犬の血統は重要?親がチャンピオンだからなんだろう?を語る

ペット屋の息子です。

先日のミックス犬の話に引き続き血統のお話をしたいと思います。
僕の店でもそうですが、子犬や子猫が入荷した時に両親のどちらかがチャンピオンだったりすると、そういった表記をすることがあります。
優れた血統という証明の為です。

では親がチャンピオンで優れた血統ということにどんなメリットがあるんでしょう。

純血種を迎え入れる事になれば、その犬猫には血統書という物が存在します。
この純血種に付き物の血統書にも様々な種類があり、犬ではJKC(ジャパンケネルクラブ)、JABC(ジャパン・オール・ブリーディング・クラブ)、KC(NPO法人 日本社会福祉愛犬協会)、PC(日本警察犬協会)、日保(公益社団法人 日本犬保存会)それに秋田犬保存会や北海道犬保存会なども血統書を発行しています。

犬だけでもこれほどの団体がありますが、猫はさらに細分化されています。

一般的にブリーダーやペットショップで犬を購入すると頂けるのは、ほとんどがJKCの発行した血統書ですので、ここでは犬はJKCの血統書について話を進めていきます。

犬猫の血統書とチャンピオンの意味

両親のどちらかまたは両方がチャンピオンとなれば、血統書の親の登録名の上にはCHの文字が記載されています。
CHという表記はJKCの認定するチャンピオンという意味で、他にもアメリカチャンピオン「CH(AM)」カナダチャンピオン「CH(CAN)」のように国ごとのチャンピオンや、インターナショナルビューティーチャンピオン「INT.CH」などがあります。

これはドッグショーにおいて優れた犬に与えられる称号で、一般の方の思い描くようなチャンピオンとは少し違うかもしれません。
トーナメントを勝ち抜いた勝者という結果ではなく、審査の結果の累積で与えられる称号ですので、ショーを勝ち進み優勝しなくてもチャンピオンになれるのです。
少し複雑な方式ですので割愛しますが、体型のバランスや顔つきの良さや欠点の有無、歩き方などの審査があり、犬種ごとに競いポイントを集めて認可してもらうと思っていて下さい。

血統書に記載されているCHはそうした優れた犬ですという事を示すための文字です。

猫になると団体によっての差異はありますが、世界的に認められている団体のTICACFAが基準となっているようです。
CHがチャンピオンという点とポイントの累積でタイトルを完成する点は犬と同じですが、猫の場合は国ごとにチャンピオンの記載が分かれておらず、ランクが上がるごとにGCH(グランドチャンピオン)DGC(ダブルグランドチャンピオン)と名称が変わってきます。
そしてチャンピオンのタイトルを持った猫は血統書上は赤字で記載されます。

犬も猫も一定の審査の基準を満たした猫にのみ与えられる称号です。

チャンピオンの犬や猫の良い点や価値

犬や猫の審査基準について否定的な意見も多い中で、チャンピオンの認定を受けた犬猫は良い個体ですよと言ったら炎上しそうなんで言えません。なんてつもりなら最初からこんなブログは書いていません。

炎上上等です。

とはいってもチャンピオンだから良いというつもりもありませんけどね。

インターネット上ではショーの基準やチャンピオンの価値について否定的な意見が多いようです。

人間の価値基準を押し付けているとか、健康とは関係ない点で定められた基準に合わせて不合理な繁殖をして不幸な犬猫を増やすとか。

こういった方のお気持ちもわからなくはありませんが、そもそも犬や猫は野生動物から家畜化した動物で、特に犬は人間の都合でそれぞれの用途に合わせて作られて犬種として分かれていきました。
そういった中で、より効率的に作業性に特化した犬を判別する基準が作られたのは当然のことと僕は思います。
健康的な観点から外れるという意見もありますが、使役する人間になって考えてみても、長く健康で貢献する犬が良いと思うのは当然ですから、そう言った基準が必ずしも健康から外れているとは思いません。

美しさは健康の上に成り立つものです。

花や植物も健康であればこそ美しい姿を見せてくれます。動物も同じです。肉食動物が獲物を狩る為に走る姿、それから逃げようとする草食動物の姿は躍動美に溢れています。

肉体のポテンシャルが最も活かされる骨格形成や筋肉の発達、そうしたバランスが基準となっていることは確かです。犬種ごとの歩き方や走り方の違いも、犬の成り立ちから考えた美しさの基準はけして否定できるものでもありません。

もっともショーの基準が姿形のみの美しさに特化していると言えばそれも否定できません。人間でいうところのボディービルコンテストのようなものですね。ドッグショーの世界でもドーピングが問題になったこともあります。さらに犬種の成り立ちからスタンダードが健康を無視した基準と言える犬種もいます

何をもって良い犬と言えるのかの基準によりますが、チャンピオンの中には感動を覚える美しさを持った犬達が多くいることも事実です。
結局は人の受け取り方の問題ですから良いも悪いもその人次第でしょう。

こうした点を考えると、犬という動物は、人間から最も多くの恩恵を受け、最も被害を被った動物と言えますね。

猫のショーは参加したことがないので詳しくはわかりませんが、動きを見たりという事は無いようですので、個体の体型やバランス被毛の美しさでの判断になるようです。
皮膚や被毛の状態は健康に左右されますから犬よりも健全かもしれません。

犬や猫のみならず、人には好みのタイプがありますし、ましてや審査をするのも人間です。主観が入らないとも言えませんし、あいまいな差ならその人の中でのスタンダードがまたあるでしょうから、結果に納得できないというオーナーもいますし、トラブルになることも無いわけではありません。
そういったエキサイティングな面もショーにはあります。

結局のところ、男性がどんな女性が好みなのか、女性がどんな男性をイケメンと思うかというのとはまた違いますので、チャンピオンと認定された個体が良いと感じる方ばかりではないという事です。

スポンサードリンク

親がチャンピオンという犬の価値

これはもう正直だから何?という話になってもおかしくありません。
そもそも親の良し悪しの前に、その子犬や子猫がどういう個体なのかの方がよっぽど重要です。親がチャンピオンでもびっくりするほど犬種・猫種のスタンダードにそぐわない個体もいますから。血統で価値や金額が変わるとは言い難いものがあります。

しかし将来性を計るには多少安心感はあります。
その子犬や子猫が、骨格形成やバランス、顔立ちや歩様などの機能美に溢れ、性質も良いと感じる個体で優良血統なのであれば、健全な成長を遂げるだろうという安心や期待は持ってしまいます。

しかしこれは必ずしも生産性や強権性が保証される物ではありません。伝染性の病原菌の耐性や抵抗力とは違いますし、育成する環境で大きく変わってきますから。

犬種特有の疾患については安心できるかもしれません。
人によっては一時の栄光や名誉のために、美しさのみにこだわって近親交配をしたりドーピングを疑ったりするかもしれませんが、ショーに携わるトップブリーダーはそんなに愚かではありません。

人の一生は犬よりもはるかに長いのです。
ショーブリーダーを仕事として生きていくにはタイトルを獲得する犬を多く作出しなければなりません。当然優良な犬は繁殖を考えまから、生産性や強権性を持ち、姿形の美しい犬を多く産ませたいと思うでしょう。

そういった計画的な繁殖を成功させるには、健康で疾患のない優良な犬が必要になります。
健康で長く生き、多くの優秀な子を残し、繁栄をする犬を作出する為に努力しています。そういった点のみを考えれば野生動物の世界と何ら変わりはありません。そこに人の手助けがあるかないかです。

もっともチャンピオンにも色々と違いはありますから、結局のところそれだけを基準に犬や猫の良し悪しは語れません。

世界的権威のあるドッグショーやキャットショーで優秀な成績を残し、多くの優良な子孫を残している有名な個体ならCHという肩書よりも登録名の方が尊ばれるでしょう。

まとめ

以上の事は僕個人の考えであって、それを否定する方も多くいるでしょう。
しかしそういった否定的意見が無いと困ります。より多くの考えの中から議論が起こり、より良い結果を産みだすための考えや行動が産まれるのです。
しかし犬や猫は人間の為に利用され発展を遂げてきたのは事実です。犬や猫の事を優先的に考えようというのはとても難しいことです。人の営みがあって犬猫の生活が成り立っているのですから。
犬や猫の為だけに全てを捧げて生きている人なら別ですが。

炎上も誹謗中傷も覚悟はしていますが、賛成でも反対でも意見がある方はぜひご来店頂きたいですね。面と向かってじっくりと議論しましょう。お待ちしています。