ペットショップチロルの息子です。
ペットにサプリメントを与えるのに抵抗があるのは良くわかります。
しかしサプリメントというものは人間よりもむしろ犬や猫に与える事がとても有効、いや必須なのです。
動物の食事を考えれば、人工的に作られたフードを与えることは様々なデメリットがあり理想の食生活にはほど遠いので、栄養学的に健康を維持するのには無理があるからです。
というわけで本日はサプリメントがなぜ効果的かとその選び方のポイントについてです。
犬にサプリメントは効果的だと思える5つの理由
犬にサプリメントを与えることについてですが僕は効果的だと思います。動物にサプリメントを与えることに対してあまり良いイメージを持っていない方もいるようですが、それを言ったら動物病院で治療をすることの方が不自然なことに思えます。
そのあたりは個人それぞれの考えですから何が正解かはわかりませんが、とりあえず僕が思うサプリメントが効果的だと思える理由を挙げていきましょう。
1、動物にとっての理想的な食事と現在の犬の食生活の差
動物は食べ物に合わせた体の機能を持っています。
例えばコアラはユーカリを食べますがユーカリは毒があり普通の動物は食べられません。
ではなぜコアラはユーカリを食べるのでしょう?
簡単に食べて栄養に出来るものは競争率が激しく、コアラはその争いに勝つ為の力はないからです。争いに負ける事ももちろんですが、そうした食べ物を目当てにやってくる動物を捕食する肉食動物もいるからです。
生き延びる確率を少しでも上げる為に毒のあるユーカリを食べることを選びその毒に対する抗体を手に入れたのです。
そうやって動物は食べ物に対しての進化をしてきましたが、犬も同じように家畜として生きる道を選び狼とは違った食性を手に入れました。
そうやって食べ物に対して進化するのが動物です。ですから食事を動物に合わせ人工的に作るドッグフードは自然とはかけ離れたものなのです。
人工的に作られたフードには様々な欠点がありますから、それを補うためには摂取できない栄養を別に保管してあげる必要があります。
2、犬の多様性を考えればサプリメントは有効活用するべき
何度か話していますが、犬は人間が作り上げた唯一の動物といっても良いほど多様性にあふれています。その為、サイズや体を構成する骨や筋肉や脂肪の構成比は他の動物以上に差が大きいのでそれに見合った栄養素の給餌量が必要になります。
皮膚や被毛の健全性を保つには多くの脂肪酸やたんぱく質を必要としますが、栄養学に精通した上での手作り食や、その犬の体組成などを分析して作られたフードなどでなければ、通常の食事のみで完全な栄養補給をすることは不可能に近いでしょう。
以前の投稿の
でも話したようにドッグフードを与えると言っても犬種の個体差が大きすぎるのです。
例えば北方原産の大型犬のセントバーナードととサイトハウンドのグレイハウンドなどを比べれば標準体型同士でも体脂肪の割合は大きく変わりますし、被毛の厚さなども一目瞭然。必要な栄養素は犬種ごとに大きく変わるのです。
それらすべてに合ったフードを1から開発となれば莫大なコストがかかりますが、犬種の飼育頭数からしても販売数はほんの僅かでしょうから販売するメリットは0に等しく売るだけ損という物です。
となればトッピングで補えば良いと考える方もいますが、食材では補給したい栄養素のみで構成されているものなどはありませんし、何より栄養を補給するにあたり食事量やカロリー量を増加してしまうことになります。
こうしたことを考えれば栄養素を選択補てんできるサプリメントが理想的というのは言うまでもありません。
3、犬の飼育環境や季節ごとの栄養補給が手軽にできる
犬種ごとの違いに加え、季節や飼育環境での違いにも容易に対応できる点でサプリメントは非常に優れています。
暑い時や寒い時など多くの人はエアコンを活用するでしょう。しかし犬だけで日中を過ごすとなれば温度管理は難しく電気代なども掛かります。
それにペットと言えどもそこはやはり動物です。人間が機械や衣服の変更などで気候に対応するように、気候に合わせて体を順応させるような機能が備わっています。
特に冬となれば気温が体温を奪い、体はより熱量を必要としますから必然的に食事量は増えます。そして体は気温が下がる冬へとむけて栄養を蓄え身体作りを始めます。
夏と冬では栄養要求量や質に大きな差が産まれます。給餌量のみならず、たんぱく質や脂肪分のバランスも変更することが理想的でしょう。特に室外で飼育している場合にはより配慮が必要となります。
ご自身の勉強の為にフードや手作り食の研究をするのなら素晴らしいことですが、なかなか困難な作業ですし、毎日の事となると相当な負担です。安全性や保存性に優れたサプリメントで微調整する方が手軽でバランスも取りやすいでしょう。
4、犬に必要な栄養を消化吸収しやすい状態で摂取できる
サプリメントであれば必要な栄養素のみを選択して与えられる点に加え、消化吸収率が優れている点がおすすめできるポイントです。
例えばカルシウムやマグネシウムなどのミネラルをバランス良く摂取しようとなれば骨を与えることは有効ですし、ストレス発散や歯磨き効果なども期待できるでしょう。しかし、安全性に欠けるというデメリットもあります。
- 硬すぎて歯が欠ける
- 砕けたり裂けたりした骨が口内を傷つける
- 長時間かじることで菌が繁殖しやすい
- 栄養分の補給に時間が掛かる
サプリメントであればそうしたデメリットもなく、体内で消化吸収されるまでの時間も早いので、症状の回復などの目的には最適な栄養補給方法だと思います。
5、サプリメントは犬にとって理想的な治療に近い
そもそも動物は体調不良を自覚しても自ら病院へ行こうとはしません。体調不良や病気やケガを治すには必要な栄養を摂取するしかないのです。
外科的治療は確かに速く効果的でしょう。しかしデメリットも多くあります。手術の負担やリスクはけして軽いものではありませんし動物自身が納得して行うわけでもありません。
先日の
で話したように理想の治療は動物の持つ自己治癒能力を高める事ではないでしょうか?
動物の為に開発された安全性の高い栄養補助食品であればそれが可能になると思います。
事故などで自然修復が不可能な状態や、発見が遅れ内科的治療が困難な場合を除けば、まずはこうした治療を優先的に行うのが正しい在り方なのかもしれません。それほどまでに動物には栄養管理は必要なことなのです。
そしてサプリメントの効果が実感できるのであれば病気や体調不良を起こさないように最適な食生活を維持する為の意識が産まれるでしょう。それこそが飼い主にとっても獣医師にとっても一番の効果かもしれません。
[ad#co-1]犬に与えるサプリメントの選び方の3つのポイント
全てのサプリメントが犬に有効かと言われればそんなことはありません。症状に合わせた選び方は言うまでもありませんが、サプリメントもドッグフード同様に品質にも差があります。
ここでは選び方のポイントを3つに分けて解説してみたいと思います。
1、サプリメントの成分は天然のものを選べ
前述の通り進化の過程を考えれば、天然の栄養を効率良く吸収する事ができるのが動物ですから天然の成分がもちろん最良です。
人工的に合成された成分は組成が複雑になっていたりすることもあり、吸収率や利用効率で差が出る事があります。合成の際に利用できない不純物が混ざったり、栄養に変換する際に必要な栄養素が足りていなかったり。
身体が必要とする栄養素は単体で作用するものはありません。体内で利用される際に別の栄養素が必要になりますから、天然抽出成分のサプリメントでは栄養が効率良く吸収・利用できる形になっているのです。
2、サプリメントは非加熱の物を選ぶべし
加熱・加工することで糖やアミノ酸を栄養に変換しやすい形で摂取する事ができる点はドッグフードのメリットでしょう。人間同様に犬はその恩恵を受けて少ない食事量から短時間で必要な熱量を作り出すことはできます。
しかし動物の食生活からすれば加熱した物を口にする機会はありませんのでデメリットになる事も少なくありません。
脂肪酸や脂溶性のビタミンは熱による栄養損失が大きく、有用な腸内細菌も死滅してしまうからです。加熱してしまえばいくら天然の物でもほとんどの栄養素は失活してしまいます。ドッグフードで補えない栄養をサプリメントで補うのですから加熱されていない物がベストです。
3、原材料の安全性を考慮しよう
ドッグフードは加工や加熱の段階でその安全性は保たれていますから、原材料うんぬんよりも利用できる栄養成分が配合されていれば問題ないと言っても良いでしょう。
しかしサプリメントは加工や加熱で失われる栄養成分を摂取することが目的ですから原材料の安全性は無視できません。
DHAやEPAのサプリメントの減量になる魚や貝で考えてみましょう。
汚染された海洋で育った魚や貝は充分な栄養を摂取できていない可能性があります。汚染された海に餌となる生物が豊富なわけはありません。もしいたとしても汚染されていますから栄養を豊富に含んでいないでしょう。
そんな餌は食べれば食べるだけ健康を損ないますから、逆に健康の回復にエネルギーを消費してしまいます。そんな原材料からどんな栄養が抽出できるでしょう。そして身体に汚染物質が含まれたり、さまざまな悪性の細菌、ウィルスなどが含まれている危険もあります。
ドッグフードのように加熱することで安全性を確保できませんから栄養成分を摂取するどころではなくなってしまいます。
まとめ
サプリメントは栄養補助食品という意味の食品です。
フードの製造で失われた栄養を補てんすることで身体の機能の維持回復をすることが目的ですから、その為にどういったサプリメントを選ぶかが重要です。
本来なら食事の質を上げて頼る必要のない食事がベストなのですが、ペットという立場と捕食動物という身体がそれを難しいものにしています。
フードの質を上げる事にも限界がありますし、些細な違いにこだわって費用を掛けるなら、問題のない範囲でフードを選びサプリメントに頼る方が良いのではないかと個人的には思います。
本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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