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ペットショップからみたペット保険アニコムのメリット、デメリット

ペット保険

ペットショップチロルの息子です。

ペット保険も種類が多くてお困りのようですね。どの保険がいいのか悩んでいる方の為におすすめする立場から各保険会社の保険商品のメリット、デメリットを解説しようと思います。

費用や保証についてはもちろんですが、いざ契約してみたら請求方法や対応病院で不満があったりなんてこともあるかもしれません。同じ保険でも種類や年齢で良し悪しも変わりますので参考になるのではないでしょうか。

とりあえず1回目はアニコム損保についてのお話です。

ペット保険を販売・譲渡する立場から分析

ペット保険も数多くありそれぞれに違った特徴があります。なかなか良くしたもので、どこを取っても素晴らしい!という保険はあり得ません。それぞれの保険にそれぞれのメリットとデメリットがあります。

冒頭でもお話ししましたが、犬種によって疾患のリスクも変わったりしますし、保険も長く継続すれば年齢による保険料の変化も考慮するべきです。ただ最も大事なのはどんな病気やケガでも保険が適用されるというわけではありませんから、それぞれの保険会社の補償内容をしっかりと確認することを忘れてはいけません。

プードルに多いパテラなどは補償対象外という保険もありますし、先天性の病気も保険適用外という事も珍しくありません。

というわけで各社のメリットやデメリット、おすすめのポイントや注意点などをお伝えしたいと思います。

アニコム損保とはどんなペット保険会社なのか

言わずと知れたペット保険業界の先駆者。ペット保険契約者のじつに60%がアニコム損保の保険に加入していることになります。車業界で言うところのトヨタ的存在です。

ペット保険業界で初の損害保険会社化し、2014年には東証1部に上場しました。

保険のみならず様々な事業展開をしていて、動物医療分野の発展のためのアニコム先進医療研究所株式会社や動物病院支援や飼い主への有益な情報提供の為のアニコムパフェ株式会社なども運営しています。

そんなアニコム損保ですが保険商品の内容の特長やメリット・デメリットをあげると以下のようになります。あくまでも個人的な見解ですので異論のある方もいらっしゃるかもしれませんが。

アニコム損保の「どうぶつ健保」の特長

シェアNo, 1の保険会社ですのでこの保険が基準となるのかもしれませんが、アニコム損保は保険料がサイズ区分ではなく犬種ごとに設定されています。他の保険会社はほぼサイズ(体重)で保険料が変わってきますので珍しいタイプの保険と言えます。

犬猫の保険商品の内容は3種類(2017年10月から手術に特化した新たな保険商品が増えました)で以下のような補償内容になっています。

どうぶつ健保ふぁみりぃ70% どうぶつ健保ふぁみりぃ50% どうぶつ健保ぷち(70%)
補償金額上限 補償日数(回数)上限 補償金額上限 補償日数(回数)上限 補償金額上限 補償日数(回数)上限
通院 1日 14,000円 年間 20日 1日 10,000円 年間 20日 通院は補償なし
入院 1日 14,000円 年間 20日
手術 1回 140,000円 年間 2回 1回 100,000円 年間 2回 1回 500,000円 年間 2回

さらにどうぶつ健保ふぁみりぃには賠償責任特約(月払140円、年払1,500円)を付加させる事ができます。※どうぶつ健保ぷちは除く。

家族以外にケガをさせたり物を壊した場合に、1事故3,000円の自己負担金の支払いで1000万円まで補償されます。

アニコム損保の「どうぶつ健保」のメリット

アニコム損保加入のメリットはいくつかありますので細かく解説していきましょう。

アニコム損保は対応病院数が多い!

まず1番に挙げられるのは対応病院がずば抜けて多いことです。※6,147病院(2017年11月現在)

全国の主要な動物病院で窓口清算が受けられるのが大きな強みです。手術などでは高額な支払いになりますのでその場で割引が受けられるのはありがたいですね。しかし10月に始まったどうぶつ健保ぷちでは窓口清算に対応していません。

生体購入時に加入された場合にも最初の1ヶ月100%の補償(限度額20万円、日数(回数)20日)がありますが、その期間は100%といっても窓口清算は不可となっています。これはどの保険会社も共通ですのでデメリットにはなりませんが、アニコムの場合にはぷち以外で保険金請求がLINEで可能な点がメリットに挙げられます。

アニコム損保は保険請求がLINEで可能!

従来の保険請求は指定の用紙に必要事項を記入し、明細書を添付して郵送しなければなりませんでしたが、なんとアニコム損保ではLINEでの請求が可能なんです。

LINE上で請求が完結するので、今までのように診療明細書を送る必要がありません。メールアドレスで送金できる時代ですけど便利になりましたね。

明細書の画像を送付し、傷病名や通院、入院の選択に日時や診療費の入力のみですので、約3分ほどで保険金の請求が済ませられます。

ただし残念なことにこちらもどうぶつ健保ぷちは対応していません。

アニコム損保は慢性疾患にもしっかり対応

慢性疾患に対しての補償が継続して受けられるの点はかなりの高評価ではないでしょうか。

てんかんなどの疾患では継続して投薬治療が必要になりますが、アニコム損保では待機期間の契約後30日以降の疾患であれば、保険を解約しない限り継続して補償を受ける事が可能です。

この辺りの対応は流石に最大手です。「ペットの為の保険」を追及するアニコムならではの素晴らしい対応ですね。

保険はあくまで万が一の時のための物ですから補償内容がしっかりしていないと意味がありません。手術や思わぬ病気などが発症した時に対象外ですでは全くの無意味に感じます。何のために保険に入ったのかわからない!なんてことが無いようにと考えればシェアNo1も納得です。

少額短期保険会社などの他のペット保険会社では補償を打ち切ったり、保険料がかなりの高額になることや契約が更新できなかったりすることもありますので、保険料や保険金だけでなく保険約款などにもしっかりと目を通すべきです。

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保険請求回数が少ないと割引される

保険請求回数が0回なら10%引きで1~5回でも5%割引になります。年間で考えればバカになりません。保険料を払っておいて全く使わない方というのは、保険会社からすればまさにお客様は神様ですと言えるでしょう。

アニコム損保の「どうぶつ健保」のデメリット

良いところもあれば悪いところもあります。

アニコムはペット保険の先駆けですが、設立当社はハッキリ言って補償内容が良すぎました。90%補償や回数制限、日数制限がなかった事で損害率(収入保険料に対する支払った保険金の割合)が経営を圧迫してしまったのです。その結果、現在に至るまでに何度か補償内容等が変更になりました。

その間にもペットを取り巻く環境は少しづつ変化を遂げ、それに合わせるようにいくつかのペット保険の会社が設立され、様々な会社もペット保険を取り扱うようになりました。

比べればそれぞれの会社に違った特徴があります。アニコム損保の保険も比較対象が出来たことによってデメリットと感じる部分も見えてきます。

アニコム損保は保険料が高い

アニコムの保険商品は補償内容は手厚く優れてはいます。ただ動物医療も進んできていますし、迎え入れる犬や猫の素質をしっかりと見極められればお守りと考えるには他社と比較して考えれば保険料は高いと言わざるを得ません。

特にアニコムはサイズではなく犬種ごとにクラス分けされていて保険料が大きく違います。手厚い補償を実現するためにリスクの高い犬では保険料が高くなるのも当然ですが、A,B,C,D,Eの5段階にも分かれているので1歳未満の犬で比較すればEクラスの犬はAクラスの犬よりも63%も割増しになるのです。

Eクラスの犬は日本で飼育されている方はいないような犬ばかりですが、1頭だけ意外に思う犬がいます。

アニコム損保はアメリカンコッカースパニエルにはおすすめできない保険

アメリカンコッカースパニエルを飼っている方ならアニコムのペット保険はおススメできません。

犬種の選び方にもよりますが、ここ数年で飼育環境などもずいぶん良くなってきましたし、犬種の理解も深まってきています。

犬を迎え入れる方も繁殖のことを気にされるようになってきていますし、アメリカンコッカーもペットショップで見かける事もそうない犬ですから、専門犬舎から迎え入れる事が多い犬種と考えても良いと思うので、リスクに対しての保険料が高いと感じます。

今までのデータから算出したクラス分けでしょうが、これからアメリカンコッカーを飼育する方でそれなりに安全性の高い犬を選んだのであれば、ペット保険の加入を検討する上でアニコムのどうぶつ健保ふぁみりぃは選択肢に入れる必要はないでしょう。

アニコム損保には限度額と限度日数がある

前述の通り回数や日数制限に加え限度額も決められています。つまりふぁみりぃの70%に加入していた場合は入院や通院日数が20日を超えるとそこからは全て実費です。

金額にしても14,000円までとなっていますから、請求金額が20,000円以上であれば70%補償と言えどそれ以上は自己負担です。

例を挙げれば通院治療で20,000円掛かったとすれば、70%の補償と考えた際には21,000円の補償なのですが、限度額は14,000円なので自己負担額は30,000円ー14,000円の16,000円。46%の補償となります。

通院では20000円を超える事はありませんが入院ではどうでしょうか。手術費用と合わせて考えれば補償限度額を超える事はありえるでしょう。犬種や選択する犬の素質等では考えた方が良さそうです。

アニコム損保は継続で保険料が割増しになることがある

保険契約期間中の使用状況で、継続後の保険料が割増しになったり割引されたりすることがあります。

全く使わない方なら10%の割引なので前述の通りメリットとして考えても良いかと思いますが、全く使わないとなると保険の意味がないとも言えますので保険自体がデメリットになる気がします。こうなると万が一に備えて保険金を払ったつもりで貯金するのが利口かもしれません。

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保険会社としては、保険料は払ってもらいたくても保険金の支払いはしたくないわけですから、使わない人を優遇して良く使う人からは沢山頂いてしまおうという話です。デメリットになるかならないかは利用状況によって変わりますが、その割合から考えればデメリットと考えた方が良さそうなので取り上げてみました。というのも20~39回で20%、40回以上では50%の増額になります。

ちなみに40回も保険金請求すれば十分元は取れていると思いますから損はないでしょうけどね。ただ他の保険会社ではここまでの増額は聞いたことがありません。

まとめ

アニコム損保は制限や保険料が高額というのがデメリットではありますが、補償内容は手厚く請求方法も簡潔で分かりやすいのでいざという時にはとても頼りになる保険だと思います。流石シェアNo1のペット保険の先駆けです。

しかしどんな犬にも使い勝手が良いかと言えばそうでもありません。幅広い対応で使い勝手が良い分やはり制限がある割に高額と思われるケースもあります。

犬種や飼育環境に家族構成などでも変わりますし、そもそもの犬の素質や管理でも病気のリスクは大きく違います。アニコム損保以外にも様々な保険がありますから犬や飼い主に合った保険に加入する為にしっかりと考えましょう。

次回はシェアNo2のアイペットについてお話ししましょうかね。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

コメント

  1. くーる より:

    はじめまして。最近2歳メスのチワワを動物管理センターから引き取った者です。
    ペットショップから購入され、その後一度も外に出ず狂犬病やワクチン諸々をせず2歳まで育ったチワワです。マイクロチップは挿入されていて誕生日のみわかりました。
    ご飯のこと、サプリのこと、しつけのこと、色々と拝見させていただいてました。
    今まで猫多頭飼いで、病気ではかなりの出費でした。
    今回チワワを飼うことになり、保険をずっと悩んでいました。
    ですので、とても参考になります。この後もありがたく読ませていただきます。
    よろしくお願いします。

    • 牧田 亮介 より:

      くーるさん

      コメントありがとうございます。
      チワワちゃんを保護していただいてありがとうございます。ご相談があればいつでもご連絡下さい。できることがあればご協力致します。

      日本のペット事情を考えると犬や猫にとってはまだまだ改善が必要ですね。ペットショップでの販売も、飼育に掛かる費用やしつけなどの大切さや飼育の負担などの説明が十分でないことが多いようで、飼い主にも犬にも後々不幸な結果になっています。
      飼育のことや食事のことも含めて誤解されていることも少なくありませんからペットショップとしてやるべきことは多いと思い改善や情報発信を続けていきたいと思います。

      まずはサポートプランという譲渡後のアフターケアを含めた里親制度を広めていきたいと思いますのでご協力いただければ嬉しい限りです。
      保険のこともおすすめする立場から見ればどの保険会社にも良いところやもっとこうだったらと思う点もありますので、今後もアイペット、ペット&ファミリー、日本アニマル倶楽部やガーデン少額短期保険などについてもお話ししたいと思います。

      ありがとうございました。

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