ペット屋の息子です。
ダックスフントを飼育している方はかなり多いと思いますが、皮膚トラブルで困っていませんか?
トリミングに来るダックスの半数近くが皮膚に何かしらの疾患や症状が出ています。
見ているだけでもつらそうなこの症状を何とかしてあげたいと思うなら聞いてほしいことがあります。
もしかしたら老化現象とあきらめているのかもしれませんが、適切なケアをすれば皮膚に出る症状のほとんどは改善が可能だからです。
というわけで本日はダックスフントの皮膚病についてお話ししたいと思います。
ダックスの皮膚病の原因は繁殖が問題なのだろう
ダックスフントが抱える健康トラブルの原因はやはり繁殖の問題があげられます。
先日スピッツの話を少ししましたが、犬種の欠点が問題となり人気が衰退していきました。しかしそれは人間が作り出した欠点でもあります。もっともこの場合は性格面での話ですからしつけでの苦労が増えるくらいで、そこまで健康を損なう恐れがあるわけではありません。
近年のペットブームの火付け役と言っても良い犬種ダックスフントのブームは1999年~2007年に起こりました。スピッツの流行時よりも飼育環境やフードの品質も向上しています。しかし犬の健康を管理する為の意識や知識はそれほど変化がなかったのかもしれません。
現在飼育されているダックスの3割近くは、ブームの際に迎え入れた犬に当たりますが、そうなると若くても10歳前後ということになります。当然老化に伴い様々な変化が起こりますからそうした要因も無関係ではありません。ちょっとした色素沈着などは自然におこるものです。ただ、炎症やかゆみを伴うふけや湿疹などは別の原因と考えるべきでしょう。
犬の健康は人の意識と正しい血統管理で守られる
ここ数年でスマホの普及とともにインターネットで様々な情報を閲覧する機会が極端に増えたので、繁殖に関する知識を持った方も多くいますがダックスのブームが始まった頃はペットショップで犬を購入することが一般的で、専門ブリーダーは身近な存在ではありませんでした。
逆に言えばダックスの健康問題が、血統管理や繁殖について見直される機会になった気もします。
当時はJKCでもDNA登録は行われていませんでしたし(2003年9月から実施された)正しい知識を持ってのインブリードやラインブリードが行われていたとは言い難い犬舎もありました。そうした状況で産まれた子犬が、一般の飼い主では犬質や将来性の判断ができない月齢の内にペットショップで販売され過程へと巣立っていったのです。
これはダックスフントに限ったことではありません。ティーカッププードルの繁殖に関しても同じようなことが言えますから、時代が変わっても人間の意識はそう変わるものではないということでしょう。
優秀なブリーダーの飼育管理は犬の健康寿命を延ばす
ダックスではブームが長く続いたのも問題を大きくする原因だったのかもしれません。
犬質の良い犬を産みだそうとするブリーダーであれば、先天的な疾患が出ないような血統管理を心掛けることはもちろんですが、衛生管理や栄養管理、運動環境などにも気を使っていますから、必然的に良質な血統であれば犬の質も高くなるのは当然です。
先日の
でも話しましたが、交配して産まれるまでの63日間は胎児は母親の栄養のみで成長します。体内で育っている間は母親の臓器のようなものですから。
成長に必要な栄養が供給されるかは健康と無関係ではありません。母親が健康であることも重要です。母親が摂取した栄養をしっかりと吸収できなければ、お腹の中の子供は成長が阻害されることになりますから。
優秀なブリーダーで産まれた犬の方が健康寿命が長いことは事実でしょう。
ダックスの皮膚病は食事と腸内環境で防げ!
そしてなんといっても哺乳動物である犬は出産まで腸内細菌を持っていません。産道から産まれ母乳から得ることで腸内細菌叢を形成します。
となれば劣悪な環境で育った犬の腸内細菌叢は良いわけもなく、成長に必要な栄養環境が整っていなければ栄養吸収率が良くない犬に育つ可能性は高いでしょう。ドッグフードを主食にしている犬はただでさえ腸内細菌を得る機会が少ないのですから。
消化管に問題があればいくら良い食生活を心掛けても全てを栄養に変えることはできません。だからと言ってその問題をなかったことにはできませんから、結局迎え入れた後の栄養管理を徹底するしかありません。
多くのドッグフードの欠点である栄養損失をどう補うか
そしてそれが正しい結果に繋がっているかを確認する必要があります。
ダックスフントだから考えられる皮膚病の原因4つ
またダックスフントは性格的にも問題を抱えている個体が多くいます。
を読み頂ければお分かりになると思いますが、データから見てもそれは事実です。そしてその性格がストレスを生み出し体に良くない影響を与えてしまいます。社会化期の過ごし方を後悔しても仕方がありませんから、飼育環境や関係性の改善を図ることで余計なストレスを与えないことも健康維持には大切です。
1、ダックスの皮膚病はストレスが原因でもある
ストレスと胃腸の関係は人間でも証明されていますし、胃腸が健全でなければ皮膚に問題が発生することも当然です。
攻撃性を抑制する幸せホルモンは脳と腸で作られます↓
人間が衣服をファッションとして考えるようになったことで、トリミングの意味も勘違いしている方が増えたのかもしれません。犬にとって被毛は寒さや暑さ、汚れを防ぎ、傷を負うことことから体を守ることが一番の役目です。
人間の服は繊維でできていますが、犬の服である皮膚・被毛は摂取したアミノ酸で合成したタンパク質で出来ています。内臓が消化して分解したタンパク質を吸収して合成して作られるものですから栄養と腸の健康が維持できて初めて健康的な皮膚や被毛が作られるのです。
夏になれば暑そうだからとサマーカットなどを行うことで逆に犬に負担をかけることになります。
2、ダックスの皮膚病は免疫系の問題が関与している可能性も
皮膚トラブルが多発する理由の原因ははっきりと言えませんが、免疫系の問題が関与しているように思えます。
研究結果のデータでないので自信を持って言えませんが、動物病院の獣医師や製薬会社の獣医師からワクチン接種後も抗体価の数値が低いと聞きました。
飼育頭数が多いからなのかもしれませんが、ワクチンアレルギーを発症した犬を調べたところ、85頭中31頭がミニチュア・ダックスフンドだったとの報告もあります。
免疫抗体の数値が低ければ様々な細菌やウィルスに侵されやすいと言えますから、そうした影響で皮膚トラブルが起きやすいとも言えます。
3、ダックスの皮膚病はホルモンバランスが引き起こす?
ホルモンの分泌も無関係とは言えないようです。
去勢や避妊手術の影響で被毛に変化が起こるのは圧倒的にダックスフントが多いからです。因果関係は認められないという専門家も居ますが、手術後に被毛が変化する犬を多く見てきましたから間違いないでしょう。なぜダックスに限りこれほど影響が大きいのかはわかりませんが、甲状腺機能が低下することで起こるのではないかと思います。
被毛にこれほどの変化があるのですから皮膚にも影響がないとは考えにくいので避妊や去勢はやはりケースバイケースです。特にダックスは慎重にならざるを得ないと思います。
と話が脱線しましたが、去勢や避妊手術が及ぼす影響が皮膚や被毛にみられるということは、内臓機能やホルモン分泌などの変化が他犬種より皮膚に症状として出やすい犬種と考えていいものかと思います。あくまで経験則ですが。
4、ダックスの皮膚病と割れやすい爪は無関係ではない
後は何故かダックスは爪が割れやすい犬が多く、ドイツ在住の著名な獣医師もそれは認めています。
となると繁殖の問題ということは考えにくいので、犬種の問題と言えるでしょう。遺伝子の問題か体型の問題か、はたまたその両方か。
爪の構成要素は皮膚同様にケラチンです。多少組成に違いはありますが爪が割れやすいということは皮膚トラブルが起きやすいと考えても間違いではないような気もします。
まとめ
とまあ医学的に証明されていない話しばかりでしたが、ダックスの皮膚トラブルが多いのは事実ですから、いろんな原因が考えられるのでできる限りの改善をしようということです。根拠のないでたらめとしてもストレスをため込まないようにして、健康の為には食生活を正しいものにすることは人間も動物もかわりありません。
以前
のまとめで
高い餌はあげられない
といった方の犬もダックスでしたが、自分が犬であったならそんな飼い主には飼われたくないなと思ってしまいました。ほんとに何のために犬を飼うのでしょうか。不思議です。
せっかく縁があったんだからお互いにとって最後まで幸せな時間を過ごしてほしいものです。
その為の協力は惜しみません。
本日もお付き合い頂きありがとうございました。
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