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ティーカッププードルや豆柴を飼いたい人に聞いてほしい体重と骨の話

勝手な考察

ペット屋の息子です。

今日は犬の体重の話の続きです。限定するわけではありませんが、豆柴やプードルを飼おうという方にはぜひ読んで欲しい話です。

チワワ、ヨークシャーテリア、ポメラニアンなどの超小型犬にも言えることですので、体重の事について考え直す機会になれば幸いです。

体重の話はものすごく奥が深く、どうしても栄養学が絡んでくるので説明が難しく話が長くなってしまいます。おまけに犬種毎で体の構成要素が結構変わってきます。

僕自身わからないことも多いので、理解して頂ける話ができる自信がありません。なので今回は基本的な事だけをざっくりお話したいと思います。

とりあえず、これから犬を飼おうという方はなんとなくでも覚えておいてください。
すでに犬を飼っている方は気になったら専門家に相談して下さい。

犬の体重は構成要素の比率が重要です

犬の体重でサイズを判断することはできませんから、体重が軽い子犬が欲しいという方を一人でも無くしていきたいので、まずは犬の体重の構成要素についてご説明します

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の中でも、体重のほとんどは水分と話しましたが、実際はもっと複雑です。
主な構成要素に分けると動物の身体は

臓器、骨、筋肉、脂肪と血液(体液)

に分けられます。
これは人間も同様ですので、自分に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。
以上の構成要素の割合と体重の関係は、健康に大きく関わってきます。

皆さんがダイエットで気にする体重を変化させる要因は筋肉と脂肪で、臓器や骨の重さが軽くなったり重くなったりすることは、病気以外ではまずありえません。
もちろん脂肪や筋肉量の比率も適正比から大きく外れれば、病気と言っても過言ではありません。
さらに言えばそれぞれの比重も違います。

内臓に関しては臓器によって重さが異なりますので今回は割愛させて頂きますが、骨や筋肉、脂肪などは部位が変わってもそれ自体の構成要素は同じなので以下のようになります。

骨  2.01
筋肉 1.08
脂肪 0.92

筋肉や骨は水よりも重たいので体脂肪率が低い人が水に沈むのはこういった理由からです。

構成比でみても

骨  15~25%
筋肉 25~35%
体脂肪率25~35%

となりますので、比重を考えると骨と脂肪の重さはほぼ同等です。

犬は動物の中でもバラエティに富んでいて、同一種の中では最も体重差がある動物です(1.5㎏~80㎏)
サイズの違いだけではなく使役用途や環境で体の構成要素も変わってきますから、体脂肪や骨量の適正値は断言できませんが、少なくとも骨量があり筋肉量が豊富な犬が悪いとは思えません。

つまり体重を構成する要素で土台や基礎となる骨量や密度は健康を考える上で重要なポイントです。

犬の体重の構成比は成長期の栄養管理で変わる

前述の骨の比重は健康体の場合の数値ですので、成長期の栄養管理で変わることがあります。

ペーパーボーンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これはポメラニアンに多いと言われる骨の病気ですが、必須栄養素の欠如から骨皮質(緻密骨質)の発育不全が起こり骨皮質が薄くなった状態の事を言います。
遺伝的な要素も関わっているとも言われますが、先天的な問題だけでなく後天的な要素も、骨の形成に大きな影響を及ぼします。
犬の身体部位は成長段階の時期が違い、骨→筋肉→脂肪の順に成長して行くと言われていますが、骨の発達は生後2ヶ月までで成長のピークを迎えます。
その後に筋肉の発育のピークと同時に脂肪細胞の増殖期が訪れます。

つまり子犬たちがペットショップの店頭に並ぶ頃には、筋肉や脂肪の重さよりも骨量に富んでいるはずですから、サイズよりも重量があってしかるべきです。

離乳は生後3週間~1ヶ月に行われますが、この頃の栄養の不足がペーパーボーンを引き起こす最大の要因とも言えます。
サイズにこだわるあまり栄養を制限すれば、基礎である骨の発育不全が起こり、筋肉も付きにくくやせ細った犬になる可能性もあります。
健康や寿命と引き換えに得た体重の軽さに何のメリットがあるのでしょう。
こういった理由からも決して体重が軽い個体を選ぶべきではありません。

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犬の体における骨の重要性

骨は身体を支え臓器を守る重要な役割を担いながら、カルシウムの貯蔵庫でもあり、造血器でもあります。
犬の健康を支えるうえで骨が健全な成長は必須とも言えます。骨の成長期でもある授乳期~生後2か月の期間に、サイズを小さいまま保とうと栄養を制限するのは愚の骨頂です。

身体を支えるという点だけみても骨の健康が損なわれることで与える影響は計り知れません。

 犬の骨の強度不足からくる内臓機能の低下

姿勢を保つ上での強度はもちろん、筋肉の収縮を支えなければ生命活動にも支障が出ます。筋肉が正常に活動できなければ血流が滞りコリが発生します。これも人間同様ですがコリが体の歪みを作り、さらに姿勢が悪くなってしまいます。

骨格の形成が不健全で、正しい姿勢を保てなくなれば内臓機能が正常に機能せず、健康が損なわれ寿命にも影響を及ぼすでしょう。

背骨からお腹を覆う肋骨のかごの中に収められた内臓は、四本の脚で地面を支え正しい姿勢で立つことで正常に機能するように出来ています。骨格形成に問題があり歪みが出来てしまうと、姿勢を支えるための筋肉も育たず、座ったり寝たりする時間が増えてきます。そうした姿勢はさらに内臓機能を低下させます。

 犬の姿勢の変化で病気のリスクが高まる理由

人間でも1時間座ったままでいると寿命が縮みます。
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直立姿勢と座っている姿勢や寝ている姿勢を比べると、重力のかかる方向には違いがあります。歪みが習慣化すれば癖となり、偏った姿勢が続くことで内臓を圧迫します。
人間の骨盤の歪みが便秘や冷え性、腰痛、神経痛などの体の不調を生みだすのと同様に犬も健康を損なっていきます。

子犬の時にすでにそうした健康被害の片鱗が見えれば、成犬に育つまでにかかった時間と同じだけ病気のリスクが高まっていくと考えて下さい。

身体の大きさは野生を生き抜く上では最大の武器とも言えます。過酷な環境下で生き抜くための闘争や逃走に、強靭な体と体力は必要不可欠です。

しかし犬は1万年も前に家畜化した動物で、人間の手が加わり多種多様な種類が創りだされました。現在ではそうしたサイズの優位性を必要としなくなっています。

超小型犬であれば、飼う上での不便を感じるほどのサイズに育つことはありません。自己満足の小ささを追求するのをやめ、健康で長寿でいられるようしっかりとした栄養管理を心掛けましょう。健全な骨の太さに重量・密度がそれを可能にします。

まとめ

体重や骨の事は犬を飼っている方に意識して欲しい事ですが、それ以上にトリマーに理解して頂きたい事でもあります。
定期的なトリミングの機会があって健康状態の変化に気付くことができれば、犬はもちろんですが飼い主にも余計な負担をかけさせなくて済みますから。

動物病院でワクチン接種や診察の際には必ずと言っていいほど体重を計りますし触診もしますが、全ての獣医師が骨や筋肉量、脂肪のバランスを正しく確認しているようには思えません。
単に体重のみで減量や増量の話をしているとは言いませんが、病院ごとに言うことが違うという話も聞いたりします。

一つだけ言えることは、犬や猫を飼う上で栄養管理は最も大事なことです。少しでも飼い主の皆様が栄養学について興味をお持ち頂ければ幸いです。
愛犬・愛猫の健康を守るのは飼い主の考え方で大きく変わるのですから。


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