ペットショップチロルの息子です。
オスメスの違いは外見特徴と性格に表れますが、もちろん飼い方やしつけ方にも気を付けなければいけないポイントがあります。
ペットとしての地位を得て人間と同じ環境で暮らしていたとしても、犬や猫の性別の差は人間よりも違いがあると考えるべきでしょう。
本日は性別の違いに合わせた飼い方、オスのしつけ方のコツをお話ししたいと思います。
性別の違いから起こる犬の性格や行動の理由を考えたしつけを心がけよう
多くのサイトでもオスメスの特徴を紹介していますのでその違いを目にすることはできますが、その違いの理由を考えてどうするべきかまでは詳しく解説されていないようです。
問題行動を起こす犬になる原因の中には、飼い主が犬の性別を無視してしつけを行った、もしくは怠ったから生まれた結果と言えることがあります。
性別の違いを考えてしつけをしなければならないのは人間も同じですが、明確に役割の別れる動物ではなおさらです。
オスとメスの性別の違いは体つきや性格・行動に表れますが、その違いを単純に考えているとしつけを失敗することがあります。性格や行動に違いが現れる理由に目を向けしっかりと対処することも必要ですが、一番良いのはオスメスの性格や行動の違いの理由をあらかじめ理解して問題になるような状況にしないことでしょう。
オスのマーキングやメスの生理など、性別の違いで飼育の方法や生活環境に配慮が必要になりますが、しつけにも性別の差を考慮する必要があります。
どうしてその違いが生まれたのかを知ることで理解が深まり、そのために飼い主がどうするかを考え行動することでより良い関係性が築けるでしょう。
まずはオスの特徴とその理由、飼い主がどう接するべきかをお話ししたいと思います。
オス犬の特徴とそれに合わせたしつけのコツ
外見的特徴を挙げれば
- 体が大きくなる
- 毛量が多い
- 骨密度・筋肉量が多い
ですが、性格的にも以下のような違いがあります。
- 好奇心が旺盛
- 活発
- 攻撃性が強い
- 縄張り意識が高い
性格は飼育開始時期や飼育環境、飼い主の接し方等でも大きく変わりますが、外見的特徴とも関りがあります。その点も詳しく解説していきたいと思います。
オス犬の特徴は何のための物なのかを知ろう
犬に限らず捕食動物のほとんどはオスの方がメスに比べて大きく、毛量が多いものです。骨格もしっかりとして骨量、筋肉量に富んでいます。
オスの役割の一つに他者との争いがあります。それは時に同種間でも行われますし、外敵から身を守るための争いもあります。そして狩りです。その行為、行動のために適した身体へと成長していきます。
同様に性格にもその役割にふさわしい特徴があります。
好奇心旺盛なオスは様々なことを経験することができ、危機的状況に陥っても的確な状況判断をする事ができるようになるでしょう。
活発な性格であれば良く動きより筋肉を発達させる事ができますし、運動神経、運動能力も向上します。
強い攻撃性は狩りの際にも必要な性質です。命のやり取りである以上獲物の反撃も死に物狂いですし、捕食動物において狩りの失敗は命を落とすリスクが増しますから。
強い縄張り意識を持つことは自分や群れの安全を確保する事に繋がります。明確な境界線もなく家を建てることもできない動物にはオスのこうした意識は必要不可欠です。
群れで暮らす犬の中ではオスの序列は明確にはなくとも、より力のあるオスやよりその状況に合わせて能力を発揮できるオスに頼ろうとする傾向は見られることがあります。
つまり彼らが優先するのはプライドよりも生きることなのです。安全で確実な生が約束されるのであれば他者を頼るのを恥と考える事は無いようです。
オス犬の特徴からしつけの方法を考える
これらの特徴を踏まえれば接し方や適した飼育環境が見えてきます。
近年の研究では犬の社会において明確なランキング意識はあり得ないと主張する声も見られますが、優劣がないとしても群れの中でのオスの役割に変わりはありませんから、安全な環境や定期的な食事が確保されている環境を与えてくれる飼い主を頼ろうとするのは自然なことでしょう。
逆に言えば自分の言うことを何でも聞いてくれる相手では、自分の安全が守られるとは思えないはずですから、オスとして自立しようとする意識が芽生えるのは十分想像できます。
親や上司が優柔不断で決断力が無く問題を解決できないとなれば自分で何とかするしかありません。もしくはより頼りになる大人に助けを求めたり。つまり飼い主はより強い意志と決断力を示すことが求められます。
オスの飼育のコツは行動欲求をいかにうまく発散するかと飼い主としての存在をしっかりと誇示することにあります。
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オス犬を飼うのに必要な飼い主の資質
オスを飼う上で飼い主に最も求められる資質は強い意志と決断力です。
家庭の中でも外でも犬が自身で行動を決断し、自由に振舞うようになれば飼い主と犬との関係性は失われてしまいます。こうなればもはや犬を飼っているとは言い難い状況となるでしょう。
以上のことはメスでもありえる話ですが、オスの方がより問題となるケースは多いでしょう。もちろん犬種や飼育環境、社会化期の過ごし方などで大きく変わります。
特に環境の影響は大きいので全てのオスに言える事ではありません。草食系男子と呼ばれる子供を育ててしまった親では同様にオスをオスとして育てる事ができないどころか、犬が犬の立場を忘れ人間同様の権利を主張するようにさえなってしまいます。
人や犬に対して恐怖心を抱くことになり他者との交流を図ることは難しくなるはずです。
オスをしつけることの大切さとコツについて
オスのしつけはメスよりもしっかりと行うべきです。様々なものや相手に対して好奇心や興味を持って行動しますので相手をケガさせたり何かを壊したりすることのリスクは高い気がします。そうならないためにもしつけが必要ですし、そうなったときの対処によっては飼い主に対しても反抗するようになってしまいます。
若く経験が浅いオスでは何をどこまでということもわからず力加減もできないこともあります。特に活動犬と呼ばれる犬種のオスは空気を読めない子が多いので、子供にとびかかって倒してしまったり、散歩で飼い主を引きずるなどの事故には気を付けましょう。
目を離せばすぐにいろんなものに興味を持ち破壊行動に出ることもあります。そうやって悪いことを覚えていつの間にか道を踏み外すのは人間でも犬でもオスの方が多いのかもしれません。そもそも善悪の判断などできませんから。その点をよく理解してしつけに臨みましょう。
オス犬の飼育のコツは欲求をため込まないようにすること
飼い主からみて問題行動を起こす犬でもトレーナーに掛かれば全く問題のない犬であることが多いのは、犬自身に問題があるのではなく飼い主と犬との関係性の問題です。幼いころから育てた犬が飼い主に敵対心を感じること自体が異常な事態です。
ペットとして家庭で飼われるようになったとはいえもともと犬は捕食動物です。走るための身体に獲物を狩るための牙を持っているのです。
特に行動欲求や好奇心を満足させることが出来なければそのエネルギーが問題行動の原因となることがあります。オスとなれば戦国時代の武将のようなもの。油断すれば縄張りと権力を奪われかねません。犬の要求になんでも応えることはしないように。
行動自体を抑えようと叱ったり制限したりするのではなく、問題行動の原因となっているものやなりそうなものを排除したり欲求をため込まないようにするのが理想です。運動欲求や好奇心を満たしたいと要求する前に散歩や運動に連れ出しましょう。
オスを散歩に連れ出すときの注意
特に外出先ではオスの攻撃性や縄張り意識に注意を払う必要があります。
飼い主が犬にとって頼れる存在でなく、むしろ足手まといや弱者と思われているのなら犬の攻撃性や縄張り意識が大きな問題を産むことになります。
好奇心旺盛で血気盛んなオスであれば、飼い主のことなどお構いなしに引っ張りながら自分の意思であちこちに注意を向けどんどん進んでいきます。
こうした状況では飼い主は確実に足手まといでしかありません。自分の欲求を解消するために制限を掛ける存在で、さらに自分より弱い立場にあると犬が思えば守ってやらなければならなくなるからです。
自分の立場を理解し交流の仕方を覚えるためにもオスこそ散歩に連れ出すべきです。強い好奇心や欲求を利用してうまくしつけに活かすことができるはずです。
ストレスの原因や恐怖の対象になりそうなものは避けるよりも知り、覚え、慣れさせることが大切です。経験から学習し克服することでささいなことにストレスを感じない犬に育てましょう。
本来動物に飼い主など必要ありません。かわいいからとかかわいそうだからと飼い主が思うことで犬の成長を妨げるようでは飼い主の存在は邪魔になるだけです。
たくましいオスに育てるためには見守ることも必要です。犬の為に頼りになる存在でいてあげるためにもじっと見守ることが必要な時もあります。
色んな事に憶病になり飼い主に頼る犬は他人やその犬に迷惑な存在になることもありますから。
犬のしつけの失敗の原因
初心者に多い失敗の一つに問題の対処に迷いが見えるという事が挙げられます。
分からない、知らない、できないという意識から間違いを恐れ犬に不安を抱かせたり、犬が成長する中で戒めなければならない行動を自覚させられないということが少なからずあります。
経験が無い初心者は色々な情報に振り回されて正しい決断と思える行動を決められずにいるのでしょう。特にインターネット上には間違いと思える情報も多々あります。
しかし子犬を飼う場合ほぼ間違いなく相手犬にとっても初めての経験ばかりです。家庭に入ることも人に飼われることも。それに人間の善悪や正しいか間違っているかは犬の判断基準とは同じではありません。
しつけの正解不正解は結果で判断されるものですし、飼い主と犬との間で決められることなのです。常識的に考えれば大抵のことはわかるでしょう。
しつけという点で殴る蹴るなどの暴力が必要ないことは人間でも犬でも同じです。痛めつけることが目的ではありませんから。
普段頼りないと思われている飼い主が力に訴えれば問題が悪化しても仕方がありません。頼りにならないどころか自分に害のある存在とみなされれば想像以上に反抗され、飼い主の立場を失うことや大きなけがを負うことも考えられます。オス同士の争いは命のやり取りですから。
オスは去勢後に性格が変わり問題行動が減るのか?
オスの問題行動を去勢することで抑えられるかどうかと考えれば、犬同士のトラブルの回避は可能だとは思います。ただ飼い主と犬の関係性が変わるわけではありません。オス同士の権力争いや縄張りをめぐっての争いとは違いますので、家庭内での問題行動の改善は望めないことがほとんどです。
性ホルモンのバランスが大きく変わりますから性格自体の変化は起こると思います。
実際に去勢したオスに分離不安が多いのが研究で明らかになっていますが、もともと統計学的な話をすればメスよりもオスの方が甘えてくると言われています。犬よりも猫の方がよりそういった傾向が強いようですが、特に虚勢後のオスは男性ホルモンの減少から自信を失い、飼い主が不在であることに不安を覚えるようになり分離不安に陥りやすいと言われています。まさに男としての勢いは取り除かれてしまうのです。
まとめ
人間同様にオスの方が単純明快で付き合いやすいと個人的には思います。欲求に対しての反応もストレートでわかりやすいので、付き合うには体力がいりますがコントロールすることは難しくないでしょう。
飼い主が強い意志を持ってはっきりと主張すれば犬も混乱することもなく良い関係が築けると思います。
早い段階で避妊もしくは去勢したとしても性格はもともとのせいに左右されることがわかっています。望んで行った手術ではありませんから自身の身体に起こった変化を理解することも難しいのでしょう。
去勢や避妊を行うにしてもやはりそれまでは明確に性別というものがあるのですから、その点をしっかりと考えて犬や猫と向き合ってほしいと思います。
できることなら性格や問題行動の改善を手術などに頼らず、まずは持って生まれた性別の違いを理解し、どう付き合うかを考え、活かすことができればいいですね。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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