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ミックス犬?雑種の地位が向上してるけど僕は販売しません

勝手な考察

ペット屋の息子です。

ブログも始めたばかりですが、もう強気の姿勢で言いたい放題です。そんなに犬猫に対して熱い思いがあるわけではないんですけどね。犬や猫に対して扱いや考え方に違和感を感じることも多いので時々ズバッと言ってしまいたくなります。

なので今日はミックス犬についての考えを書いてみました。

マルプーとかチワックスという呼称で呼ばれ、あたかもより優れた犬種として認定されているような扱いをされていますが、結局は雑種です。それ以上でもそれ以下でもありません。

これは差別用語として使っているつもりは全くありませんし、純血種の方が優れているという気もありません。

ただペットショップやブリーダーで販売されているミックス犬のもてはやされ方については正直なところ疑問が残ります。
というわけで僕なりに、ミックス犬とはどんなものか解説してみたいと思います。

ミックス犬を販売するブリーダーやショップのメリット

ミックス犬というのはブリーダーやショップについて販売しやすいというのは事実かもしれません。
大きなメリットとしては血統書を発行する必要がない点でしょう。

純血種を販売するとなれば、購入された方が必要とするかしないかに関わらず、純血種の証明である血統書がつきものですが、これがミックス犬にはありません。
発行にかかる手間や費用が浮くのは非常に大きなメリットとなります。

日本の血統書発行団体の最大手はJKC(ジャパンケネルクラブ)になりますが、血統書の費用は子犬1頭につき2,100円程かかります。
年間で数十頭、数百頭と販売するとなれば馬鹿になりません。

実際には血統書の発行費用以外にも、親犬の名義が自分に無ければ血統書の発行は申請できませんから変更の手続きにも手間や費用は掛かりますし、JKCに会員として登録する必要がありますので入会金や年会費も掛かります。
初めてのお産ともなれば、そういった諸費用だけでも3万円程になります。

さらに言えば、成犬になった際に犬種のスタンダードという物がありませんので、大きさや姿形がどうなるのか、性格的にどういう犬になるのかという点でトラブルになりにくいと言えます。

ミックス犬をお探しの方が何を求めているのかは僕には分かりませんが、いわゆるオンリーワンという点をお求めなのであればお互いにとって良い話かもしれませんね。

ミックス犬は遺伝的に強いのか弱いのか

ではミックス犬の遺伝的な問題はどうなのかを生物学的な観点から考えてみましょう。

昔から純血種よりも雑種の方が強いと言われていますが、これはあながち間違いではありません。
雑種強勢という、異なる品種から産まれた第1代は、両親のどちらの系統よりも、生産性や病原菌への耐性などの生活力で優れた品種になるという現象があります。
これは野菜や果物、牛や豚などの品種改良を行う際にも利用されていますので、もちろん犬にも当てはまります。

純血種はその血統を守る為に、近親交配が行われていたという犬種も少なくありません。
バーニーズマウンテンドッグなどは、産業革命が興った後に蒸気機関や自動車に役目を奪われ、絶滅の危機に瀕した時代があり、激減した個体数から近親交配を繰り返し、種の存続を計ってきたと言われています。

少ない個体数の遺伝子プールから発展してきた犬種であれば、病原菌への耐性や遺伝疾患の問題を抱えるのは免れない事なのでしょう。
しかしミックス犬であれば、それぞれの犬種の遺伝子を組み合わせる事になりますので、生物学的観点から言えばより強い個体が産まれやすいと言えます。

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僕がミックス犬を販売しない理由

ただしこれはあくまでも生物学的な話であって、実際にショップやブリーダーで販売されるミックス犬が強いという事ではありません。
そもそも前述にあるようなメリットを考えて繁殖するような方が、良い犬質の犬を作ろうという目的を持っているとは思えません。

最近人気のマルプーなどを販売するにあたり、それぞれの犬種の欠点を補って理想的な犬種を作り出そうというプロジェクトが発足し、最先端の科学技術を駆使し、両犬種から遺伝的疾患のない犬を骨格バランスや検査のデータから選別し、理想的な交配を行い最高の環境で育成された子犬が産まれました。

犬種として認められるまでには、サイズや容姿などが何世代か先まで一定の基準が満たされている必要がありますので今は非公認の雑種扱いになります。

というのなら話は別ですけどね。

ミックス犬の両親に問題があれば安全で丈夫と言える犬にはならない。

いくら雑種強勢という現象で遺伝的に生産性や強権性に優れていたとしても、骨格のバランス身体的欠点がある両親から産まれていたら骨格形成や内臓機能に問題が出てくることも考えられますから。

現在販売されているミックス犬は利益目的や、管理ができていない状況で知らず知らずのうちに妊娠していたなどの結果で産まれた犬がほとんどでしょう。

だから僕は店頭で雑種を販売することはしません。

まとめ

純血種だろうと雑種だろうとそれぞれに良し悪しはあります。人間の手によって産みだされているという点で変わりはありません。

子犬を選ぶということはプロでも難しいものです。犬種のスタンダードをしっかりと理解していても思ったような成長を遂げないことも多いでしょう。

たとえあなたがどちらを選んだとしても犬達には関係ないことですから、縁があって迎え入れたのなら大事に飼って頂きたいですね。

そういえば雑種が強いと言われる理由がもう一つあるように思えます
それは飼い主の扱い方ではないでしょうか。昔は外飼いが当たり前で、飼うと言えば雑種ばかりでした。野生に近い環境が当たり前の彼らにとって生き抜くためには強くなるしかなかったんだと思います。

室内で飼っていてはそこまでの犬には育たないでしょうが、ウン十万の純血種でも犬らしさを尊重して過保護にしなければ弱い犬にはならないかもしれません。

コメント

  1. しろ より:

    こんにちは(^^ゞはじめまして
    実は私が飼っている犬も、マルチーズとトイプードルのミックス犬と言われていますが、私はミックス犬という呼び方があまり好きではありません
    雑種でええやんと思います
    うちの犬を飼ってから、ミックス犬が世に溢れてきてもてはやされていることを知りました
    無理な交配はやらないほうがいいと…交配して良いことだらけではないと思いますし

    ちょっと逸れますが、私は犬はタダだと思ってきました
    今回、お店で買ったのは初めてです
    いわゆる、売れ残りちゃんのうちの1頭でした
    その中でひときわ元気がなく、痩せ細って、薄汚れていた姿に、私が親になったろ!
    ペットショップ裏側の闇とか色々聞きます…もうペットショップで生体販売やめろとかいう声も
    私は、きちんとしたブリーダーさんから、純血種を買いたいという人がいても良いと思います
    大切なのは、どんな形で買おうと貰おうと、最期まで愛情注いで責任取る
    飼い主の病気その他、何らかのやむを得ない事情がある時は、責任持って信頼できる里親さんを探すことだと…
    ただ、もっと法整備をして、きちんとしたブリーダーさんを絞ることは必要だと思っています

    長文、雑文、失礼いたしました

    • 牧田 亮介 より:

      しろさん

      コメントどうもありがとうございます。
      生き物に金額を付けるのはやはりいいことではありませんよね。

      ただ健康維持するための管理には費用が掛かるのも事実ですし、繁殖を禁止すれば犬は絶滅してしまいます。
      法整備はするべきだと思いますが、その基準をどうするかは非常に難しい問題ですね。

      ドイツをはじめとするヨーロッパや北欧は犬の立場からすれば日本よりもはるかに暮らしやすい国々ですが
      日本がそうできないのは人の意識の問題でしょう。法律も人の意識の問題ですからね。
      皆が善人ならこれほど細かい法律もなければ厳しい罰則もありません。
      動物が嫌いな人もいるのですから、まだまだ多くの日本人にとって犬は家族になりえないのでしょう。

      それでも犬が家畜ではなくペットという地位を得たために人の感情が大きく影響しますから様々な反発や摩擦もあると思います。
      人と犬が望むことにも違うことがあり、望むことと必要なこともまた違うことがあります。

      その現状に何ができるか何をしなければならないのかはとても難しいことで、それもまた人それぞれに考えや想いがあります。
      欧米を引き合いに出して議論を交わしても行動しなければ何も変わりません。
      日本には日本の動物愛護の形があると思いますので、犬猫と向き合い、学び、考え、多くの意見を聞きながら
      今出来ることを続けていこうと思います。

      僕がこのブログで話していることも人から見れば正しいことではないことも多いと思いますが
      何もしないでいるよりはと思い始めて今に至ります。

      繁殖の問題は根が深いですからすぐに改善でき無いと思います。

      とりあえず僕個人としては遺伝子検査の実施と飼育環境と栄養管理を限りなく健全な状態に近づけ
      安全な繁殖を心がけることを実施していくつもりです。

      あとは生体代金を頂かないで譲渡する代わりに飼育のサポートを行い、その管理費用で運営するというサポートプランを続けていくことで
      犬や猫とその飼い主の想いに応えていきたいと思います。

      いくら保護活動を強化して犬猫の里親を探そうとも、も犬猫を遺棄する数を0にしない限りは殺処分はなくなりません。

      当店のサポートプランはそれを無くすための試みでもあるのです。
      愛情だけでは犬猫の健康を維持管理できませんから、責任もって飼育できる方という証明を毎月の管理費を払える場合にのみ契約譲渡しています。
      それを多くの方に知っていただいて実行いただくことが出来れば少しずつ変わっていくと信じています。

      動物を愛する全ての人の想いが一つの形になる日が来るように。

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