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行って良かった!ペットショップで犬の爪を切るとこんなことがわかります

トリミング

ペット屋の息子です。

今日は前回の宣言通り爪切りのお話をしましょう。

犬であれば家庭でもそれほどの苦労なく行うことができる爪切りですが、血が出てしまうと厄介ですね。

犬の爪の中には血管が通っていますが、爪の中の血管はパイプの中を通っているホースの様な物ですので、血管を圧迫して血を止めることが難しいのです。

トリミングを行っているショップやサロン、動物病院には専用の止血剤がありますので、もし家庭で爪を切るのなら用意しておくべきでしょう。

また犬の爪は被毛の色によって黒い爪と白い爪に分かれていますが、黒い爪は血管が外から見えないので深爪をしやすいので注意が必要です。

そう言った理由からも爪切りはショップやサロンをお勧めしますが、爪を切りに行くことで分かることも多くあります。今回はそんなお話。

 犬に爪切りは必要ではなかった

当たり前ですが、そもそも犬には爪切りの習慣はありません。もちろん猫もですが、動物は爪を切ってもらわなくても大丈夫なようにできています。
生活の中で摩耗していくからです。

爪の主成分は繊維タンパク質のケラチンからできています。その点は皮膚と変わりませんが、アミノ酸のシスチンの含有量で変わるようです。硬度を表すのに使われるモース硬度では約2.5度。象牙や琥珀程度と言われています。

砂や埃など身の回りの多くには石英(硬度7)の微細な粉末が含まれていますので、それらが含まれた舗装面を散歩すれば必然的に爪が削れます。伸びて削れての繰り返しです。

もちろん室内犬も散歩に出れば同様に爪が削れます。散歩の時間や距離の目安として考えても良いでしょう。
しかし爪切りが不要なほど散歩する事はそうできる事ではありません。爪の硬度は犬も人間も同じで体格などで変わる事は無く、もちろん小型犬も同様ですから、体重が軽い犬は爪が削れにくいのです。

もちろん生活環境での摩耗も期待できません。滑りやすいフローリングや柔らかいカーペットでは爪が削れる事はありませんから。

 犬の爪切りで散歩の問題点が見えてくる

爪の削れ方や足の裏の状態で見えてくるものがあります。
靴などを履かない犬は爪の削れ方、肉球の形や固さ、擦れ具合などで姿勢や歩き方、性格までもがわかります。
もっとも性格は爪を切るまでもありませんが・・・

例えば運動欲求が強い犬などは散歩に出ると飼い主の制止を聞かずにグイグイと引っ張り、早く前に進もうとします。

そうした犬の中には前足が浮くほどの力を込めて歩く犬もいますから、前肢に比べ後肢の筋肉の発達が見られます。爪も同様に体重のかからない前足の爪は長く、後ろ足の爪は削れて短くなります。
そして人間と同じように親指(内側)に力が入りますので内側の爪の方が削れます。

さらに散歩では道路の脇の茂みや電柱に匂いを嗅ぎに行ったり、探索をしたがります。通常は左手でリードを握り散歩に行くでしょうから左斜め前に進もうとしていることになります。こうした事を繰り返していると左右のバランスも変わってきます。右側ばかりに力が入り、体重の配分に差が出るようになる為、体幹の歪を作り出してしまいます。

犬の爪切りで見えてくる生活環境の問題点

室内飼いの小型犬の多くは散歩の時間や距離、体重の問題から爪が削れにくいことは話しましたが、そうした犬の多くは、伸びた爪がさらに歩きにくさを増し姿勢にも乱れが見て取れます。

犬の後肢は踵が地面についておらず、常につま先立ちの状態です。

足をできるだけ長く使うことで、獲物を狩る際に早く長い距離を走れる上に、素早い方向転換も可能になりようになりました。闘争や逃走の為の準備姿勢としても理にかなっています。しかしこの姿勢は滑りやすい硬い地面では保持することは難しいのです。

犬の爪の形状が室内飼育には不向きな理由

滑りやすいフローリングなどで生活する室内犬は、体の姿勢を保つ為に指を広げて接地面積を広くしようとします。先日のトイプードルのヘアカタログの犬たち同様に、後ろ足が伸びきらず直立しがちです。

こういった立ち方になると背中が曲がり椎間板ヘルニアの原因を作りやすくもなりますが、膝蓋骨の脱臼の可能性も高くなります。また滑りやすい環境では、同じ距離や時間を歩いたとしても筋肉は育ちにくいのです。

手を開いてみればわかりますが、こうした状態では手首から肘までの筋肉(長母指屈筋・深指屈筋)は緩んでいます。
しかし手を握るとこうした筋肉は固くなります。指に力が入れば自然と筋肉は使われるのです。

また足が地面から離れる際も、最後まで床についている親指が滑りつま先が外に向くようになります。こうした歩き方が習慣化すると、普段の立ち姿もつま先が外に向くようになり、膝も開きがちになります。がに股やO脚になるのです。

滑りやすい生活環境では犬の姿勢はけして良くなりません。

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犬の爪切りで栄養状態もわかる

前述にあったように犬の爪はケラチンというたんぱく質で出来ています。もちろん犬だけではありません。動物全てです。身体は全て食べ物で創られています。

犬が拒食になったり栄養のないフードを摂取していると爪の状態は悪くなります。爪は末端組織ですから栄養が届きにくく、栄養状態が現れやすいのです。

質の悪いフードは主原料がトウモロコシなどの穀物ベースです。たんぱく質の数値や吸収率が低く、皮膚や被毛・爪などの形成に影響が出ますから、爪を切るとはっきりわかります。

健康な爪であれば、しっかりと硬く粘りがあり、切った断面の切り口もきれいです。しかし栄養不足で不健康な爪はバチンと切れずにボロボロと崩れてしまいます。

質の良いたんぱく質とビタミン類が健康な爪を作ります。犬には人間とほぼ同じで、必須アミノ酸や必須脂肪酸が必要なのです。

犬の爪切りでおすすめな物

爪の硬さは人間も犬も同じですが、犬の爪は形状の違いから厚みもあり切りにくい爪です。安物の爪切りでは歯が立たず、すぐに切れなくなってしまいます。ヨーキーやチワワ程度の犬であればそれなりの爪切りでも良いかもしれませんが、それでも20回も使えるかどうか。

当店でも様々な爪切りを試しましたが、やはり多少高くても造りの良い物がおススメです。
廣田工具製作所 ペット用つめ切り ネイルトリマー ZAN はプロトリマーの間でも評価が高く、切れ味が落ちません。むしろバネの方が早く壊れます。しかしバネはホームセンターなどで同じようなものが200円程度で買えますので、直せばかなり長く使うことができます。室内飼いの小型犬であれば一生使えるでしょう。

家庭でのケアなら止血剤もかかせません。クイックストップは多少高額ですが1度に使う量は少ないので、保管にだけ気を付ければこちらも一生ものになると思います。犬仲間とシェアするのも良いでしょう。

犬の爪切りまとめ

爪切りでわかるというよりかは爪の状態を見ればわかる事が多いという事です。実際に犬を見たり触ったりすれば、普段の生活環境やフードの問題点も見えてきますし、シャンプーやカットをすれば皮膚や被毛の状態もさらにわかることがあります。

飼育している犬だけを見ていても、生活している中での変化や、成長や加齢での変化を比べるしかできませんが、多くの犬と触れ合ってきたトリマーなら、比べる対称の犬も多く、経験や知識から様々なアドバイスができるでしょう。
そういったことの為にショップやサロンを利用するべきなのです。

どこからどこまでが健康で、どうなったら動物病院に診察に行くというのは人によって違いますが、健康状態の基準となるベストコンディションをまずは知ることが必要です。

今日のこの話が少しでもお役に立ったのなら幸いです。

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