で栄養価が凝縮しているというメリットがあります。しかし加工過程を経て高熱で処理される為たんぱく質の熱変性が進んでいると予想されます。
どの程度の栄養損失があるかは分かりませんが、少なくとも製品上の栄養成分が基準を満たしてはいます。

ミールは生肉と比べ水分量が少ないので、表記上は穀物などよりも後に来ることがあります。こういった違いを知らずに主原料が肉か穀物かの違いを気にするのはいかがな物かと思います。

インターネット上では原材料の安全性に言及し、レンダリング材料のミールはさんざん叩かれていますが、実際のところはどうなのでしょう。製造工程をこの目で確認したことがない上に、栄養成分のデータが表に出てない以上、個人的にはそこまで拒否するほどの事も無いというのが本音です。

原材料よりも有効に活用できるかどうかが重要

そもそも原料に穀物や肉がどう使われているかは議論の対象にする事ではありません。問題なのはそれに含まれる栄養価がどれほど有効に摂取でき活用されるかです。

タンパク質の質や量は原材料で決まる物ではありません。穀物が消化しにくいから肉を与える方が良いというのは正しいですが、すでにドッグフードという製品に加工されている以上、肉だろうと穀物だろうと有効利用できるタンパク質かどうかが重要だからです。

チキンの生肉とコーングルテンでは犬にとってどちらが優れたタンパク源か

新鮮なチキンの生肉とコーングルテンを犬に与えるとしたら、どちらが消化吸収に優れ利用効率が良いタンパク源か?

ここまでくればもうお分かりかと思いますが圧倒的にコーングルテンです。犬にとうもろこしはけして悪いものではありません。

犬にとうもろこしはNGなのか?ドッグフードの原材料を栄養学から語る

極端な話ボディービルダーが肉を食べるよりプロテインを飲む的な話と同じです。より早く消化吸収でき栄養として利用可能であればそれに越したことはありません。ドッグフードはあくまでも栄養摂取が目的の食事です。

皮膚や被毛、骨や筋肉を作る為に、体温を維持する為に必要な熱量を産み出すためのエネルギーを摂取する為に必要な栄養を摂取する行為なのです。

タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン、糖質が犬にとって最適なバランスで整ってさえいれば何を食べたかは問題ではありません。

まとめ

フードの安全性は確かに大事ですが、あまり神経過敏になったり過保護にすることは動物にとってけして良いことではありません。
肉食動物は血をすすり、内臓を食べることでたんぱく質以外の栄養も摂取しています。加工したフードに生の栄養価はほとんど含まれていないとしても、栄養的なバランスや理想的な成分分析値が安価で効率よく再現できるにこしたことは無いと思います。

犬や猫は文明や科学に頼らないで環境に適応できる身体を持っていますが、その機能を活かし保つには栄養管理は必須です。
寒冷地に生息する大型犬は体の表面積に対して質量があり、皮下脂肪も多いものです。皮膚や被毛に栄養が不足すれば暑さや寒さから身を守ることは難しくなります。動物の身体は食事で作られていますから、過剰なまでの安全にこだわるよりも栄養面を考えて選択するべきでしょう。

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