フード 勝手な考察

ロイヤルカナンの安全性が心配?BHAと韓国工場問題について

投稿日:2017年3月15日 更新日:

ペット屋の息子です。

先日のブログでロイヤルカナンの事を話題にしましたが、犬や猫を飼っている方なら一度は耳にしたことのあるフードだと思います。
多くの動物病院で取り扱いのあるフードメーカーで世界的なシェアもNo,1という輝かしい販売実績を持ちながら、悪評も少なくありません。
そして韓国に工場が作られるという話が持ち上がり、これを気に別のメーカーへと切り替える方も出てきているようです。

多くのペットショップでの取り扱いもあり、犬猫を購入した際に勧められることも多いでしょう。
しかし多くのブリーダーやペットショップで使用されているロイヤルカナンがBHAを使っていた事実を知ってしまった上に、韓国への新工場建設の話が持ち上がる始末・・・

大丈夫なのだろうか?

そんな不安をお持ちの方が増えてきているようです。

世界的フードメーカーロイヤルカナン。はたしてその実態は?

今日はそんなロイヤルカナンにスポットを当ててお話したいと思います。

ロイヤルカナンの歴史とフードの品質について

https://my.royalcanin.jp/user_data/rc_history.php

ロイヤルカナンは1968年、フランスの獣医師ジャン・カタリ―博士が開発したフードで、開発のきっかけはジャーマンシェパードの皮膚トラブルの原因が消化能力の悪さと解明したからでした。
それ以来、最先端の栄養学をもとに犬と猫の為のフードを作り続けています。

多くのペットショップの店頭に並べられ販売されているロイヤルカナンですが、個人的な印象としては良質なフードであることは間違いないと思います。安全性についてもそう言えます。

犬猫の尿道結石について種類や原因に食事と尿酸値の関係を語ります。

でも述べたように様々なライフステージや犬種タイプ、症状に合わせたラインナップを展開し、その数は200種類以上にも上ります。
他のフードメーカーに比べれば桁違いの数で、あらゆる犬や猫の為の食事を提供したいという研究姿勢の結果の表れでしょう。
フードで体調がコントロールできることは数多くの動物病院で療法食を治療に取り入れていることで証明されていますし、僕もそれを真実だと思っています。

犬や猫にとっての食事は成長の為でもあり、病気や体調不良を起こさないよう健康を維持する為の物でもあります。

どんなに優れたフードでも食べなければ意味がない

そういった観点から栄養バランスのみならず、香りや味、粒の大きさや形状にまで細心の配慮がなされています。

それでも犬や猫の多様性は個体差や生活環境の違いに繁殖の結果から、驚くほどの広がりを見せています。このことから見ればどんなに優れたフードでも、評価はBESTではなくGOODです。全ての犬に最良であると言えるフードなどあるはずがありません。

フードの説明を求められたときに僕はこう解説します。

ロイヤルカナンは学校給食のようなものです。

その説明が正しいかどうかはわかりませんが、基準としての例えでは間違っていないように思えます。
様々な家庭に育つ子供たちの個々の成長と健康の為の食事と同様に思えるからです。

ロイヤルカナンの安全性についてBHAや没食子酸プロピルのこと

学校給食と例えるとBHA没食子酸プロピルの使用はどう考えると言われれば、給食には1食の予算が決められていますから原材料の安全性も国産無農薬・厳選食材というわけにはいきません。そういった理由と同等と考えています。
もちろんインターネット上で議論されている安全性に関して言えば、それ自体は化学物質ですからで害がないと言い難いものです。しかし殺菌作用があるものですから当然でしょう。

ホームページ上でもきちんと回答していますので、ここで僕が返答するのも蛇足という物かもしれませんが、どちらも人間の食品に使われる添加物ですので安全性は極めて高く、ある意味ヒューマングレードと言えなくもないでしょう。
BHAや没食子酸プロピルは安全基準をはるかに下回る量で優れた有効性を示し、かつ嗜好性にいささかな影響も与えることが無くコスト面においても非常に優れています。

このブログで何度も言っているように優れたフードとは結果で決められる物です。

だからと言って一飼い主がペットに与えた結果がそうであるとは言い切れません。あくまで1つの症例であって、必ずしもフードの影響であると言い切れるかどうかも定かでない症例ならば尚更です。

BHAや没食子プロピルの使用は、飼い主の愛情から非難が向けられることも想定内なのかもしれません。それでもロイヤルカナンの信念は変わらず、飼い主の向こう側にいる犬猫の為の物である誇りは失う事は無いでしょう。

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ロイヤルカナンの企業体質や理念は信用に値する

ペットショップ側から見れば製品の向上を図る為の努力はその研究姿勢と結果を見るに評価に値するものです。
数年前からWeb上でショップスタッフや飼い主の為の栄養学講座を始めたり、販売するにあたり独自の資格取得を義務付けたりと、製品の特性をしっかりと理解してもらい、犬猫の為の正しい食事を環境としてもより良いものにする取り組みをしています。
そんな企業の姿勢は見習いたいものがあります。

フードの品質の高さは企業体質をみても明らかです。

ロイヤルカナン韓国工場について

韓国に工場を設立するとの発表があり、フードの切り替えを始めている方も出ています。しかし工場の建設が始まったという話も無ければ、韓国工場の製品が日本に出荷されるとも決まったわけではないとの話。
情報化が進んだ現代でも不確かな情報に振り回され奔走する人は少なからずいるようです。

ロイヤルカナン韓国工場の稼働は2018年半ばの予定

2017年の現時点で工場建設に着工しているのは聞いていますが、製品の生産が開始されるのは2018年半ばの予定だそうです。
品質基準もこれまで以上に厳しいものにするとの事ですが、ここまでイメージの悪い韓国産というハンデをどう埋めるつもりなのかは見ものですね。

韓国のイメージの悪さとロイヤルカナンへの信頼性、信じるのはどっち?

韓国という国に対して信用が置けないのはまあ理解はできますし、犬猫への愛情の深さから反対する気持ちもわかりますが、ネット上の意見を見る限りでは多くの人が固定概念や先入観を持っていることがわかります。
そもそもロイヤルカナンというブランドを信頼しているのなら、生産地が韓国だろうと自社の基準や安全性に自信がない製品を出荷する事は無いでしょう。韓国産になろうが中国産になろうがロイヤルカナンの自社工場であることは変わりなく品質や安全性もまた然り。

韓国企業が情報の偽装や隠ぺいなどを行った(いる?)せいで国自体のイメージも悪くなっていますから、海外企業のロイヤルカナンも同様にみられてしまっているようです。
確かに企業が海外に本社を構えようとも働くのは地元の人間がほとんどでしょうし、製品を作る過程で問題が起こらないとも限りません。結局ロイヤルカナンの信頼よりも韓国への不信感が買っているというだけの話でしょう。

ロイヤルカナンには中国工場がある!

ロイヤルカナンは実は中国にも工場を持っています。しかし中国製品だからと言っても前述の通りロイヤルカナンのブランドとしての製品基準をクリアしているのであれば問題はありませんし、このことが問題にならないのは工場の製品が中国国内で消費される為の物だからでしょう。もし入手できるのであれば品質を比べてみたい物ですが。

ロイヤルカナンの韓国せいかどうかの見分け方について

わざわざ解説しているサイトもありますが、製品の側面中央(療法食は背面右下)に原産国がどこかははっきり日本語で表記されていますから見分けも何もないと思います。
バーコードについての説明もありましたが、韓国製品のバーコードの数字を覚える必要もないでしょう。

まとめ

BHA没食子酸プロピルに関しては必要悪です。毒を以て毒を制するという事で納得しています。

それにしてもドッグフードに使用されている食品添加物のイメージの悪さは異常なほどですね。多くのサイトの文言には悪意を感じるものもあります。こうした結果から見る限りロイヤルカナンのユーザーは企業のコンセプトや理念に共感してというよりも進められて食いつきがいいからという程度の物でしょう。
栄養学の知識が少しでもあれば、相当考えられて製品化してあることがわかって感心しますけどね。

個人的にBHAと没食子酸プロピルの危険性について考えを述べてみましたので良かったら下記もお読み頂けると幸いです。

ドッグフードの添加物、BHAや没食子酸プロピルは本当に危険なの?

韓国工場の話はここで肯定的な意見を述べたところでユーザーの不安は解消するものではないでしょう。当店も販売数が激減するのは覚悟しておかなければならないと思いますので悠長なことは言ってられませんけど。

とはいっても数あるフードメーカーひとつですのでどうとでもなりますが。

色々と語ってみた物の当店では特にロイヤルカナンを押してるわけでもないし、使用してもいません。
これまでのブログの内容から感じている方も多いと思いますが、僕は基本的に大勢の意見に反論してみるのが好きなのです。とりわけ根拠のないことが事実の様に取り上げられている事に意見してみたくなるのです。

個人的には怪しげなマイナーフードに惹かれたりします。個人的に犬を飼育するとなれば、なんだかんだ言ってもグレインフリーのフードを与えるかもしれません。もちろんそれが必要になる環境と運動管理をするつもりですから。

ロイヤルカナンはお勧めしやすいフードではあるので痛手には違いありませんが。創業者の意志を貫き伝統を重んじながら最新の栄養学と研究の成果を示しブレない姿勢は好感が持てます。これからも王道を突き進んでいって欲しいですね。

下記投稿でブルーバッファローとロイヤルカナンを比較してみました。良かったらこちらもご覧になってみて下さい。

ロイヤルカナンVSブルーバッファロー!それぞれの特徴と問題点

-フード, 勝手な考察

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