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なぜ歩かない?老犬が散歩を嫌がる4つの原因を詳細に語る

投稿日:2017年9月17日 更新日:

ペットショップチロルの息子です。

老犬の中には散歩を嫌がるようになる犬もいますが、本日はその理由について考えてみました。

なぜ散歩に行きたがらないのかを知ることは、犬にどんな変化が起きているかを考える事にもなりますし、その原因を知ることで別の問題を防ぐ事ができたり解決する事ができるかもしれません。

というわけで本日は老犬が散歩を嫌がるようになった理由についての話です。

老犬が散歩を嫌がるようになった理由を知ろう!

犬が散歩を嫌がるようになった。
そんな相談を受けることもありますが、だからと言って全ての犬に同じ理由があるわけではありません。ただ共通して言えるのは犬に何かしらの変化があったことだけは確かです。

犬にとって散歩は人間以上に必要な行為です。とは言え嫌がる犬に無理やり散歩をさせることは本末転倒です。問題は嫌がる犬を散歩に連れていくべきかどうかではなく、なぜ嫌がるようになったかを知り対処することが重要です。

 1、老犬は体調不良が原因で散歩を嫌がる

散歩に行きたがらない理由に体の不調が考えられます。

関節の痛みや心肺機能の衰えからくる倦怠感や息苦しさが、散歩での長時間の活動を拒む原因になるのでしょう。

関節の軟骨は、新陳代謝の衰えと曲げ伸ばしで起こる摩耗などで長い年月をかけて痛みや炎症の原因を作り出します。支える筋肉も同様に、加齢とともに作り出す(合成)よりも失う(分解)量が増えてきます。

高齢になった犬では健康を損なっている場合が多いのも事実ですが、その年齢は個々によって大きく変わります。

身体の機能は年齢とともに衰えていきますが、その速度は栄養管理や運動環境でも変わります。

充分な栄養を摂取する事ができなかったり、栄養を消化吸収できない状態にあれば、病気と言えないまでも、時間の経過と共に確実に健康は失われていきます。

健康を崩しているのが些細な要因で表面に表れていなくとも、いくつも重なればその結果蓄積され、歳を重ねるごとに大きな問題になっていきます。
特に体の中の変化は目に見える変化になって表れる頃には深刻な状況になっていることも多くあります。

2、老犬は感覚器の衰えで散歩を嫌がるようになる

犬は人間よりも嗅覚や聴覚が鋭く、刺激に対して敏感に反応を示します。
幼犬や若い成犬では好奇心や欲求などは強く体力もありますから、室内でそれを発散することは難しいでしょう。そうした欲求は散歩に出る事で様々な刺激を受け発散する事ができます。散歩は人間の想像以上にエネルギーを使うのです。

しかし散歩に出ることのメリットが高齢犬になればデメリットに変わることもあります。
高齢になれば体力も衰え欲求も減退しますし、何より感覚器は衰えてきます。視力は衰え鼻が利かなくなり耳も聞こえにくくなります。極端な話耳栓に目隠しマスクをした状態で外出するのに近い状態で外出しろというのと同じです。身体の衰えを自覚した高齢者にそんなことを強制するのは酷という物です。

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3、老犬はストレスが原因で散歩を嫌がる

歳を取るごとに変化する事を老いと考える事は犬には出来ないでしょう。人間の中にも年齢とともに訪れる変化を老いと認めたくないと言う方はいますから、犬に自覚させようというのは無理な話です。

そのことが犬にストレスを与えることがあります。人間より寿命の短い犬に訪れる変化は約7倍の速度です。
身体の機能はみるみる衰えていきます。

昨日出来たことが今日出来ない。

そんな体験をする機会はどんどん増えていきます。聴覚や嗅覚に心肺機能、足腰の弱りを自覚すれば外敵を恐れるようになる動物的本能が働くことは容易に想像できるでしょう。
安全な縄張りから外の世界に出かけようという探究心は薄れ、いつしか不安と恐怖を感じるようになるのです。

どんなことにも対処できるという自信は身体の衰えを実感すれば失われていきますから、家から離れれば離れるほど不安は増大するはずです。家に帰るまで安心できないから家から離れたくないと考えるのは自然なことかもしれません。

ましてや犬は人間ほど周りの環境を信用する事ができません。
交通ルールや常識、あるていどの法律を理解していれば人間、特に日本では脅威を感じることはほぼ皆無ですし、人間には天敵という存在がいませんから犬よりも周りの環境は安全という認識は高いのです。その感覚で犬を見ていれば犬の不安や警戒心の強さが理解できず良い関係性を作ることは難しいでしょう。

 4、老犬では季節の変化の影響が大きいから

室内と外では季節によっては気温や湿度にも差もありますが、それに対応することは犬にはなかなか難しいと思います。

特に暑さの耐性は人間に比べて劣るのも事実です。

犬猫と人間の暑さに対する耐性の差を検証!生物学的な4つの違いとは?

アスファルトの輻射熱は4足歩行の犬に相当な影響を及ぼします。

2足歩行の人間と違い犬の腹部と地面は平行で距離も近く、被毛なども少ないので胃腸が受けるダメージは人間の比ではありません。発汗による体内の熱を放出することもできませんし、小型犬では体内水分量は人間とは比べ物にならないほど少ないのです。

少ない水が早く蒸発するのは当然ですから、夏に散歩に行くことの辛さを知っている犬であれば歳を負うごとに嫌がるようになる事は当然です。

また冬であっても外気温が体温に影響を及ぼすことは変わりません。被毛があっても四肢は毛が薄く皮下脂肪や筋肉量も少ないので、筋肉や関節が冷えて動きにくい状態になっていることは考えられます。

特に老犬では熱量を作り出す為の筋肉が減り、加齢とともに関節の動きは悪くなっていますからその影響は大きいでしょう。

こうした時に無理に散歩に連れていくのはより体調を悪化させる原因にもなりますし、嫌な経験として学習してしまえば外に出ることを嫌がるようになる可能性は高いです。

 まとめ

散歩に行きたがらない理由が健康面での問題ならば早めに対処しましょう。老化に加え体調不良がストレスの原因にもなりますから、より散歩に出たくないという気持ちになるはずです。

散歩は無理にさせるものでもありませんが、高齢犬では十分な運動になるので行けるのならそれに越したことはありません。ただ散歩に行けるように体調を整えておくことが重要です。

早いうちから栄養管理や関係性を健全に維持することを心掛けましょう。それが問題の予防になり健康寿命を長くすることにも繋がります。

いつ何があっても良いような準備をすることが飼い主の務めです。その為の協力は惜しみませんので頑張って下さい。

本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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