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犬猫に塩分は必要か否か?不足や中毒が心配な方に適切量を含め徹底解説!

お知らせ

ペットショップチロルの息子です。

犬や猫に塩分は良くないと考えナトリウム量の少ないフードを選んでいるあなたはなかなか健康意識の高い方ですね。そして動物の知識もあるのでしょう。

でも知っていることが真実とは限りません。特にネット上では誤った情報も多いので、知らないうちに間違った知識が増えていることも・・・

本日は犬猫と塩とナトリウムの関係と適切量についての話です。

犬猫に与える塩とナトリウムの違いを理解しよう

ドッグフードやキャットフードにも含まれているナトリウムですが、犬や猫には全く必要ないわけではありません。不足すると問題もありますし、取り過ぎても良くはありません。

では適切な量は一体どのくらいか?

愛犬や愛猫の為に手作り食を与えている方は特に気になると思いますのでそのあたりをしっかりと解説していきますが、その前にまずは塩=ナトリウムではないというところからお話ししましょう。

犬猫に必要なナトリウム量=塩分量ではない

塩はナトリウムを含んだ化合物ですから=ではありません。

違いがある事は多くのサイトで説明がありますが、人間の減塩の為の説明のサイトなどばかりですから犬猫に与える時に注意するべきなのは

必要なナトリウム量=与える塩の量

ではないという事です。塩は塩化ナトリウムですからNaclとなり、必要なNa摂取量を塩から得ようとすればclが余計についてきます。

つまりナトリウムを1g与えようと思ったら塩を2.54g与える必要があります。

犬猫に塩の過剰摂取は気にしなくても良い

犬や猫の為に調理をされる方に知って頂きたいのは塩分の過剰摂取は気にしなくて良いという事です。

塩分(ナトリウム)を与え過ぎは良くないと言われますが、肉食動物を祖先に持つ犬猫は、もともとナトリウム含有量の多い食事をしていました。その為、過剰なナトリウムを尿中に排泄できるような機能が腎臓に備わっています。

人間の食事で考えられる1%程度のナトリウム含有量の食事などは何ら問題はありません。

つまり塩分を意識して犬猫の食事だけ味付けを和える必要はありません。もちろん砂糖や胡椒などの香辛料等は別ですが。

犬が塩をなめても問題はない

犬が塩をなめたと心配する方がいますが特に心配することはありません。そもそも塩自体は食品ですから摂取すること自体は危険ではありません。

犬は雑食ですが、野生時代に死肉をあさり食いつないだり、獲物を狩れない時などは様々な物を食べて飢えを凌いだりしていましたから身体に害のあるものや毒性のあるものを誤って食べてもすぐに吐く事ができる機能を持っています。

犬が自身の判断で食べたのならむしろ不足を感じての事でしょう。塩のかたまりを何かに隠して食べさせようとしても噛まずに丸のみにすることもないでしょうし通常は気づいて吐き出します。

人間よりも塩を多く食べても問題ない機能を持った動物ですし。

犬が塩を食べたら致死量はどのくらい?

NRC(全米研究評議会)の発表では400kcal中1.5gのナトリウムを含んだ食事での安全性は確認が取れている様です。

安全が確認されている400kcal中の1.5gを給餌量に換算してみましょう。

小型犬から中型犬では体重1㎏あたり70~100kcalですので間を取って1kgあたり85kcalとして

400kcal÷85kcal=4.7㎏

となります。1㎏あたりでみれば0.319gです。致死量ではなく安全確認できている量ですが。

犬は人間よりも体重当たりの耐性はありますが人もかなりの個体差があります。

ドッグフードの添加物を塩の致死量と比較してみた

でも話しましたが0.5~5g/㎏とかなりの幅がありますが、致死量を知りたいという方はどのくらい与えれば犬が死ぬかではなくどのくらいまでなら安全かを知りたいのでしょうから人と同じと考えていれば良いでしょう。

犬猫に最適な塩の量は計算では1㎏あたり0.12gだった。

人間と同じと考えれば体重犬猫はもともと肉ばかりを食べていましたのでナトリウム摂取量は草食動物よりも多かったので(野菜に比べ生肉は約3倍)過剰摂取よりは不足することを意識する方が良いでしょう。

前述の通り400kcal中1.5gのナトリウム摂取は安全という事ですので、この量を人間の健康基準量と比較して考えてみましょう。

世界保健機関(WHO)世界基準で推奨されている成人の理想塩分摂取量は5.0gとされています。

こうした計算では成人の体重は70㎏で計算されていますから1㎏当たりの最適量は

5÷70㎏=0.0714g

となります。

前述の安全範囲である

 

ですから4.7㎏の体重の犬が1.5gを摂取しても安全という計算です。これを体重1㎏当たりに直して比較してみると

1.5÷4.7=0.319g

となります。

安全性が確認できている量は人間の最適量の約11倍以上です。肉のナトリウム含有量は野菜の3倍と言いますが、人間も肉は食べますから最適量を考えれば人間の2倍程度でしょう。

というわけで個人的な見解ですが、ナトリウムの最適な量は体重当たり0.05gですので塩に直すと体重当たり0.12gです。

心臓病の犬猫に塩分(ナトリウム)を制限する理由

しかし犬猫が心臓病を患っている場合はナトリウムの排泄量が減少してしまいます。

これも人間と同じですが、そもそも何故塩の量を制限するべきかと言えば

心臓病では摂取する塩の量が多いと心臓に負担がかかるからです。

血液中のナトリウム量が増えるとそれを薄める為に脳から水分を摂取しろという指令が出ます。その指令を受け水を飲む行動に移ることを利用したのがpHコントロールやc/dなどの療法食です。

血液中のナトリウムを薄める為に取り込まれた水分で血液の総量が増える為、循環させるためのポンプである心臓の仕事が増え負担がかかるというわけです。

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犬猫に起こる塩分(ナトリウム)の中毒症状とは?

過剰摂取は心配ないと言いましたが一応中毒症状も記載しておきましょう。というのも中毒症状は過剰摂取で起こることは稀でも体内の水分が減り血液中のナトリウム濃度が増えても起こるからです。

犬猫は水分不足で塩中毒になる?

健康な犬猫で健全な管理ができていれば塩中毒(高ナトリウム血症)はまず起こりませんが、脱水は起こらないとも言えませんので、それが原因で高ナトリウム血症になる事は可能性として0ではないでしょう。

特に猫はあまり水を飲みませんので

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現に体内水分量が尿で排出してしまい尿中のミネラルが結晶化してしまい尿路疾患を患う事もあります。

水分が不足し血液中のナトリウム濃度が高くなることも考えられますので、そうならない為にも水を飲ませる工夫は必要です。

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塩中毒では発熱、嘔吐、下痢、心機能障害、盲目、遊泳運動などの神経症状がでる事があります。

犬猫の高ナトリウム血症

塩中毒=高ナトリウム血症と言っていいかわかりませんが、高ナトリウム血症は過剰摂取や水分摂取量が不足する事ばかりが原因でもありません。

神経疾患による潜在性口渇や口渇機能異常、パソプレッシン分泌における浸透圧調節の異常、腎臓の機能に問題があればナトリウムが排泄できず蓄積していく事で起こることもあるからです。

神経細胞の脱水で生じる高ナトリウム血症は体内での脱水ですから皮膚に症状が現れず見た目には脱水がわかりません。ナトリウム濃度が160mEq/Lを超えると症状が出ると言われています。

衰弱、行動異常、筋肉のけいれん、発作、運動失調、発作、昏睡などが見られたらすぐに動物病院へ掛かりましょう。

犬猫の塩分不足に注意!ナトリウムが足りないと現れる5つの症状

食事で摂取するナトリウムが不足することで様々な症状が起こります。水分量とカリウムとで保っている関係性が崩れるからです。

ナトリウム濃度の調整は水分と密接な関係がある事は前述に記した通りで、濃度が高くなり過ぎないように水分を摂取するように、不足しないように腎臓で再吸収されたりします。

それでも摂取量が不足したり身体の機能に異常が出れば、体内のナトリウム量も減ることがありますが、それにより以下のような症状が起こると考えられます。

1、精神的な不安や倦怠感

ナトリウムは神経の伝達にもかかわりがあるミネラルですので、不足することで精神的な問題が起こることがあります。

神経の情報伝達に異常が発生し、混乱や性格の変化、倦怠感などの症状が現れます。意識障害が起こり昏睡状態になることもありますので注意が必要です。

2. 血圧の低下で起こるめまいやふらつき

体内のナトリウムが不足することで水分量のバランスが崩れるので水分を排泄し調整しようとする機能が働きます。そうなれば循環する血液量が減るので血圧が低下します。

その結果、脳への酸素供給量が低下しふらつきやめまいが起こります。血液量が少なくなることで体内水分量が減る事にもなりますのでそれによる健康被害も出てきます。

3、脱水症状からの吐き気や頭痛

体内の水分量が不足したことで脱水症状が起こります。

水分が不足して血液濃度が濃くなれば血圧の低下とともに血流が悪くなりますが、それを改善しようと血管が拡張します。

そうなると拡張した血管が神経を刺激し頭痛を起します。

吐き気の原因は、血流が滞り体内で酸素不足が起こるため、胃腸の機能が低下することが原因と考えられています。

4、免疫機能の低下

ナトリウムはミネラル成分ですので血液を弱アルカリに維持する働きがあります。

ナトリウムが不足することで血液pHが酸性に変化し始めすが、この状態では免疫機構が正常に機能しません。

体内では様々な代謝が起こりますが、言い換えれば酸を作り出しているという事です。
摂取したタンパク質がアミノ酸に分解され、エネルギー源のブドウ糖からは乳酸やピルビン酸が生成され脂肪からは脂肪酸が生み出されます。

細胞内での代謝はナトリウムではなくカルシウムイオンによって中和されますが、血液によって遊離アミノ酸や遊離脂肪酸が運ばれればナトリウムによって中和されます。

ナトリウムが不足することは様々な代謝に大きな影響を及ぼし、免疫機構の異常から病気のリスクは高まり生命維持すら危うくなります。

2-4. 筋肉異常・痙攣

イオンポンプと呼ばれる細胞膜の機能が筋肉の収縮を産み出しますが、これにはナトリウムとカリウムが必要です。

細胞内液に存在するカリウムイオンと細胞外液にあるナトリウムイオンが配置され、それぞれが入れ替わる際に生じる電気信号(活動電位)によって筋肉の収縮をコントロールしています。

ナトリウムが不足すればカリウムとのバランスが崩れ、筋肉を正常に動かす事ができなくなり痙攣が起こったりすることがあります。

まとめ

犬に塩は必要だという事が伝わったでしょうか?

良質なフードを与えていれば気にすることもないでしょうが、手作り食ではミネラルのバランスを取るのが難しいと思いますので注意が必要です。

犬猫は自分の健康を維持する為に何がどう必要かの知識はなく、健康を維持する為に行動しようという意識もありません。

大切なのは日々の観察を怠らない事と、健康な状態とはどういった状態なのかを理解することです。健康と言える基準が曖昧では異常に気付くこともできない可能性があります。季節や飼育環境の変化、様々なことで動物の身体は変化します。

生活を共にする飼い主が正しい知識を身に付け、異常に気づく目を養うことは愛犬や愛猫の為に必要なことでもありますが、それには動物病院での定期的な健康診断や、多くの犬や猫を見て育ててきた専門家のトリマーやショップスタッフなどとの交流も必要かもしれません。

その支えになるように日々精進しようと思います。

本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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