ペット屋の息子です。
時期的に皮膚トラブルが多くなりますが、一過性の物だと安心していると後で大変な目にあいます。
多くの人が犬や猫の嗜好性を考えてフードを選んでいますがそれは正しい事とは言えません。そもそも食事は生きるために必要だからする行為であって、その目的は生命維持の為のものです。結果が伴わない食事は改善するべきでしょう。
粗悪なフードや体に合わないフードを与えた結果治療をする羽目になって損をするのは犬だけではありません。
また、根本的な問題を解決しない限り悪循環が続くだけですし、年齢が上がるごとにトラブルは増えていくでしょう。そうならない為にも食事の見直しは必要です。
今日はそんな皮膚のトラブルに対処する為の食事の提案をしてみたいと思います。
犬の皮膚が赤い(炎症)は早目に対処しよう!
まず犬の皮膚が赤くなるのは炎症を起こしているからですが、その原因は様々です。特定する事に時間が掛かることも多々ありますが、仮に特定できたとしても場合によってはその原因を排除することは難しいこともあります。
もっと言えば炎症を起こす原因は一つではなく無数にありますから、数多くの原因で炎症が起きる可能性があります。食物アレルギーやアトピーで食事の改善をすることももちろん有効ですが、個人的には避けるよりも克服する道を選ぶ事の方が健全で後々の為にはなると思います。
炎症の原因が何であれ炎症を起こさないようにすることの方が治療としては健全で建設的です。原因が特定できて避けてたとしても根本的に炎症を防ぐようにしなければ、また別の原因で炎症を起こすことが考えられるからです。
アレルギーはなりやすい、なりにくいがあることは事実ですが、原因となる物はそれこそ数万という単位になるでしょう。フードをひとつとってもアレルギーになりやすい原材料を避けていけば食べれる物はどんどん減っていき、特定の物ばかりを摂取する事になればそれがアレルギーの原因となるリスクは高まるばかりです。そう考えて、避けるのではなく克服する為の食生活に改善しようというのが僕の提案です。
最近こうした症状の改善に有効的なサプリメントが発売されたので、その効果を考察してみました
犬の皮膚のかゆみや赤みの原因とは?
現代までの間に変化した食生活がもたらした恩恵は大きいものですが以前は見られなかった疾患を作り出しました。そのうちのひとつがアレルギー疾患やアトピー皮膚炎です。
アレルギーだろうとアトピーだろうと犬の種類が何であれ、炎症が起こっているのならそのサイクルをどう絶つかですが、炎症に深くかかわっているのは「エイコサノイド」という物質です。
栄養学では広く知られていますが、必須脂肪酸が代謝されて細胞膜で作られる物質で、ホルモンのような働きを見せます。
エイコサノイドには数多くの種類が存在しますが、体にとって有利に働くものと不利に働くものがあります。しかしどれもが必要な物で、時と場合によってはその優位性が逆転する事もあります。
エイコサノイドには炎症作用を抑える物と悪化させるものに分かれますが、皮膚の赤みやかゆみを引き起こす炎症を抑えるには、その摂取バランスを整える事で炎症を改善する事が出来ます。
犬の皮膚炎症の原因は悪性エイコサノイド
体に対して有利に働くエイコサノイドを良性、不利に働く物を悪性とすれば、良性エイコサノイドはオメガ3系列の必須脂肪酸α-リノレン酸から作られ、悪性エイコサノイドはオメガ6系列の必須脂肪酸リノール酸からアラキドン酸を経て代謝されます。
この2つの必須脂肪酸ですがどんな脂肪に含まれているかと聞けば違和感を覚える方も多いはず。というのも良性エイコサノイドは魚、エゴマ油、シソ油、亜麻仁油などに多く含まれるα-リノレン酸です。
※犬や猫は植物油性のオメガ3を微量にしか変換できない
悪性エイコサノイドが作られるもとになるリノール酸は牛、豚、羊、鶏などの肉、特に反芻胃を持たない鳥と豚には多くのアラギドン酸が含まれています。
彼らが普段口にすることが無いような食材が必要とされ、そもそもの捕食対象である動物たちが炎症を引き起こす原因となるのは何故でしょう?
ここに生食とドッグフードの違いがあります。
犬の皮膚の炎症と食事の関係性
彼らが捕食者であった時代には今の時代のように規則的に食事にありつけることはありませんでした。狩りの成功率はそれほど高くなく、獲物となる動物を見つける事にも苦労をしていたかもしれません。仕留める事にも競争相手がいたはずです。苦労して得た食料は無駄に出来る物は無く、水分も獲物の体液から摂取することで生きながらえてきました。それに比べると現代の犬の食生活は人間同様に恵まれています。
この辺りも家畜化の弊害です。人間同様の健康問題が犬の社会にも忍び寄っています。
もちろんそれだけではありません。
捕食した獲物を食べるのとフードを食べるのでは全く内容が違います。新鮮な内臓を食べる事で得られるビタミンや腸内細菌を摂取できる事は現在の日本ではそうそう再現できるものではないでしょう。フードに使われる原材料の肉類もタンパク質の数値の為の加工した部位などです。
犬の皮膚炎症はEPA・DHAを摂取&腸内の健全化で治す
フードによっては犬の為にオメガ3とオメガ6のバランスを整えてある良質なフードも多くありますが、前述の通り植物性のオメガ3を有効利用することは犬猫は苦手としますし、犬種や体質によっても必須脂肪酸のバランスの適正値は大きく変わるでしょう。
実際に人間では人種によってかなりの違いがありますから、家畜としての彼らが人間の食生活の影響を受けないはずがありません。おやつなどを食べている事で食生活のバランスを崩している犬もいます。
摂取した栄養を吸収する為の健康な胃腸があっての話ですし、食事に合わせた腸内細菌の摂取はフードでは望めません。
しかしこうした問題点が浮き彫りにされることは改善の為の糸口になります。
ここから先は半分CMになりますが犬の健康の為の食事であることは間違いありませんのでご容赦下さい。
先日展示会に行った話をしましたが、その際に皮膚トラブルの改善の為に有効と思われる商品を入荷することが出来ました。
特殊な製法で抽出された酸化しない鮪の油です。魚の中で唯一すべての脂溶性ビタミンを持つ鮪の油はオメガ3の積極的に最適ですから皮膚疾患のある犬猫であれば積極的に摂取したい物です。
犬の皮膚の為の食事とは?
ドッグフードは製造工程で加熱処理が施されるのが一般的ですから、鮪を主原料にしたところで同じように脂溶性ビタミンやオメガ3を豊富に含むフードには出来ません。最適な食事を考えればやはり良質なフードに何かを足すということが最適でしょう。
皮膚疾患は兆候や初期段階がみられたらなるべく早い段階で食事の改善をするべきです。
皮膚トラブルの為の食事のポイントは
- サーモン・ナマズ等の魚が主原料のフードに変更
- 鮪の油(オメガ3の)を摂取する
- コスモスラクト(腸内の乳酸菌を育てる)
事です。
当然おやつなどを与える事は避けた方が良いですが、あたえるのなら乾燥したマグロやサーモン、煮干し等の魚を使ったものにしましょう。
犬の皮膚トラブル防止の為のフード
アレルギーや皮膚の為の食事として考えるならニュートロのワイルドレシピのサーモンは有効かもしれません。炭水化物量が少ないので涙やけの改善にも効果的でしょう。
ただグレインフリーという点は一長一短がありますので、体調の変化をしっかりと確認する事が必要です。
鮪の油と乳酸菌は以前も紹介しましたが、一度に全てを試す必要はありません。変化が起きた時に何が効果的で何に問題があったのかがわからなくなるからです。皮膚のターンオーバーも考えせめて1ヶ月は1つの変更のみにしましょう。
まとめ
食物アレルギーであればフードの選択をどうするかが問題となります。サーモンのアレルギーはそう聞きませんが、フードに含まれる他の原材料に反応する事もありますからね。
とにかくオメガ3と6のバランスを整える事が大切です。ちなみに人間では、血液中のオメガ3とオメガ6の比率(ω3/ω6)を日本人とアメリカ人、日系アメリカ人を比較した結果日本人1/4アメリカ人1/16日系アメリカ人1/12となっていたそうです。
人間の食生活の多様性は犬とは比べ物になりませんが、科学や文明の発達を進化の変わりにした人間よりも、犬の身体の機能や特性は大きく違います。その点を考えれば犬に合った食事を考えるのは難しいかもしれません。
ベースとなるフードに犬種の特性や運動量、体質に合わせたトッピングなどで調整する事が最適と思います。皮膚のトラブルはひどくなる前に対処しましょう。
本日もお付き合いありがとうございました。
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