ペット屋の息子です。
犬の為の食事の考察を散々してみましたが、考えれば考えるほどドッグフードの欠点が浮き彫りになっていくだけで、現時点でオススメと言えるドッグフードはジーウィーピーク位の物です。
しかし他のフードに比べるとかなり高額なフードなので「じゃあこっちで!」と言いにくいのが現状です。
では菌や脂肪酸の摂取を考慮し、食事から水分も補給できる点で優れている手作り食はどうかと言えば、それはそれで栄養バランスを整えるのが難しく手間もコストもそれなりにかかります。
理想的な食事の再現はいずれも難しいようですが、とりあえず今回はコストパフォーマンスという点からドッグフードと手作り食を比較してみたいと思います。
最高級ドッグフードのジーウィーピークの1食のコスパはいくら?
栄養学的な観点からすればジーウィーピークは非常に優れたフードで、ドッグフードの持つ欠点はほぼありません。
しかし継続的に与えるフードとして考えると、他社製品に比べ圧倒的に高額です。
ここまで高額なのは原材料のこだわりや製法にありますが、1㎏のフードを作るのに3㎏の肉が必要という話ですから高額なのもうなずけます。一般的に販売されているフードの中では最も高額な商品だと思いますが、原材料へのこだわりや製法はそこまでやるか!というくらい気合を感じます。
犬は生物学的にもともと肉食だから肉が主原料のフードが理想的!
ナチュラルフードメーカーはそういったコンセプトでフードを製造している会社も多く、インターネット上でもそうしたフードに高い評価を与える方もいますが、グレインフリー至上主義の方々でもジーウィーピークの評価は最高ではありません。価格が高すぎる点を大きなマイナスと考えています。
確かに対象となる犬が極小のチワワやヨーキーならまだしも、これだけの価格差があると他のフードを選びたくなりますね。
しかし原材料に「グリーントライプ」を使用し、高温で加熱するようなこともなく、素材の栄養素を極力損なうことのないような配慮などがされている素晴らしいフードです。それに栄養を凝縮したフードだけあって給餌量は他社のフードよりも少なくて済むため、g単価では高額なものの1食の価格として考えれば納得できる価格です。
ジーウィーピークを与えても犬の食費は1食あたりペヤング程度
例えば体重3㎏のトイプードルにジーウィーピークベニソン1㎏(8,716円)を与えるとすれば1日の給餌量41gですから1日2食と考えてみると1食あたりの金額は179円です。人間の食事で比較すればペヤングソース焼きそばが170円(希望小売価格)ですから、愛犬の健康寿命を考えるなら超リーズナブルな気がします。
これを1ヶ月で考えると179円×2×30日ですから1ヶ月の食費は10,200円となります。
桁が2つ上がったせいか1ヶ月単位で考えるとずいぶん高額な気がします。他のフードの価格と比較する限りでは2倍~3倍近い開きがありますから犬の食費としては一般的ではないようです。
犬の食費はいくら?適正価格を考えてみた
フードの相談は多くの方からされますが、おやつは食べるけどフードを食べないという悩みを聞きますので、形状からしてもジャーキーにしか見えないジーウィーピークを勧めてはみるのですが、やはり価格がネックになるようです。
そんな高い餌はあげられない!
と言われ未だに販売に至ったことはありません。
しつけでは擬人化することで問題が発生しますとお話ししましたが、そうした方でも飼育費用では犬は犬と考えているようです。それでも多くの飼い主はできるだけ犬に良いものをとお考えでしょうが、果たして1食の金額の適正価格はいったいいくらなのでしょうか?
ロイヤルカナンのコスパを検証!犬の1ヶ月の食費はいくら?
というわけでいつものように店頭で最も販売実績のあるロイヤルカナンと比較してみましょう。
ジーウィーピーク同様に3㎏のトイプードルで考えるとプードル成犬用1.5㎏(2,797円)を与えると1日の給餌量は52gですから1食あたりは49円で1ヶ月では49円×2×30日で2,940円です。
ロイヤルカナンをプードルに与えると1食49円なんですね。気の毒に思えるほど安く感じます。
この結果から考えると犬に手作り食を与えるとなるとどれほどのコストパフォーマンスを発揮してくれるのでしょうか・・・
[ad#co-1]犬の手作りご飯のコストパフォーマンスはいかほどの物か?
犬の手作り食を考えるとミネラル分の不足が問題になりますが、そこでの不足分はサプリメントで補うとしても、タンパク質を何で補うかでコストパフォーマンスは大きく変わります。そもそも生の食材ではそのほとんどが水分になりますから、必要な栄養素を補完するとなるとかなりのコストが掛かりますし、食事量も増えてしまいます。
コストパフォーマンスに調理の時間や光熱費を含めれば1食あたりの金額は格段に上がりますが、だからと言って食材を調理せずに与えれば肉のみの食事だとしても、ペットの犬は生食に慣れていませんので消化不良や細菌感染の心配も出てきます。食材を生で与えれば消化にエネルギーを使うことにもなりますし、栄養バランスも考えなければいけませんので、穀物や野菜を与える必要性からしても加熱調理することになります。
とりあえず今回は光熱費とかかった時間は抜きにして考えてみましょう。
先ほどのとおり3㎏のトイプードルで考えてみると、必要なたんぱく質量は7.5gでカロリーは288kcalです。細かい栄養価を考えるとカロリーが足りなくなるかたんぱく質量や脂質が多くなってしまいますが、今回はレシピを考える企画ではないのでレシピは他サイトから拝借しましょう。
犬の手作りご飯 わんポトフ
というわけで上記のレシピを参考に金額を計算してみます。ちなみに食材の金額は西友のネットスーパーの価格を参考にしています。
にんじん 20g 6.7円(1本200g 67円)
だいこん 90g 18.7円(1本900g 187円)
ブロッコリー(芯と房) 50g 65.6円(1個150g 197円)
豚肉(赤身) 50g 58.5円 (100g 117円)合計金額 149.5円
金額的にはジーウィーピークを与えるよりも安く済みましたが、その価格差は29.5円です。
食材は人間と共通ですから無駄にもならず、残り物の食材と考えればコストは気にするほどの物ではありませんが、栄養学的な面ではもう少し工夫する必要がありそうです。
犬のご飯を手作りにした時の栄養的な問題はここにある
ジーウィーピークのようなコンセプトで自ら調理をするにしても「グリーントライプ」を調達することがまず不可能だと思いますし、犬1頭の為に人間が好んで食べるもの以外の食材を買い揃えるとなるとなかなか難しい話になりそうです。
最小単位で購入すればまとめ買いよりも単価は上がってしまうでしょうし、1食で犬に必要な栄養素を補完するとなるとミネラル分の調整が難しくなります。
以前にも亜鉛不足の話をしましたが
ミネラル分ではカルシウムも不足しがちな栄養素です。なんといっても犬のカルシウム要求量は体重当たり120㎎以上。成人男性の12㎎に比べれば実に10倍という数値です。
食事のみで摂取するのはほぼ不可能です。犬が骨をかじっているイメージはここからきているのかもしれません。
結局栄養補完の点から見ても、食材のみの組み合わせではカロリー要求量と栄養素のバランスは取れず、サプリメントに頼らざるを得ません。
そうなるとさらにコストや手間がかかりますので、比較すればドッグフードという物は優れているように思えます。
まとめ
手作り食とドッグフード、コスト面からみれば圧倒的にドッグフードに軍配が上がりますが、安全性という点では手作り食の方が優れていますね。
栄養素という点でなく、乳酸菌や水分が摂取できる点などもメリットに挙げられます。人間が食べる食材の残りをうまく組み合わせて使用すればコストや手間もそう掛かりませんしね。
こうして考えればどちらも一長一短がありますから、結局大切なのは犬を思う気持ちでしかないのでしょう。
最良のドッグフードを探し求めるのも、手間暇かけて作り与えるのも、犬を思う気持ちがあればこそですから、きっと犬は幸せなはずです。
本日もお付き合い頂きありがとうございました。
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