ペットショップチロルの息子です。
先日お客様から子犬の甘噛みの相談を受けたのですが、子犬をはじめて飼う方はトイレと甘噛みがなかなかしつけられないとお困りのようです。
トイレに関しては教えるというより、覚えられる環境をいかに作るかが大切ですが、甘噛みは飼い主の接し方で問題行動に発展するかどうかが決まるように思います。
本日は子犬の甘噛みについて解説してみたいと思います。
子犬がなぜ甘噛みをするのかを知ればコントロールするのは簡単
甘噛みをやめさせることは実はそんなに難しいことではありませんが、まずは子犬がなぜ甘噛みをするかを理解しましょう。そうでなければ甘噛みをやめさせることに成功してもそれ以上に問題となる行動に出るようになるかもしれないからです。
相手は犬ですが動物ですから意志や感情が無いわけではありません。どんな行動にも何かしらの理由があります。まずはどうして子犬が甘噛みをするのかを考えお互いに負担にならないようにコントロールしましょう。
子犬の甘噛みには4つの意味がある
犬でも人間の子供でも、誰に教わるでもなくいろんなことをするようになることがありますがそれにはちゃんとした意味があります。
甘噛みに関してもちゃんとした意味がありますし、対象や状況によって甘噛みをする理由は変わってきます。下記にいくつか例を挙げてみましょう。
子犬の歯が乳歯から永久歯に生え変わる時期でかゆい
人間同様に犬も乳歯から永久歯に生え変わる時期があります。小型犬では3ヶ月くらいから乳歯が抜け始めますが、体のサイズが大きくなるほど始まりは遅く時間がかかりますが、犬種によっての差もあります。
甘噛みは歯の生え変わりにはとても大切な行動です。甘噛みを制限すると乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。
叱ることでストレスの原因になることもありますので、噛んで良い物を与えて乳歯が残らず抜けるように、子犬がストレスをため込まないように注意しましょう。
子犬の甘噛みは欲求の解消やエネルギーを発散するための行為
ストレスが溜まって甘噛みをするという方もいますが、ストレスからの噛むという行為であれば甘噛みでは済まないでしょう。
犬の狩猟本能から噛むという行動に出ることがありますがこれは遊びの一環です。狩りの練習やエネルギーの発散、欲求の解消からの行為です。この時にその対象をうまく制限してやれば問題行動となるようなことはありません。
犬はもともと狩りをすることで獲物を捕食し生きてきましたから、犬種に関わらず噛むという行動は食事以外でも見られます。
またコーギーは牛の踵に噛みついて群れをコントロールする犬ですので咬傷目的での噛みではない甘噛みを行います。
子犬の甘噛みは呼びかけやコミュニケーションの意味がある
コーギーの子犬でなくともよくあるのがズボンのすそや靴下を噛まれるというものです。
これは構ってほしいという呼びかけの意味が強く、人が立って行動していれば子犬の顔の位置にあるのは足になりますから、噛みつくことでコミュニケーションを取りたいという意志を示しているのです。動くものに対して狩猟本能が刺激されて噛みつくということもあるでしょう。
子犬の甘噛みは成長のための学習行為
人のように手を使って掴むことができない犬は口でそれを行います。口を使って噛むことで様々なことがわかります。動物にとっては
生きることは食べることです。
そのために獲物を狩るように進化してきました。そして家畜化して肉食動物に無い消化能力を手に入れました。
大きさや硬さ、害があるものなのか、生物なのか、食べられるものなのか
そうやって知らないものを知り、生きていく上での不安や心配を無くし脅威となる対象かどうかを理解していきます。
子犬の甘噛みを直すための3つのコツとは?
人の目には問題行動と映る甘噛みにもこれだけの意味がありますから簡単にやめさせるわけにはいきません。甘噛みを直すには噛んでで良いものを与えるのが一番でしょう。他にも気を付けるとしたら刺激をしないことや接し方を変えることが必要です。
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子犬の甘噛み対策にオモチャやガムを与える
噛ませないわけにはいきませんので噛んで良いものを与えましょう。子犬にとってどんなおもちゃが良いかは以前の
をご覧下さい。
好みもありますのでゴム製のおもちゃやひづめも好まないことがあります。また犬によってはひづめなどは硬すぎて歯が削れてしまったり折れることがありますので注意しましょう。
甘噛みの理由で話したように様々な硬さや形の物を与えることで学習の機会にもなります。飼い主が一緒になって遊べるおもちゃなどもしつけに利用することでより知能が発達することも考えられます。
同じ目線で接することで甘噛みを防ぐ
人間は二足歩行で生活する事ができる唯一の動物ですから犬とは目線の高さが違います。ましてや子犬では顔の位置は低くくるぶしかふくらはぎあたりです。飼い主と遊びたいと思ったり動くものに反応して足を噛んでしまうのは仕方が無いことです。
しゃがんだり寝ながら相手をすれば顔と顔が近づくのでわざわざ足を噛むことはしないはずです。
甘噛みする子犬を抱くときはおもちゃを準備してから
甘噛みする犬は欲求を解消したい気持ちや好奇心旺盛で遊びたい気持ちが強いので、抱くという拘束された状態でじっとしていることが苦手です。体を捕まえられて動けなければ自由になる口で何かを噛もうとするのは犬からすれば自然な行動です。
その時に飼い主がひるんだりいいリアクションを取ってしまうと子犬の行動はエスカレートすることがあります。
手を噛もうとしてきたらすかさずおもちゃを噛ませるように口元に差し出しましょう。
子犬を抱くときは刺激しないようにゆっくりと動く
犬という立場からすれば人の手は身体の大きさや身体能力から考えても素早く複雑に動きます。
犬、特に狩猟犬にとっては本能的に噛みつきたくなるものなのかもしれません。犬に触れたり抱くときはなるべくゆっくりと動かし視界に入らないように工夫してみて下さい。
甘噛みは行動を制限されることへの抵抗を示す意味での意思表示とも考えられます。抱くという行為は犬にとっては不自然極まりない行為でもあります。母犬は子犬を抱くことはできません。好奇心旺盛な時期にそうした姿勢を取らされることへの反抗の意味もあるのだと思います。
なるべく正面から手を出すのではなく大きくハグをするように背後から手をまわしゆっくりとした動きでもしっかりと犬に触れることから始めましょう。掴むのではなく触れるということがポイントです。
手という存在を嫌な物と意識させないように、まずは触れることに慣らしてから抱くに移行するまでに時間をかけてみて下さい。優しくなでるのに犬が抵抗しなくなるまでは押さえつけてはいけません。
子犬の甘噛みにはしっかりと対処しよう
前にも言いましたが犬が起こす行動を問題行動と判断するのは人間の価値基準ですから、犬にそれを理解させてやめさせるのは難しいでしょう。甘噛みさせないことで別の問題が出てきます。
欲求が解消できないことで吠えるようになったり。
乳歯が抜けずに残ってしまうことで永久歯の生え方がおかしくなったり。
無理に止めさせることで飼い主との信頼関係にも良くない変化が起こるかもしれません。
子犬がなぜ甘噛みをするのか。
それをよく考え観察し、犬の考えや気持ちを理解すれば少なくとも噛んでほしくない物を噛まれないようにはできると思います。
習慣化させなければ長く続くこともありませんが、しっかりと対策や対処をしなければ習慣化したり自分が強い立場にいると誤解させることになるでしょう。
まとめ
甘噛みは子犬にとって成長する上で必要な行為です。飼い主がその欲求や好奇心をうまく利用することでコミュニケーションを覚えたり、大きなけがや事故を防ぐために学習する機会にもなります。
飼い主にとっても良い機会になるようにしっかりとその行動の理由に目を向け子犬の気持ちを理解するために努力して下さい。
家族の気持ちを無視しては教育と呼べません。方法だけを調べて実践することはけしてしないようにお願いします。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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