ペット屋の息子です。
今日はお店の犬たちがどんなご飯を食べているかを公開したいと思います。
どうしても仕事なのでコスト面や譲渡後の事も考えて与えていますから、一部の愛犬家の様に愛情に溢れた手作りのフードや超高級な最高のドッグフードなどの特別な食事ではないのですが、多少手は加えています。
子犬の成長に必要な栄養というよりも、生涯の健康の為に必要な体を作るという意味で、ちょっとした工夫をしています。
ペットショップでどんな食事を与えているかなんて、正直そんなに興味をそそるものではないかもしれませんが、画像を交えてご紹介しましょう。
犬ご飯はふやかす事が重要!
当然ペットショップなので子犬がほとんどですからドッグフードはふやかしていますが、実は成犬でもふやかしてあげることは重要です。
家庭で飼育されている多くの犬はドライフードを食べていると思いますが、乾いた状態で固いまま与えることはメリットよりもデメリットの方が大きいでしょう。
手間が無く歯垢も付きにくい為と考えているからかもしれませんが、ドライフードはその名の通り乾燥したフード(水分量10%以下)ですから食事で摂取できる水分はごくわずかで、通常の動物が食べる食事に比べればその量はわずか1/7程度です。
となれば必然的に水をよく飲む必要があります。
ただ残念ながら犬達はそうした事実に気付いていないことが多く、トリミングに来たついでに皮膚や爪の状態などからそうした事が見て取れる時には良く話をしますが全く聞いてもらえません。言葉が通じないのですから。
フードをふやかすことで胃腸の負担も軽くすることができます。
特に穀物を含んだフードは、唾液にアミラーゼを含まない犬には消化が負担になりますから、通常のドッグフードを「噛む」という機械的な消化だけで摂取するよりも胃の負担は軽くなります。
歯の歯垢については
で話したようにポリリン酸ナトリウムなどが含まれたフードを与えれば予防効果は高いでしょう。
犬ご飯のふやかし方
時々フードをふやかすときは熱湯ではフードに含まれた栄養価が破壊されるというサイトを見かけますがこれは半分本当で半分嘘です。
高級なフードや、特殊製法のフードは、タンパク質の熱変性やビタミンや酵素の働きを活かすために高温で加熱せずに加工してあるフードもありますが、流通するほとんどのドッグフードは高温・高圧で成型されていますので、熱湯でふやかしたところで何の影響もありません。
どのフードメーカーか忘れてしまいましたが、食いつきが悪い時は電子レンジで温めて香りを立たせることで食いつきが良くなるかもしれませんと注意書きがあったのを覚えています。
水やぬるま湯では時間も掛かり芯までふやけませんからお店では熱湯でふやかしています。
ちなみにジーウィーピークやブルーバッファロー、ネイチャーズバラエティなどは熱湯でふやかしてはいけないフードです。
お湯の温度程度では栄養損失はないようです。申し訳ありませんでした。
タッパーのような密閉容器でふやかすのがおススメです。フードがひたひたに浸かるくらいの量です。お湯を注いでちょっと浮いたらOKです。
5~10分くらいしたらひっくり返すとむらなくふやかせますが、そのままひっくり返すと熱膨張でフタが外れます。一度温かい空気を逃がしながら軽く振って、空気を少し逃がした状態でフタをしてからひっくり返しましょう。
犬ご飯でアレルギー対策!子犬の時期にしておくべきこと
以前アレルギーと食事の関係について
で話しましたが、健全な腸内フローラを作り出す為にやるべきことがあります。
これは人間にも共通して言える事なので、妊娠中の方や乳児を育てている方にも覚えておいていただきたい話です。
腸内フローラは幼少期に作られる
人間の子供では離乳後の食べ物の影響を受けて、3歳で大人同様の腸内フローラが形成されます。犬はいつまでという事はわかっていませんが、少なくとも人間よりも7倍の成長速度と言われていますから、おそらく90日以内と考えられます。
犬では生後42日でほぼ成犬同様の腸内細菌叢になることが分かっています。
この時期に腸内の善玉菌(乳酸桿菌とビフィズス菌)の餌になるような食事が必要です。
犬や人間が菌を選ぶのではなく菌が人や犬を選ぶのです。その腸内環境が自分にとって住みやすい環境でなければ菌は定着してくれません。
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成人や成犬が乳酸菌を接種しても定着しない
人間も腸の不調で便秘や下痢を起こすと乳酸菌飲料などを飲みますし、普段からヨーグルトなどを常食している方もいると思います。
R-1のCMでも言っていますが、続けることが大事なのです。
菌は食事や乳酸菌飲料で補給しても腸内に留まってくれないからです。
つまり犬も人間も乳児~幼少期に健全な腸内環境を作り、アレルギーに対抗する必要があります。
もちろん定着しないとは言っても腸を通過する際に一時的に留まり悪玉菌を排除する働きは見せますから、摂取しても無駄という事にはなりませんが。
犬ご飯はドッグフード+サプリメントが理想的
というわけで当店の犬ごはんにはそうした工夫を施してあります。
以前
の話をしましたが、毎年何かしら有益な情報やら商品をGETしていますが、当店では、去年の展示会で見つけたなかなか優れた商品を使って犬ご飯を作っています。
詳しい説明は後日別記事にて致しますが、簡単に言うと腸内の乳酸菌の餌になるサプリメントです。
サプリメントというと錠剤のイメージが強いかもしれませんが、これは液状です。もともと人間用に作られたものでしたが、犬用の商品が発売されたのでそちらを使っています。かなり酸味が強いのですが犬は嫌がることはありませんでした。
通常のドッグフードにはそうした成分は含まれていませんからサプリメントで補う事は便の状態や腸内環境の改善や下痢や便秘の予防に有効的です。
店頭販売もしていますから興味のある方はぜひ
犬ご飯のトッピングは卵がおすすめ!
手作りご飯のみでは必要な栄養が取れないことは
でも話しましたから、ドッグフードにトッピングをすることがおすすめです。
アレルギーの犬にはあまりお勧めできませんが、個人的におすすめなトッピングは卵です。
卵をおススメする理由は
コストパフォーマンスが桁違いに良い
アミノ酸スコアがほぼ満点
生物価が高い
といったところでしょう。
卵は命の源です。ドッグフードの主原料はチキンですが、それよりもはるかに栄養価が高く、しかもコスパは最強です。動物の食生活から考えれば、鶏を襲って食べることは、生きる為に必要な栄養を根こそぎ奪う事ですから、卵を食べることは同様の行為とも言えます。
命の源である卵が栄養満点なのは当然です。卵は唯一ともいえる完全に近い栄養食品です。
さらに栄養価の全てが吸収されます。
食物のタンパク質の利用効率を数量化したものを生物価と呼びますが、生物価とは、体内に吸収された窒素の何%がタンパク質合成に利用されているのかを求めたものです。
卵の生物価は100(90以上)と言われていますから、このことからも非常に優れたタンパク源と言えます。
栄養バランスが良く安価で利用効率が良い食べ物ですからトッピングとしては最適です。
犬ご飯ディスワン清水天王店スペシャル
ドッグフードをふやかす為のお湯を湧かす時に卵も茹でています。フードがふやける頃にはしっかりとゆで卵になっています。
ゆで卵は細かく潰してドッグフードに混ぜています。
コスモスラクトは業務用で購入しダイソーで購入した醤油スプレーに入れてフードに噴霧しています。
便の様子で乳酸菌も混ぜています。耐性菌ですから抗生物質と併用することも可能です。
離乳期の子犬にはビフィズス菌入りのヨーグルトも与えます
犬の腸内細菌叢は人間と似てはいますが異なる点もあります。
人間の腸内に定着するブレべ菌やロングム菌は犬に見られず、犬の腸内フローラに生息するビフィズス菌のシュードロングム菌は人間には生息していません。犬の腸内に生息するビフィズス菌は数も種類も少ないのです。
ビフィズス菌は乳酸菌よりも健康効果は高く、人間ではアレルギー体質の改善には有効というデータも出ています。
ビフィズス菌は乳酸菌と同じように乳酸を作り出しますが、それ以上に酢酸を作り出します。さらに葉酸やビタミンB群までもを産み出しますから、幼少期の犬に与えることで定着し腸内細菌叢がより良い状態になる可能性がないとは言い切れない気がするのです。
まとめ
いつも言っていることですがいくら優れたドッグフードでも結果が伴わなければ意味がありません。動物の健康状態は常に変化していますからそれに対応しなければなりません。ドッグフードは完全食品ではありませんし、犬種や年齢、飼育環境や体調によって変えなければいけません。
今回紹介したのもあくまで基本食ですから、結果によっては別の与え方や種類の違うフードなどに変えることもあります。
もしあなたがもっと良いフードや与え方をご存知ならぜひ教えて下さい。僕も試行錯誤しながらより良い犬ご飯を作り上げるために努力していきますから。
しかしコスモスラクトはなかなか優れものです。アレルギーなどでお悩みの方は是非お試し下さい。飼い主の方にはラクティスをお勧めします。
僕もこれで随分アトピーが良くなりました。腸内環境は大切ですね。
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