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柴犬の性格はしつけにくい?頑固で警戒心が強い理由は遺伝子にあった

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ペット屋の息子です。

犬らしい犬が欲しい!

一昔前、そういって柴犬を選ぶ方の多くは年配の男性ばかりでしたが、最近では女性にも人気が高いようです。

草食系男子と呼ばれる男性が多い世の中、女性は男らしさを犬に求めたのでしょうか?

柴犬と言えば、きりっとした凛々しい顔立ちに熱い胸板の筋肉質でたくましい体躯。高く掲げた巻尾がトレードマークの日本を代表する犬ですが、性格的にも主人に忠実で利口で学習能力が高く、古くから家庭犬として親しまれてきました。

しかし昨今では攻撃性の強さが災いして、問題行動を起こし飼い主を困らせるという犬としても認知されつつあります。

柴犬の容姿や性格はヨーロッパを原産とする犬とは大きく違います。それを正しく理解しなければ良い関係性は保てないでしょう。

というわけで本日は柴犬の性格について話してみたいと思います。

 柴犬の性格の特徴は遺伝がもたらした魅力

先日の噛む犬の話の中で、遺伝と病気が攻撃性に関りがあると話しましたが

犬の噛むはしつけで治る?(4)攻撃性は毛色を決める遺伝子にあった

犬の噛むはしつけで治る?(5)病気が作り出す攻撃性と対策の考察

ドーパミン受容体D4が犬種ごとの性格に関与していることも明らかになっています。犬種を作る際に使役目的から行動も選抜されたせいでしょう。柴犬を始めとする日本犬は他の犬に比べ遺伝子が長く、それが攻撃的性格に関与しているようです。

野性的な風貌と自信にあふれた振る舞いはいかにも日本犬らしく魅力的ですが、その柴犬が持つ日本犬らしさも遺伝で得た物のようです。しかしどうやら柴犬はその他の犬よりもしつけにはコツがいるようです。

というのも現存する犬種の中で最も野性的な犬ということが判明したからです。

 柴犬が自信満々で恐れ知らずなのは先祖譲りだった!

皆さんもご存じのナショジオこと「National Geographic」の2012年の記事の中で、科学者によって85犬種のDNAが分析されました。

下記はその画像ですが、上位14犬種は狼に近い遺伝子を持つという結果になっています。その中で1番目に名前が記載されているのが「Shiba inu」われらが柴犬です。

ちなみに色分けの解説は下記のとおりです。

□WOLF LIKE 狼のような
□MASTIFF LIKE マスティフのような
□HEREDRS 牛(羊)飼い
□HUNTERS 狩人

 

 柴犬を飼うならしつけが重要と遺伝子が語っている

日本で飼育されている日本犬の中で80%が柴犬と言われています。数多くいれば性格もさまざまでその違いは色の違いや選択繁殖によっても変わります。

柴犬は日本古来の犬ですから、日本には古くから優秀な犬質を維持し発展させるために尽力を尽くしてきた素晴らしい繫殖家達が多くいます。そしてその結果、柴犬は野性的な風貌や気質を持った素晴らしい家庭犬になりました。

しかし残念ながら多くの飼い主は柴犬の魅力に気付きながらも、その野性的な犬本来の気質や容姿を生かそうとはしていません。
遺伝的な結果がどれほど犬の性格に差をつけるのかはわかりませんが、柴犬の性格的特徴を見る限りペットとしての飼育をするのならよりしつけが必要な犬種という事を示す結果でもあると考えるべきでしょう。

以上の調査データから、遺伝的に攻撃性が高く問題行動を起こしやすい要素を持っていることは十分に考えられますし、以前とは飼育環境も違います。犬と人間の関係性が変化してきたことは柴犬にとって良いことばかりではなかったようです。

 柴犬の性格を悪いものにする飼育環境の変化

忠実な性格はあくまでしつけができて初めて言えることです。昔ながらの日本人気質を持つ柴犬は勤勉な性格を持つ反面、順応差に欠けるところがみられますから、飼い主と言えども縄張りを同じとすることは望まない個体が多いように思えます。

室内で自由な時間を与えれば自身の縄張りと思うのにそう時間はかからず、頑固な性格はそれを否定することに抵抗を覚えます。問題行動を咎めるたびにストレスが溜まり、ついには野性的な攻撃心が芽生えるか、そのストレスから常同障害と呼ばれる行動の疾患や自傷行為に発展することも考えられます。

 柴犬の攻撃性を引き出す高タンパクな食生活に注意しよう!

また食生活の変化も性格に影響を与えます。
先日の

犬猫のストレスや攻撃性軽減のために必要な3つの栄養素と食品とは?

の中で食事中のタンパク質量が問題となると話しましたが、ここ数年で犬の食生活がずいぶんと高タンパクな食事へと変わってきました。

犬は本来肉食で穀物は消化が難しいから与えるべきではない

そんなコンセプトを掲げてフードを製造販売しているメーカーが多くありますが、それには疑問を感じることもあります。

犬が本来の機能を発揮するべき環境であれば運動量や過酷な環境に適応するための豊富な栄養やカロリーは必要でしょうが、過保護なほどかわいがられている犬には過剰に思えます。
フードだけの問題ではありませんが、食べ物を摂取することは食事に当たりますから、現状の肥満問題を考えれば室内で飼育することもそれを助長しているのではないでしょうか?

柴犬の性格を考慮した食と生活環境を作る!

運動不足でストレスを感じる飼育環境に加え、攻撃性を高める食生活は問題行動を発生するリスクを高めます。食生活を野生動物に戻そうというのなら飼育という関係性を否定することになりかねません。

柴犬が狼に近い遺伝子を持ち、野性的で攻撃的な性格が根底にあることが研究で明らかになったのなら、そのデータから柴犬と飼い主にとって理想的な飼育の関係性や環境を作り出すために役立てることが正しいことでしょう。そしてそれは正しい愛情の示し方でもあります。

室内で飼育することを飼い主が望んでも犬にとってそれが良いことかどうかも考えましょう。関係性を良好なものにするために、犬の飼育環境や食事を見直し、それがどう犬に影響をもたらしたかの確認をすることも忘れてはいけません。

柴犬にとってどうすることが良いかはインターネットで検索して知ることはできます。しかし実際に行ってみて結果が良くなければその犬の性格や飼育環境には適していなかったということになります。何事も結果が全てです。

 柴犬の性格がきついと思うのは飼い主との相性

柴犬は見た目が好みだからと言って容易に家族に迎えるべき犬ではありません。人によってはきつい、もしくは悪い性格と思われることもあるでしょう。しかしそれは犬の個性や犬種の成り立ちを学ぶこともなく、理解を示そうともしない人間に移るだけのことで、野性的な攻撃性は環境やしつけで充分コントロールできるものです。

犬種としての性格を考えれば、柴犬に必要な関係は親子や友達という関係ではありません。野性に生きる狼に近いと考えれば、生活に必要な仕事を分担するパートナーとしての関係性を主従関係に発展させることが必要でしょう。
主従関係といっても軍隊のような厳しい上下関係ではなく。対等な立場の取引先や雇用関係といった相手、もしくはプライベートな交流のある隣人程度の距離感で付き合う方がうまくいくと思います。

毅然とした態度でお互いの利と相手にとっての尊敬を示すことできちんとした教育ができるようになります。それが済んで良好な関係性が築ければ生涯を家族として過ごすことは難しくありません。

まとめ

柴犬は特徴がはっきりしているので扱いに困るような犬ではないように思いますが、時々咬傷事件を起こすようなことがあります。
ただ飼い犬が事件を起こすのは、飼い主やその犬を生み出した繁殖家や販売に関わった人間の問題で、家庭犬にふさわしい犬にできなかったことだけでなく制御できない犬を他人や犬と接触させることが原因です。

大切なのは柴犬がどういう犬でどうしつければコントロールできるようになるのかを知り、共に過ごしその犬の性格や個性を理解し正しくしつける事、そして問題を起さないような扱いをすることです。ただこれは全ての犬に言えることですからなにも柴犬が特別ではありませんけどね。

犬が自分に合った犬かどうか、きちんと飼育できる覚悟があり責任が取れるかどうか

それはどの犬も同じです。
元々は捕食動物で人間すら獲物にしかねない動物ですから。

だから僕は犬を信用はしても過信はしません。食べられてもいい覚悟がないうちは一緒に寝ることもしません。

本日もお付き合い頂きありがとうございました。

-しつけ, 勝手な考察, 問題行動, 犬選び

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