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犬の皮膚病がなぜ夏に多いのか?3つの原因と対策についての話

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ペット屋の息子です。

夏になると皮膚病で苦しむ犬がかなり多くなります。
犬の皮膚病と言っても原因や症状は様々ですからそれぞれに合った対策や治療を考えなければ完治は難しいでしょう。

本来それは動物病院の役目ですが、原因を知ることで予防対策につながると思いますし、軽度な症状の内に気が付けば自宅でのケアで充分対応できるはずです。

もちろん予防の為には栄養管理も大切です。皮膚の状態で不足しがちな栄養素が見えてくることもありますから、犬の健康を第一に考えて食事を与えて下さい。皮膚病の治療には食事も大切ですから。

特にこの時期はアトピー性皮膚炎などの症状がひどくなることがありますが、そうでなくとも夏場は皮膚トラブルが多い時期でもあります。

まずは考えられる3つの原因を挙げてみましょう。

夏は犬にとって皮膚病の季節!原因を理解し予防対策をしましょう!

かゆみがあったりなかったり、脱毛が見られたり見られなかったり、湿疹や炎症なども原因によって差が見られます。
特に夏は1年で最も皮膚トラブルが起きやすい時期でもありますから、この時期の皮膚病の原因になりやすい3つの理由を知りしっかりと対策を行ってください。

皮膚に負ったダメージは気が付いた時には結構深刻で毛が抜け落ちてしまったりひどい炎症などになれば回復までに相当な時間が掛かります。適切な栄養管理と衛生管理で予防に努めましょう。

1、犬は人よりも高温多湿に弱く皮膚トラブルが起きやすい!

 

犬が弱いというか人間が異常に暑さに強い動物なだけですが。

日本の四季に対応できる犬は残念ながら居ないようです。日本犬でも夏は皮膚病のリスクが高まります。ここ数年で夏の気温は異常なほど上昇しています。加えて湿度が高い日本の夏は動物にとって不快どころの話ではありません。

人間は発汗機能や衣服を着替えることで夏の環境に適応することができますが、呼吸のみで体温を下げるしかない犬にとって、夏という時期に健康を維持することは困難を極める作業でもあります。

犬猫の梅雨対策を考える。食欲不振・体調不良・皮膚病を予防するには?

で詳しく話しましたが犬の皮膚構造の問題のみならず、細菌や寄生虫の活動が活性化する時期ということも原因の1つです。

2、夏の気温や湿度は犬の天敵ノミ・ダニや細菌が繁殖しやすい好条件

犬猫の皮膚疾患の原因となるマラセチアは温度34℃湿度95%以上で異常繁殖する細菌類です。多くの犬猫の原産国のヨーロッパなどの乾燥した地域では症例が少ないかもしれませんが、日本の梅雨~夏を過ごす犬猫の皮膚は繁殖条件がそろってしまいます。

そして冬の寒さを乗り切るために極端に活動制限していた虫たちも、気温の上昇とともに活動を始めます。繁殖の為にも犬や猫に寄生し栄養を得ることが必要となるからです。

フィラリア予防時期はノミダニ予防の時期でもあります。長毛種などでは数が増えるまで寄生に気付かずに症状が悪化してしまうこともありますから注意が必要です。

3、対策必須!夏の紫外線は犬の皮膚疾患の原因になる

症例としては多くありませんが「落葉状天疱瘡」などの自己免疫疾患は紫外線が増悪因子となることが知られています。
夏になると上昇する気温は、地球と太陽の距離が冬よりも近くなるために高くなるのですから、太陽光に含まれる紫外線量も増えることになりますから、紫外線が原因の1つに挙げられる皮膚疾患が夏に多いのは当然の理由です。上記の疾患のみならず紫外線が皮膚に悪影響を及ぼすのは女性なら良くご存知でしょう。

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夏に多い犬の皮膚病の対策を考える

というわけで3つの原因をご理解頂けたのならそれをどう防ぐかですが、これはもう言わなくてもわかりそうなものです。

暑さと湿気に弱い動物ですから、涼しく過ごしやすい環境を飼い主が作ることでほぼ解消されますし、寄生虫や細菌に関しては駆虫薬や予防薬をしっかりと使うことです。あとは皮膚を清潔に保つためにトリミングの頻度や質を高めることも有効です。

紫外線対策は日中外に出さない事でほぼ完結します。熱中症の危険もありますし、焼けたアスファルトが足の裏にもダメージを与えますから、散歩などは日が昇る1時間前、日が落ちた3時間後に行くようにしましょう。特に夜は気温が下がるまでに時間もかかります。

もう一つ言わせて頂きたいのはやはりサマーカットをすることについてです。個人的には4つ目の原因にもなりかねません。

4、犬のサマーカットはデメリットだらけ!皮膚病の原因を作る可能性もあるんです

サマーカットで犬の被毛を極端に刈り込んでしまうことは様々なリスクがあります。特にバリカンでカットすることで皮膚や被毛に相当なダメージを与えることになりますから。

バリカンは高速で歯を左右に振動させ毛を挟み込み切断するという構造ですから摩擦熱でかなりの高温になります。切れ味もハサミほどよくはありませんから人間よりも皮膚が薄くデリケートな犬ではバリカン負けを起こす事が考えられます。

特に年に1度、2度しかカットに来ない犬などは、犬を健康的に維持しようという意識が低い飼い主が多く、犬の体も汚れていて余計に切れ味を鈍くさせますし、栄養面でも食事の重要性に気が付いていないことが多いので安価なフードを選びがちですから皮膚・被毛の状態は元々良くないことがあります。サマーカットをすることで逆に皮膚トラブルの原因を作ることになりますから注意が必要です。

犬は被毛は毛があることで、体温調節をしたり、病原体の侵入を防ぐ事ができます。汚れや太陽光からも身を守っています。

あなたが日焼けを防ぐために日傘をさしたり肌の露出を控えるのなら犬にも同じように配慮してあげて下さい。

まとめ

良く考えればわかる原因と対策ですが、相手が犬となると話が変わってきてしまいます。
特にサマーカットは飼い主が

暑そうで見てられない。かわいそうだから。

という理由で行いますが、結果的に犬にとっては負担でリスクを増やしている行為です。

飼い主にできることは犬の為のサポート位で明らかに機能を損なう部分の毛をカットしたり、犬の持つ機能を活かすための栄養管理や衛生管理をすることです。

それは犬種や年齢、飼育環境によっても変わりますから、犬から学ぶつもりでお互いにとって良い時間を過ごせるようにしていきたいですね。犬を飼う醍醐味や意味はそうした点にあると思います。

本日もお付き合い頂きありがとうございました。


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