ペットショップチロルの息子です。
犬が飼いたいけど自信がない。知識や時間もない私にホントに犬が飼えるかしら?今このブログを読んでいる人の中にはそんな不安を持っている方は多くいると思います。
でも実はそんな人の方が犬の飼い主には向いていると僕は思います。今日はそんな人のために4つのことを実践するだけで子犬は飼えるということを詳しく解説してみようと思います。
ペットショップでの経験から子犬の飼育のコツを伝授
命ある犬を飼うということは責任重大ですし、母犬や兄弟と離された子犬の親になることは覚悟がいることです。
僕もこの仕事に就いたころは何の知識もなく毎日が知らないことの連続で不安ばかりでした。
子供の頃から実家はペットショップでしたが、犬や猫などの動物を飼った経験もなく欲しいと思った事すらありませんでしたし、この仕事に就いた経緯も望んだからではなかったので、そんな僕が毎日子犬の世話をするなんて出来るわけがないとさえ思っていました。
でも毎日子犬や子猫と過ごしているうちにいろんなことを知り、覚え、経験を積み20年何とかやって来れました。
もちろん今でも犬や猫のことはまだまだ学ぶことが多いと実感しますが、それでも他店と違い生まれる瞬間から最後までを看取る事ができる職場ですから、販売に特化したペットショップのスタッフよりは知識と経験は多く持っていると自負しています。
犬や猫に対する思いや感情は人それぞれですし、僕の立場では考え方が同じではいけない事もあります。
僕からすれば子犬の親になると決心したあなたは尊敬の対象です。そんなあなたに僕が知っている見落としがちなことや忘れがちなこと、知って欲しいことをここでお伝えしたいと思っています。
子犬を飼うコツは頑張り過ぎないこと
子犬を飼うコツは頑張り過ぎない事です。
初心者の多くはスタートダッシュで全力を出し過ぎてクタクタになり挫折しそうになりがちです。
15年の付き合いはフルマラソンよりもきついです。完走を目指し自分のペースでゆっくり進みましょう。焦りは禁物です。自分はダメな飼い主だと落ち込むのはもっとダメです。
未経験のことをうまくやろうなんて自信過剰すぎます。落ち込むということは自分はもっとできると過信しているからでしょう。
大抵の犬は家庭環境に入るのは初めてですから比べる対象の飼い主などいません。どこかで飼われていた犬を迎えるにしても、飼い主の事情に振り回された犬や、放棄されたり迷子になったり、ペットショップやブリーダーでひどい扱いを受けた子たちなどがほとんどです。そんな犬からしたらあなたは救いの神です。最高の飼い主だと信じて疑いません。
だから多少の失敗など気にする必要はありません。親はなくても子は育ちます。
向き合うのが辛くならないように適度にサボったり力を抜いてぬるーく付き合いましょう。ただ何もせずに犬と過ごすことも重要なことです。
犬と楽しい生活を送る目的で飼ったということを忘れてはいけません。
子犬の飼い方は子育てに通じる
子育て論は前にも
で話しましたがもう少し違ったお話をしましょう。
子育て経験のある方にいつもお話しするのですが、大抵の方は初めて子供を授かった時には産まれるまでの間に「たまごクラブ」を読み学習し、お子さんが生まれてからは「ひよこクラブ」を読んで慣れない子育てのイロハを学びながら実践し、子供と共に親と成長していくのだと思います。
しかし2人目、3人目と順調に子供を産み育てていくとなると、もうそんなものは必要ないどころか覚えたことを実践する方も少なくなってきます。
長男や長女の子育てに必死だった頃を思いだして下さい。
哺乳瓶はミルトンで20分以上は消毒しないとダメ!なんて怒られた旦那さん。起こった経験のある奥さんもいるかもしれませんね。
子供の一挙手一投足にハラハラしてこの時はどうすればいいの?今困難だけど大丈夫?悩みながら相談して子育てに必死だったでしょう?
それが2人目、ましてや3人目になると転んでけがした程度では舐めときゃ治る!おしゃぶりが
落ちたってエプロンでごしごし拭いてそのままくわえさせたり。ミルトンはどこ行ったー!って感じですよね。
結局子育てなんて本を読んだりセミナー行ったり、こうやってブログを読んでも理想通りにはいきません。子供は親以外の影響も多く受けますし両親の愛情や思いにはなかなか気づきません。
同じ生活習慣を持ち、同じ環境で過ごした会話の通じる血の繋がった子供ですらこの有様ですから犬が飼い主の努力に気づき感謝することを望む方が間違っています。
たっぷりの愛情をかけ何不自由なく苦労も知らずに育てればどうなるかは十分に想像がつくでしょう。過保護や過干渉がかえって良くない結果になることは、犬も子供も同じです。
甘やかせば調子にのりますし、育て方によってはマザコンと同じように飼い主に依存してしまうでしょう。
子犬を迎えたら飼い主が行うことは4つだけ
とにかく飼い主の仕事は安全確保、食事、運動、排泄物の処理だけです。しつけなんてものは飼い主の考え方さえしっかりしていればあわててする必要もないでしょう。もしかしたら何もせずに理想の犬に育つこともあります。
どんな犬になって欲しいかは人それぞれに違いますが一つ言えることは、問題行動を起こさない犬であって欲しいということは全ての飼い主が犬に望んでいるはずです。
そのためにはしつけよりも欲求を解消し失敗を体験させない事が重要です。
1、子犬の安全を確保する
子犬を迎え入れた飼い主は不安を感じながらもやっとかわいい子犬と毎日を過ごせると喜んでいるでしょうが子犬からしたら全く違う気持ちだと思います。
おそらく多くの子犬が自分の意志とは無関係に見知らぬ家に連れてこられ、自分の訴えも聞き入れてもらえず飼い主のなすがままという状態に不安を感じているでしょう。
まずは自分の置かれている状況が安全だと思わせることが大切です。
クレートやサークル、ケージなどを用意して安心を与えましょう。あなたが安全のために家に住み戸締りをするように犬にもその環境を提供してあげて下さい。安全な縄張りだと思うようになれば神経質にもならず無駄に吠えることも予防できるでしょう。
2、子犬の食事は栄養補給と欲求解消のために行う
人間にも言える事ですが、食欲が満たされない状態はストレスの原因になります。
人間、特に日本で生活し犬を飼おうという方は、食事の心配などしたことが無いという方ばかりでしょうが、次にいつ食事にありつけるかわからない状態は相当な精神的負荷がかかります。
正しいタイミングで適切な栄養管理を行うことで健康を維持することが出来るのはもちろんですが、精神の安定にもつながりますから脳が余計なエネルギーを消費せずに済みます。
精神的な飢餓状態を作ってしまうと健康にも影響が出ますし、問題行動の原因にもなります回数や給餌量に気を付けましょう。
またこれからの時期に子犬を迎えるにも冬の寒さを考えたケアが必要です。
3、子犬の運動欲求を解消し問題行動を防ごう
犬は動物ですから動くものです。生きるための食事をするために狩りに適した身体を祖先から受け継いでいます。生きるために必要な機能を損なわないように運動しようという欲求が未だに残っています。
それを解消しないまま自由を与えれば、飼い主にとって問題となる行動を取るのは当然のことです。当てつけでも何でもありません。
飼い主の言うことを聞けば遊んでもらえると犬に理解させるのは難しく、子犬ではほぼ不可能です。まずはしっかりとエネルギーを発散させて、問題行動を起こすきっかけの欲求と体力を使ってしまいましょう。
4、排せつ物の処理
特に取り上げることでもありませんが、子犬のうちは食糞を覚えてしまうことがありますので適切な対応を心がけましょう。
子犬がウンチを踏んだり食べてしまうことに対して大げさな反応を示すと飼い主のリアクションを期待して行動がエスカレートすることがあります。犬はいつもあなたが大好きで構ってもらうためにいろんな誘いを仕掛けてきます。そのための行動や、かわいさやかわいそうに負けてはいけません。
子犬が問題行動を起しても叱ってはいけない
もし子犬の欲求を解消できずに犬が問題行動を起こしたとしても叱ってはいけません。
あなたが問題行動を起こす環境や機会を作ったことを反省しましょう。
起こってしまった事は事実として受け止めるだけで構いません。むしろ叱ってしまうことが問題です。そもそも問題行動というのは人間の常識や善悪、倫理観が基準ですから犬がそれを理解することはまず不可能です。
犬がした行動に対して何がどう間違っているのかを正確に犬に説明できる人がいるとしたらそれは超能力者です。もしくは犬の知能が人間と同じという超能力犬です。
叱らなくていいように失敗する機会を与えないようにしましょう。
そのためには犬を良く観察することです。自由を与えた時に目を離さないようにし、何に対してどんな反応をするかをよく覚えておいてください。
犬の性格や好みを把握し観察すれば噛むということは防げますし、欲求を解消し安全な縄張りを与えれば吠える必要を感じることもなくなります。
吠えた時に行動を起こさないことも大切です。吠えるという行為は相手への訴えや主張ですから、犬の気分や感情に対しての反応を見せることは犬のわがままを助長させます。
吠える時は犬に対しての反応を見せずに吠える原因が何かを考え、取り除いたり犬に克服させる努力をしましょう。
子犬のしつけを失敗しないためのポイントは要求に応えないこと
犬を育てるうえで失敗しないためには飼い主が「犬の要求に応えない」を実行することです。
飼い主の愛情は犬を育てるのには必要不可欠ですが、動物を飼うのに必要なのは知識や時間それにお金です。愛情が強いのは良いことですが、それを押し出し過ぎると飼い主との絆ばかりが強くなりお互いを苦しめる結果になります。
犬に必要なのは犬が望むことでもあなたがしてあげたいことでもありません。犬が犬として自立するように手助けは最小限に。見守る強さを身に付けましょう。
人と犬猫は違います。違う種族が人間社会で健全に暮らすためにはお互いの違いを理解し尊重することが大切です。人と同じ扱いではいけません。むしろ自分が犬の母親になったつもりで接するべきです。母親が子供の要求を全て受け入れては教育とは言えません。
むしろ犬が要求を受け入れるべき立場なのです。
犬はあなたの家庭にやってきた新入生や新入社員と同じです。犬のために家庭のルールを変えてはいけません。自分たちの生活があってこその犬の生活ですから犬を気遣い育てるために必要な努力以外はしないように。
子犬を飼う為には犬を知り経験することが大切
飼い主がまず行うべきことは、今犬にとって何が必要なのかを理解することです。事前に本やブログ、専門家の意見を聞き準備をすることお大切ですが、一番は自身が犬と過ごし日々成長する犬に必要なことは何かを犬から学ぶことです。そしてそれを実行し、いつか犬が精神的に自立できるようにしましょう。
そのためにはあなたが我慢を覚える必要があります。
頼りない声で寂しいと鳴く犬に母犬のようなぬくもりは必要です。ただいつまでも同じような接し方や距離感では子犬の為にはなりません。
成長と共に子は親から離れ、親も子を遠ざけようとします。
種類によっての成長は違いますし関係性は人それぞれですが、犬の親子はいつまでも親子ではありません。犬が成長し生殖活動を行えるようになれば親にとってはもう子ではなくなります。
飼い主がいつまでも犬を子ども扱いすることはしつけの失敗を生むことになります。
いつまでも世話を焼くことからお互いに抜け出せなくなれば、いつまでたっても飼い主の手を煩わせるままの犬でしかなく、様々なことがストレスの原因になりかねません。
犬や子供には時に厳しい試練が必要です。挫折や後悔を味わって学習や反省を繰り返し克服することで成長をします。いくらあなたが犬をかわいがっていてもかわいそうと思うことは避けられない時があります。だからその試練を乗り越えられるように万全の状態を整えてあげるのです。親や飼い主はその責任を取る覚悟をして見守る存在です。
まとめ
するべきこととしてはいけないことを理解することは難しいことではないと思います。ただ実行するには飼い主の強い意志が必要です。
結局犬のためを思えば、飼い主ができることは子犬のうちに多くの経験を積ませるために努力するだけです。飼い主の手を借りずに問題に対処できる犬にすることを目標にしましょう。
その意識があればきっとお互いのためになる関係で幸せな生活を送れるはずです。
もちろんこれまでの話は僕個人の考えですから実行しなくてはいけないことではありません。保護者としてどうするべきかはあなたが決めることです。それがどんな結果でも犬は幸せでしょう。一緒の時間が続く限りは。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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