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冬の寒い時期に子犬を迎えるための準備と寒さ対策の4つのポイント

投稿日:2017年11月18日 更新日:

ペットショップチロルの息子です。

子犬を迎えるのに最適な時期があるとすれば春や秋ですが、そうはいっても受け入れる側のそれぞれの事情もあるでしょうし、たまたま出かけた先で運命的な出逢いを果たしてしまうことだって時にはあると思います。

それに冬は人恋しくなる季節ですから、子犬の愛らしさやぬくもりに触れて手放したくなる気持ちが芽生えてもおかしくありません。

でもそれは子犬の側から見ても同じことかもしれません。母親のぬくもりが恋しいとより強く思う時期だとすれば、季節の寒さと寂しさで体調を崩しやすくなるはずです。

しかしいつかは迎える季節ですからしっかりと知識を蓄え準備をして新しい家族を迎え入れましょう。

今日は冬に子犬を迎える為の準備と心構えの話です。

冬に迎える子犬は体のサイズや種類で病気のリスクが変わる?

多くの犬はヨーロッパ原産の犬たちですから、夏と比べれば冬は比較的過ごしやすい時期ではあります。それに犬はもともと野外で生活していましたから体の機能を活かす事ができるような配慮をすれば十分に暮らしていけます。小型犬だって屋外飼育は不可能ではありません。

しかしそれは成犬の話です。

野生の犬や猫は生まれた時から厳しい環境にいますが、産まれた犬や猫が全て育つわけではありません。場合によっては生き残る数の方が少ないのです。

これは推測ですが愛玩犬と呼ばれる犬たちは抱き犬として発展してきましたから厳しい自然環境を生き抜くための身体の機能はやはり劣るのでしょう。体が小さいことは生き抜くために有利とは言えませんし、出産頭数が少ないのは命を落とす個体が少ないからだと思います。

もちろんサイズだけでなく犬種によっても寒さに強い弱いの差はありますから、犬に対しての知識は合った方が良いに決まっています。

と言っても犬種自体を知らなくても姿形をみれば、科学的知識や生物学に明るい方であればどれだけのケアが必要かどうかは想像がつくでしょう。

寒さに弱い犬の身体的特徴

基本的に犬は暑さが苦手です。というか人間が暑さに強いので飼い主から見たら弱いという話です。

犬猫と人間の暑さに対する耐性の差を検証!生物学的な4つの違いとは?

犬は人間のように汗をかくことがありませんから体の熱を逃がすのが苦手なのです。その分冬の寒さに強いかと言えばそうでない犬もいます。

例えば犬は走りに特化した身体のつくりですが、人間に比べれば放熱機能が劣るため早く走ることで発生した運動エネルギーで体温が上がり過ぎてしまい、速度を保ちながら長距離を走ることはできません。

逆に言えば長い距離を早く走らせるのなら冬の方が無理はないという事になります。

サイトハウンドやイタグレ、ミニピンなどの細い犬は寒さが苦手

それでもサイトハウンドなどは犬の中では体温を逃がしやすい身体に進化しています。

犬は人間のように自発的に呼吸をする事ができず前肢の動きに合わせて横隔膜が収縮するようになっています。速く走るために効率良く運動エネルギーを生み出すことができるよう心肺機能が発達し手足が長く細く軽い身体になっています。そして薄い流線型の身体は空気抵抗も少ないのです。

つまり早く走るための身体は表面積が大きく放熱効果にも優れています。そして体の表面を流れる空気の層が熱を逃がすのです。体表に毛があまり生えていないのもそのためです。

その身体の構造が冬を過ごしにくくしています。同じような理由でミニチュアピンシャーやイタリアングレイハウンドなども寒さが苦手な犬です。

小型犬が冬に弱い理由

前述で話したように表面積が大きい犬では体温を維持することが難しいのですが、これは小型犬にも言えます。

ベルクマンの法則をご存知であれば説明するまでもありませんが、「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」

というように体が大きくなるほど体積に対しての表面積が増えるので気温が体温に奪われにくいのです。

つまり体の小さな小型犬では体温を維持するのがより難しくなります。

さらに言えば体内の水分量も少ないので気温による影響は大きくなります。体の基本的な構造はどの犬も同じですから、体内水分の割合は同じでも総量は体重に比例します。

体重が1㎏のチワワなら体内水分量は70%の700㏄です。10㎏の犬の7Ⅼに比べれば凍らせたり蒸発させたりするのは容易です。

正確に言えば小型犬は冬に弱いというよりは外気温の影響を受けやすいと言えます。

冬に子犬を迎えるための心構え

室内犬では一定の温度下にいることが多いのでそこまで気を使うことはないというのはあくまで成犬の話。小型犬以外の犬でも子犬は子犬ですから、体温調節機能も育っておらず季節や環境の変化に慣れていません。犬種の差と子犬という事を考えれば小型犬や体の細い犬、被毛の少ない犬はやはり冬に迎えるのは難しいと言えるでしょう。

過保護にし過ぎず成長に合わせて適度なストレスを与え、いざとなれば自立できる犬に育てることを目標として健全な関係性を保つ努力をして下さい。

子犬にとって最適な室内温度の考え方に注意!

同じ室温でも冬と夏では感じ方が違うと思ったことはありませんか?気温は湿度によって感じ方が変わりますが空気中の水分量の差は温度と深い関りがあります。

乾燥した冬は空気中の水分が少ないので温度変化が起こりやすいことは前述の体内水分量の話でも理解していただいていると思いますが、このことが子犬に影響を及ぼします。

子犬にとって最適な温度を保つことは冬の方が難しいのです。

特に気密性が低い住宅では注意が必要です。人の集まっている部屋が暖かく人がいない場所は寒いというのは良くある話で家の中でも結構な温度差が生じます。

温度が高い部屋と低い部屋では空気の密度に差が生じますから人の出入りが激しいと暖かい部屋にはすぐに冷たい空気が入り込み急激な温度変化が起こりやすくなります。

しかも子犬は小さく足元にいますからこうした影響を受けやすいのは説明するまでもありません。

温まった空気は部屋の上に溜まり冷たい空気は下に溜まります。たった1度、2度のの変化でも子犬にとっては死活問題になりえます。体温は1度変わるだけで体の状態は大きく変わります。それは犬も人間も同じですからしっかりと対策を考えましょう。

子犬のために温度計を設置しよう!

子犬のいる足元は人間が思っているよりも寒いことがあります。温まった空気は上に、冷たい空気は板に溜まるものですから。

普段子犬が生活する高さは床上20㎝の世界です。そこに温度計を設置して最適な温度が維持できているかをこまめに確認しましょう。

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冬の低気温で注意したい子犬の為の4つのポイント

幼齢期の犬は社会化期を含めて3か月は母親のもとにという専門家の意見には精神の自立だけでなく体の機能面でも言える事です。ただ環境だけ言えば屋外と室内では雲泥の差ですから、体調が良ければ子犬だからと気を使いすぎることはありません。

冬という気候を理解してそのためにどうするべきかを考えしっかりと対応すれば大丈夫です。

そのためには4つのポイントを覚えておきましょう。

1、体温と気温差を考慮したフードの量を与えよう!

以前にも何度か話してはいますが大事なことなのでもう一度。

食事は栄養摂取という目的の他に体温を維持する為のカロリー(熱量)摂取も目的の一つです。

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子犬はサイズも小さく一度に食べられる量もしれています。消化吸収の機能も成犬には劣ります。特に2ヶ月前後の子犬は、栄養摂取の為の食事が母乳からフードに切り替わる時期です。

徐々に成犬同様にアミラーゼの分泌量が増え活性が上がり、糖類をエネルギーに変える消化能力がついてきます。この時期に食事の回数が多いのは消化管に負担を掛けない為でもありますし、すぐに気温に奪われる子犬の体温を維持するには消化吸収率の良い良質なたんぱく質や脂肪を多く含んだ食事が必要です。

いかに室内とはいえ日中での寒暖差や温度が低いのであれば夏とは違った栄養管理を心がけましょう。

2、冬の食事量は子犬の成長変化を良く考えよう

成長に応じた食事量を与えることはもちろんですが、ここでもやはり温度が関係してきます。

体重が増えるだけであれば成長曲線を考えて食事の量を与えればいいのですが、体型にも変化が出てきます。

子犬の時期は衝撃から身を守るため、ケガをしにくいように皮下脂肪が多く丸みを帯びた体つきになっています。しかし成犬に近づくにつれ脂肪量と筋肉量の差は大きくなり手足や身体が伸び表面積は大きくなっていきます。

つまり子犬と成犬が同じ体重だとしても表面積が違う分体温は下がりやすいと言えます。ですから体重が増えた分と成長に必要な分に加え表面積が増えた分を考慮するべきなのです。ここまで細かく考える人はいないと思いますが一応理論上の話ではそうなるので。

3、子犬の留守番時は日照時間に注意!

現在では共働きのご家庭が多く犬を留守番させる時間が長くなっています。そうなると日照時間にも気を使わなければいけません。

住宅の気密性も良くなってきているとはいえ日当たりが良い一軒家では直接日が当たらずとも室温の変化は大きくなってきます。夏にも言える事ですが実際は冬の方が注意が必要です。

冬でも夏でも働いている方の帰宅時間は変わらないでしょうが、太陽の勤務時間は冬の方が短くなります。

日の出ているうちに帰宅できれば飼い主が温度管理できるでしょうが、日中暖かかった家も日が落ちれば冷え込みます。その寒暖差が大きければ子犬は体調不良を起す事もあります。

特に冷えから消化器機能が衰えて嘔吐や軟便、下痢が起こることは十分に考えられます。ですから暖房設備は用意しておくべきでしょう。

4、冬の子犬の散歩は温度差に注意

成犬になるまでにある程度の寒さを体験させる必要がありますが、あまりに気温が低い時は外出は控えましょう。

しっかりと服を着こんだ飼い主と犬とでは気温の感じ方は違うのはもちろんですし、水分量の少ない犬では飼い主が体が冷えてきたと思うよりも早く寒さを感じます。

体内を循環する血液量は体重の10%強と少ないのですが酸素を運ぶという役割から、冷えやすいのは事実です。循環しているという点でも体を冷やす事は考えられますので人間同様に首元を温めてあげることは効果的です。

寒暖差があまりに激しいと体力も使いますし、体が冷えてしまうと消化吸収率が落ちますから熱量を作るという機能が上手く働きません。しかし子犬の身体は成長をしますので、食事が摂取できなければその日を過ごす栄養が足りなくなり衰弱が進み、また食欲不振が起こるという負のスパイラルに陥ります。

ある程度体が大きくなり体重や被毛の量が増えるまでは冬の寒さに注意しましょう。

子犬の社会化期に冬が重なったらしつけや学習をどう行うか

子犬の時期は多くの経験をさせた方が良いのは事実ですし、安全な縄張りで飼い主とのふれあいだけを続けていれば引きこもりのニートのようになってしまいます。

出来るのなら日中の日が高いうちに外出を済ませましょう。庭などがあれば短時間で何度か外に連れ出せればそれだけでも違いますが、できるなら他人や知らない犬との交流が図れるようにしていきたいものです。

犬が集まる室内のドッグランや、温まる事ができるスペースのある広場などが近所に無いか探してみましょう。

近所のペットショップや動物病院でパピー教室のようなものがあればそれを利用するのも良いでしょう。お知り合いに犬を飼っている方がいるのなら家に来てもらうことも必要です。

体調を確認しながらワクチン接種などをしっかりと行って感染症にも注意して下さい。

子犬を飼うならペットヒーターはあらかじめ用意するべきアイテム

前述のように子犬ではある程度体の機能をサポートしてあげる必要があります。犬がかわいそうだからという理由ではありませんし、あらかじめ環境を整えておくことはしつけの為にも必要です。

犬の様子で飼い主が対処したことを犬が理解してしまうと自分が困ったら飼い主が行動を起こすと学習してしまうことがあります。犬に合わせて過保護にするのではなく先回りして環境を整えておく方が良いと思います。

子犬の為には暖房よりペットヒーターの方が安全で効果的

エアコンのタイマー設定で室温をコントロールするよりはペットヒーターを使用することをおすすめします。

エアコンやヒーターでは室内の空気がより乾燥してしまいます。ただでさえ湿度が低い季節ですから子犬にとっての感染症のリスクが高まることになります。

特に寂しがる子犬では日中誰もいない部屋で泣き続けることがありますので、のどを酷使してウィルスや細菌から病気になることがあります。細菌やウィルスにとって喉は湿度や温度が最適な環境です。

寒い季節は腸の活動も衰えやすく免疫機能も低下しやすいので感想と温度の変化を作らない対策をしっかりとしておきましょう。

ある程度まで成長すれば環境にも馴れますし低い温度でもそう体調は崩さなくなります。ただ温度がままぐるしく変化すると体内水分量が少ない分体調に影響は出やすいでしょう。

それにエアコンでは犬1頭の為に電気代が掛かり過ぎます。空気の乾燥に電気代。デメリットの方が確実に多いと思いますのでペットヒーターをおすすめします。

うちで購入頂ければなおありがたいですし。

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ペットヒーターは子犬の体温を下げないために必要

ペットヒーターは身体を温める為に使用すると考えると、飼い主によっては「うちは暖かく快適だから必要ない」と思っていていますが留守中の犬にはどうでしょう?

室温が高いから必要ないというのではなく低くなった時に体温を維持するという目的で用意しておけばいざという時にも安心です。一度風邪を引けば子犬では命取りになることもありますし、ペット保険に加入してなければ確実にヒーターの購入費用を上回ります。

安全と飼い主の家計の為にも賢い選択をしましょう。

まとめ

犬にとって初めての冬を子犬の時期に体験するのは犬自身にも飼い主にも大変なことは多いと思います。夏と同じように厳しい季節ですから体調を崩さないように気を付けましょう。

とにかく温度対策と食事量の管理だけはしっかりと行って下さい。そして体調の確認を怠らないように。

しつけのために外出を経験させる必要はありますが人間の生活があってこその犬の生活です。自分たちが無理をして犬に合わせるとお互いの為になりませんから、とにかく良い犬にしようと意気込みが強すぎると却って失敗することがあります。

人の考えや行動の真意は犬は理解してくれません。愛情を注ぎすぎることで楽を覚えてしまわないように。

そういえば最近はしもやけになる子供を見かけなくなりましたね。過ごしやすい環境になったせいでしょうか。そうなら犬にここまで気を使う必要はないかもしれませんね。むしろもう少しスパルタでも良いのかも。

小学生でも冬にマラソン大会とかいまでもやってるみたいですし、ある程度成長したら徐々に厳しくしていかないとですね。犬の成長は早いですから。

しつけや飼い方に正解はありませんから僕の意見は鵜呑みにせずにあくまで参考程度にお考え下さい。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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