ペット屋の息子です。
犬に毎日の散歩は必要なのでしょうか?
犬を飼うと毎日散歩に行かなきゃならない。
昼間一人にさせておけない。
旅行に行けなくなる。
犬を飼おうと悩んでる家族とお話しすると大抵そんなネガティブ発言を聞くことがありますが、世の中の方は余計な負担を背負い込むために犬を購入し維持費を払っているのではないはずです。
しかも犬を飼うことの先入観や固定概念がしつけを失敗させる原因のひとつになっていることにも全く気づいていません。散歩もそのうちの一つです。
というわけで本日は犬の散歩はさぼってもいいというお話です。
犬の散歩は真面目に無理して頑張るほどのものでもない
責任を負う事の不安に、経済的な負担や世話に掛かる時間が増えるなどの悩みをお持ちの方が多くいる事を実感します。
家庭では家を預かる女性が世話をすることになることが多く、家事や育児に合わせて、犬の世話が負担になる事に不安を覚えるようです。
お話の中でよく出てくるフレーズは
犬を飼うと散歩に行かなきゃいけないでしょ
です。
こういった意見は非常に多く、愛犬家からは「だったら飼わなければいい!」なんて意見も出てきそうですが、散歩に連れて行きたいと思う方ばかりではなく、むしろ負担に思っている方の方が多い気がします。
犬の為には毎日適切な運動をさせるべきという点については僕もそう思いますが、個人の意見としては、皆さんの犬の散歩に対しての考え方が、良くも悪くも真面目すぎるような気がします。散歩というよりも犬に対してと言った方が正しい気もしますが・・・
犬に対しての愛情から取った行動が仇となり、問題行動を起こしている犬も少なくありません。
こんなに尽くしているのにどうしてわかってくれないんだろうと悩む方もいますし、犬に振り回されないためにも犬との向き合い方を考えましょう。
犬の散歩は楽しんでいくために発想の転換を
犬の散歩は社会性を身に着けるために非常に重要ですし、犬が何を考えどう行動するかを見逃さず、自身の縄張り以外で飼い主との意思の疎通を図るためにしつけを行うには最良の機会です。
というのは事実ですが、毎日毎回神経すり減らして犬に振り回されてなんてしてたら身が持たなくなりますよね。
絶対服従の完璧なしつけを目指すならストイックに頑張っていただいて構いませんが、それを無理して行うために犬を飼う人はまずいないでしょう。散歩だって犬との時間を楽しむために行う物ですから。
子供のころ登下校中にじゃんけんしながら歩く距離を決める遊びや、何かを見つけたり寄り道したりと楽しみながら歩いたことを思い出してみて下さい。
散歩をどう楽しむかを考える事で犬との関係性もより良好な物に変わります。
犬の散歩を習慣化することのメリットとデメリット
犬を散歩に連れて行くことのメリットは多くありますが、考え方や方法などを間違えると、メリットよりも負担やリスクの方が大きくなります。僕の散歩に対する考え方が正しいかどうかは人それぞれですが、まずは散歩の良い点を分かりやすく箇条書きにしてみます。
散歩のメリット
社会性を身に着けられる
排泄のコントロールがしやすくなる
犬と飼い主の運動
気分転換や行動欲求の解消
パッと思いつくだけでもこれだけのことがあります。
散歩に行くことは外の世界を知るいい機会にもなり、しつけの為にはとても有効ですし、飼い主の健康維持の為にもおすすめ出来ます。
トイレも散歩ですることを覚えてくれれば家の中を汚さなくなりますから、良いことづくめです。
しかし以上の事は全ての飼い犬に言えることではありません。
犬の育て方や性格によっては散歩をしたがらない可能性もあります。
また散歩を習慣化することはけして悪いことではありませんが、散歩に行けない時に問題が起きる可能性があります。
散歩に行かないと排便をしない
散歩に行きたがって吠える
などという悩みをお持ちの方もいます。
犬の散歩の習慣化のデメリットは行かないことで解消する
忙しい日や体調不良をおして散歩に行くことは、必ず散歩に行けると思い込ませてしまう事に繋がります。
1日、2日散歩をサボったところでどうにもなりません。犬の基礎代謝は人間よりも高いので、運動で消費するカロリーの割合が低く痩せにくいと言われています。
運動不足で太るという事はそうそうありません。太ったという犬がいるのなら、それはむしろ散歩に行けない運動欲求をおやつで満たそうとする飼い主の行動に問題があるのかもしれません。
トイレの問題にしても子犬から買っていれば散歩に出るまでは家の中のトイレで済ませていたはずですから、散歩に行かない日を作ることで忘れさせないように出来るはずです。
散歩に行けない理由を犬に説明できますか?
犬の散歩を習慣化することは飼い主の負担が大きくなるばかりではなく、犬にもストレスを与える結果になりかねません。
体調不良や天候不良で散歩に行くのは負担やリスクも少なくありませんし、冠婚葬祭などの際に犬の散歩を優先させる訳にもいかないでしょう。
しかしそういった理由を犬に話したところで、馬の耳に念仏です。聞き入れてくれるわけがありません。
飲み過ぎて二日酔いだから散歩は勘弁してくれ、昨日インフルエンザにかかって動けない、恩師の通夜に行かなければならないから。
そんな理由を告げても
じゃあ仕方ないね
なんて言ってくれる犬はいません。
毎日決まった時間に散歩に行くことを覚えさせてしまうと後が大変です。
特に柴犬などは規則正しく神経質な性質の犬が多いので、早朝に散歩に行く習慣をつけてしまうと、5時・6時から要求して吠えるようになることもあります。
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犬の散歩で間違ったしつけを行わないために飼い主のペースを守る
自分の生活にあった犬を選ぶことが一番大切だということになりますが、犬の生活は飼い主あっての物です。犬を主体に考えず、自分の生活の余裕の範囲での飼育を心掛けましょう。
無理に散歩に行くことで飼い主のイライラが伝わったり、犬への態度や接し方で関係性を崩す事に繋がる可能性もあります。散歩の時間は犬や飼い主にとって多くの事を学ぶ機会でもあります。そう考えれば、犬にとっても飼い主にとっても良い結果が出ない状況や状態で行うべきではありません。
犬の生活レベルを飼い主の必死の努力で維持していても、犬は気付いてくれないでしょう。
毎日残業続きで忙しいのに自分の相手をしてくれてありがとう、ボーナスが下がったのにいつもおやつを買って来てくれて嬉しい。
そんなできた犬がいたら結婚したいくらいです。
毎日を決まったサイクルで生活できる人には余計な話かもしれませんが、そうでない人なら無理に散歩に行かずに、行ける時にしっかりと相手をするようにしましょう。
メリハリのある生活をすることで、犬の順応性を育てる事になると思っていて下さい。
犬の散歩はついでにという気持ちで
散歩を目的にしてしまうとなかなか続かなかったり億劫になったりしますし、前述のとおり行けなかったことで犬が不満に思うことになります。
独り暮らしの方には難しいかもしれませんが、散歩には複数人で別の目的のついでに行くことをお勧めします。
生活の中で1歩も外に出ない日というのはむしろ少ないと思いますので、出かけるついでに散歩に行くようにしましょう。
TUTAYAまでDVDを借りに行く、返しに行く。
煙草を買いにコンビニへ行く。
郵便物を出しに行く。
夕飯の買い物に行く。
そういったついでに犬を散歩に連れて行けば、それほど散歩が負担にならず効率が良い上に、期待していなかった外出に犬も喜ぶでしょう。
複数人で散歩に行くことで、本人や犬に何かあった時に素早く対処出来たり、事故を未然に防いだりという確率は高まりますし、家庭以外での犬がどういう行動を取るかなどを知る機会がそれぞれにあれば、意外な発見につながることもあります。
犬の散歩のまとめ
散歩は行かなきゃいけないと思うと面倒に思いますが、たまに行くと楽しかったりしますし、犬の様々な行動が垣間見え、犬にとっても飼い主にとっても学習に繋がります。
散歩中に思わず出会いに恵まれることもあります。当店で産まれた犬を販売したら、散歩の最中にたまたま親や兄弟に合った、なんて話もたまに聞きます。
そう言った出逢いから友達ができることもありますし、犬を通じて飼い主の生活にも楽しい出来事や潤いが産まれることがあれば何よりです。
しかし、散歩には行きたがる犬もいれば行きたがらない犬もいます。犬の心理や対処法なんかもお話していこうと思いますが、散歩はなかなか奥が深いので、少しづつお話していきます。
犬も飼い主も散歩は楽しんで行くようにしたいですね。