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犬の関節や骨の5大疾病に注意!気を付けたい犬種と治療や予防

悩み
A full body lateral radiograph of the domestic dog

ペット屋の息子です。

以前も犬の骨格形成についての話をさせて頂いてますが、トイプードルのブームあたりから膝蓋骨に心配のある犬が増えてきたような気がします。それ以前にはダックスのブームがありましたが、犬種的な特徴もあり椎間板ヘルニアを患う犬も見かけられました。大型犬では股関節の形成不全などの疾患も。

遺伝や繁殖の問題などが大きく関わってくる関節や骨の疾患ですが、後天的な要素も影響がないとは言えません。

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で話したように室内での飼育環境は犬にとっていいことばかりではありません。犬も人も快適さや便利な環境が整いすぎていたりというのも考え物です。

特にプードルでは膝蓋骨脱臼(パテラ)と診断される犬が非常に多く、気が付いていない飼い主の方もいるかもしれません。
ヘアカタログを買ってそんな現実を目の当たりにした時はペットブームの問題点を強く感じました。

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犬の骨格形成は人間以上に健康に影響を及ぼすかもしれません。飼い主が早く気づき対処することで犬の健康寿命を少しでも守ることが出来るはずです。というわけで本日は骨や関節の疾患のチェックポイントと予防や治療の話です。

犬の椎間板ヘルニアの症状や手術・治療・予防法

ダックスフンドによく見られる椎間板ヘルニアですが、同じような体型のウェルシュコーギーなども掛かりやすい疾患です。他にもパグやフレンチブルドッグなどの胴が太く短足の犬にも注意が必要です。体重が重たくなればそれだけ負担も大きくなりますので、椎間板だけでなく股関節や膝蓋骨にも影響が出る事があります。

犬の椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアは、背骨の椎体と椎体の間の軟骨組織である椎間板が圧力や歪みによって変形し、内部組織の髄核が飛び出して脊髄の神経を圧迫することで、激しい痛みやしびれなどが起こります。
初期の段階では階段を登ったり降りたりをためらう様になったり脚や身体の痺れから震えが起きたりします。徐々に進行して行けば散歩や抱っこに対しての拒否反応が見られ、放置すれば神経がマヒして脚を引きずるようになります。

起き上がる動作に、もたつきや足がもつれる
後ろ足の爪の削れ方が激しい

といった様子が見られたら要注意です。爪の削れ方に関しては、散歩でよく引っ張る犬は前足が浮いたような状態で歩くので同じような状態になりますが、椎間板ヘルニアの犬は引っ張るような事は無いと思いますので混同する事は無いと思います。

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犬の椎間板ヘルニアの手術や治療

初期で気がつけば投薬治療でも治療することが出来ます。
しかし症状が進み痛みや麻痺が起こっていれば脊髄神経への圧迫を抑えなければなりませんので、手術を行う事になります。術前にMRIなどで患部の様子を確認することで層状を正確に診断し、より適切な処置を受けることが出来ます。
重度の症状であれば術後の事を考え信頼できる病院で任せることをお勧めします。再発してしまったらまた苦しみが始まり、犬にも飼い主にも負担が増えてしまします。

犬の椎間板ヘルニアの予防法

適正体重の維持はもちろんですが、犬に抱き癖がついてしまったりすると、飛びついたり後ろ足だけで立ち上がったり歩いたりと、背骨に負担がかかる姿勢をするようになります。そうした姿勢を取らせないことも大切です。犬とのふれあいは顔の位置を下げて相手をするように座ったり寝っ転がったりするようにしてみてはいかがでしょう。

普段からコミュニケーションを取る事でしっかりとしつけをしておくことも必要です。スワレやマテがきちんとできれば立ち上がる姿勢を取ることも少なくなるでしょう。

犬の膝蓋骨脱臼の症状・手術・治療・予防法


トイプードルやポメラニアン、ヨークシャーテリア、マルチーズにチワワなどの小型犬に多く見られる症状で、膝の皿(膝蓋骨)がずれてしまう疾患です。
原因の多くは遺伝性のものですが、軽度な状態でも飼育環境や肥満運動不足などの要因で悪化する事があります。生後5ヶ月程度から発症する事が多く片方が膝蓋骨脱臼になってしまうともう片方も発症する事が多いです。

犬の膝蓋骨脱臼の症状

膝蓋骨を脱臼した犬は片足を上げてケンケンするようなそぶりを見せる事があります。後ろ足をあげることが気になりだしたら要注意です。犬自身も違和感を感じたように足の曲げ伸ばしを頻繁に行ったり、片足を上げた状態で立つようになります。
成長過程などでも状態が変わることがありますが度々そうした様子が見られるのなら早目に診断を受けるべきでしょう。膝蓋骨脱臼には4段階の分類があります。

  • グレード1
    脱臼はごくまれに起こり短時間の跛行が認められます。足を伸ばした状態で膝蓋骨を指で押すと容易に脱臼するが、指を離せば元に戻ります。
  • グレード2
    歩く際に膝を曲げて、ケンケンしたような状態になります。膝を曲げると脱臼を起こしますが伸ばした状態では元に戻ります
  • グレード3
    ほとんど脱臼した状態で、動いた拍子で時々元に戻ることがあります。外れた膝蓋骨は指で押し戻すことが出来ますがまたすぐに外れてしまいます。
  • グレード4
    常に外れた状態で足を延ばすことが出来ない状態で抱え込んだような形で歩きます。指で押し戻すこともできません。

犬の膝蓋骨脱臼の手術や治療

グレードが1であれば炎症を抑える処置と経過観察で様子を見る事がありますが、悪化してグレード2以上なら手術を考えなければいけません。3や4であれば生活も困難な状態ですのですし、薬で完治できる疾患ではありません。
多くの場合は膝蓋骨の溝を深くするような手術になりますが、状態がひどければ筋膜の収縮を調整する事も必要となります。

犬の膝蓋骨脱臼の予防法

成長期に激しい運動を繰り返すことやすべりやすい環境での運動が原因になることがありますのでフローリングなどで走らせることはさせない方が良いでしょう。急に曲がったり止まったりして関節に負荷がかかることを避けるように注意して下さい。
膝蓋骨の状態や成長に合わせた栄養管理や運動管理が必要です。肥満にも気を付けなければなりません。

犬の股関節形成不全の症状・手術・治療・予防法

犬の股関節形成不全
ゴールデンやラブラドール、バーニーズマウンテンドッグなど大型犬に多い股関節の疾患で原因のほとんどは遺伝によるものと言われています。
股関節が緩みやすい状態でいる事により、正常な関節の機能が作られない疾患です。股異形成とも呼ばれ、太ももの骨(大腿骨)が収まるまでに股関節が発育しない為に起こります。

犬の股関節形成不全の症状

歩行の際にお尻を左右に振るようなしぐさが見られます。初めて犬を飼ったり他の犬と一緒になることが無ければ見逃してしまう事がありますが、症状が悪化すれば痛みや違和感を感じてかばったり引きずるようなそぶりが見られることがあります。後ろ足の歩幅が狭くなったり立ち上がることに苦労したりする様子が見られたら診察を受けましょう。

犬の股関節形成不全の手術や治療

「関節鏡」と呼ばれる小型のカメラを身体に空けた小さな穴から差し入れ患部の様子を映像で確認することが出来ます。症状によっては予防的な手術を行う事で発症を防ぐことが出来ます。関節の炎症も併発しやすい病気ですので悪化すれば人工関節置換術を行う事になるかもしれません。薬などで炎症は抑えられますが完治には至りませんので手術が必須の疾患と言えるでしょう。

犬の股関節形成不全の予防法

大型犬の発症例が多いのは急激な成長によって著しく体重が増加し、股関節に負担がかかることが原因とも言われています。自覚がない犬がほとんどですのではげしい運動をさせないように飼い主がコントロールする必要があります。興奮させる機会を作らない様に心掛け、幼少期は運動よりも知育トレーニングを行い欲求を解消しましょう。栄養管理もしっかりとお香なう必要があります。

犬のレッグペルテスの症状・手術・予防法

ジャックラッセルやトイプードル、ミニチュアピンシャーなどの小型犬に多く見られる疾患です。
遺伝的な要因が多く股関節形成不全と似たような症状が現れます。太ももの骨の上部先端に血流が滞る事で患部が壊死してしまう疾患です。

犬のレッグペルテスの症状

発症してから徐々に後ろ足を上げる機会が増え足を触ったり歩いた時にキャンと鳴き痛がるそぶりを見せるようになります。傷みが激しくなるほどに片足を上げた状態が続く為筋肉の発達が不ぞろいになり明らかに異常のある足が細いのが見て分かるようになります。

犬のレッグペルテスの手術・治療方法

発症したら早急に手術の必要があります。治療が遅れると歩行障害が残ったり大腿骨の形が異常に変形してしまう事も。
外科手術では大腿骨頭(股関節に収まっている部位)の壊死部分を切除する大腿骨頭切除術を行います。早期に手術を行えば、以後は残った骨と臀部の筋肉が正常な股関節を形成しますので日常生活はもちろん、通常の散歩や運動も出来るようになります。

犬のレッグペルテスの予防法

犬種の特性を理解し健全な繁殖を行っているブリーダーから犬を迎え入れる事につきます。
発症の原因が遺伝的な事から見てもそれ以外に発症を回避できる方法は無いでしょう。もちろん遺伝には最初の1頭というものもありますので%の安全はありえませんが。それでも遺伝に関わる多くの疾患を回避できることに繋がりますし、そうしたブリーダーは犬種に合った運動管理や栄養管理なども行い、形質の優れた繁殖で犬種の育成向上に努めていますので疾患の確立は極めて低いでしょう。

犬の前十字靭帯断裂の症状・手術・予防法

あらゆる犬種の成犬から高齢犬に多く見られる症状で、事故などで急激な圧力が加わり日頃のダメージの蓄積から、大腿骨と脛骨を結びつけている前十字靭帯が切れてしまう疾患です。

犬の前十字靭帯断裂の症状

前十字靭帯は大腿骨に対して脛骨(下腿骨)が前方に滑らない為の役割をしていますので、靭帯が断裂すると体重をかけるたびに膝関節は不安定になって、悪化すれば関節炎を引き起こします。靭帯の断裂は激しい痛みが伴いますので触られることを痛がったり歩かなくなります。

犬の前十字靭帯断裂の手術や治療

前十字靭帯が完全に断裂したり半月板に損傷が見られれば手術をすることになります。完全な断裂でなければ固定した上で炎症を抑える処置をして回復を待ちます。ただ後に完全断裂を起こしてしまう可能性も高いので経過観察の後手術を行う事になるかもしれません。
手術は脛骨を切って固定する方法や、切れた靭帯を人工物に置換する(関節内法)が行われることが多いようですが、最近では関節を力学的に安定させることにより機能回復をさせる脛骨粗面前進術なども取り入れられています。

まとめ

遺伝的な要因で起こる疾患がほとんどですが、悪化の原因は飼育環境や知中の増加によるものも大きいでしょう。
犬は人間が繁殖して産みだした動物とも言えますから、迎え入れる前に多くの知識を得る事や犬をどこから迎え入れるかもしっかりと考えるべきです。

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で話したように犬を選ぶ際に今その犬がかわいいかどうかという事は全く重要ではありません。子犬の愛らしさに騙されないようにしましょう。迎え入れた後もかわいいやかわいそうという感情で犬の将来を台無しにしない様にしっかりとその子の将来を考えて誰からも愛される犬になるようにしつけをし、問題行動を起こさぬように正しい管理をしましょう。そうする事が健康を維持する事にも繋がります。

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