ペット屋の息子です。
昨日に引き続き本日も、猫の皮膚病でお悩みの方の為に原因や治療、対策の話です。
犬よりも可能性は低いとはいえ皮膚病の原因がアレルギーということも考えられます。
猫の場合は発症してしまうと厄介なことがありますが、長く上手く病気と付き合いながら完治を目指しましょう。「皮膚は内臓を映す鏡」とも言いますから食事に配慮する事で状態が改善する事もあります。軽度のアレルギーであれば避けるのではなく克服できる可能性も。
子猫の皮膚炎はノミやアトピーの可能性も
ペットショップやブリーダーから迎え入れた子猫であればノミダニが寄生していることは考えられませんが、アレルギーやアトピーで皮膚が炎症を起こすことは可能性としては十分になります。
子猫のノミアレルギー性皮膚炎
猫をどこから迎え入れるかでも皮膚炎症の原因がノミアレルギーなのかは大きく変わってきます。
捨てられていた子猫を拾った
近所で産まれた子猫を譲り受けた
そういった事情であれば可能性は十分に考えられます。母猫がいつの間にか妊娠して生まれた子猫でノミが寄生していたとなれば、母猫にノミダニの予防措置は行っていなかったことも考えられますし、そういった飼育環境に居た猫では十分な栄養が摂取できるフードを与えられていた可能性も少ないでしょう。
子猫にノミの寄生が確認できなかったとしてもノミアレルギーの可能性は0ではありません。ノミアレルギーはノミが吸血する際に注入する唾液成分によって反応し炎症が起こります。ノミを駆除しても炎症がすぐに収まるわけではなく脱毛などが見られれば毛が生えそろうまでには相当な時間が掛かります。
子猫のノミアレルギーの症状
症状は主に背中に表れます。腰から尾の付け根にかけて脱毛やかさぶた、皮膚に赤みのあるしこりなどが見られ、激しく痒がるなどの様子が見られたら可能性は高いでしょう。
子猫のノミアレルギーの治療
ノミの寄生が確認できてもできなくても駆除薬の投与は行うべきですが、生後8週齢(56日)をすぎないと使用できません。それ以前の子猫であればノミ取りシャンプーなどで定期的に洗って被害の拡大を防ぎましょう。
皮膚のかゆみや炎症がひどければステロイド剤を使用する事もあります。
子猫のノミアレルギー対策
ノミやダニの予防を1年を通して行う事が有効な対策です。
ホームセンターやドラッグストアなどで販売されている一般薬ではなく動物病院で処方される駆除薬を使いましょう。正しい栄養管理で皮膚の健全性を保つことももちろんですが、完全室内飼いにすることで様々な病気を防げます。
子猫のアトピー性皮膚炎
アレルギーは犬よりも症例は少なく、特にアトピーは猫ではほとんど見られないようです。しかし症例が少ない為、なかなか診断がつかないこともありますので皮膚や被毛の状態はよく観察しておきましょう。
何が原因となるかはそれぞれに違いますが、ダニやホコリなどのハウスダストや花粉を吸いこんだり、それらが皮膚に付着する事で発症します。若い猫に発症例が多く年齢とともに重篤化する傾向にあります。
猫のアトピー性皮膚炎の症状
皮膚の炎症が起こる為、赤みが出ます。同時にひどいかゆみを感じる為掻きむしって症状が悪化する事があります。体中の広い範囲に皮膚のシワやたるみに乾燥、脱毛などの症状が見られます。痒みが強いと猫が舌で患部を舐めてしまうので脱毛の範囲が広がってしまう事があります。
猫のアトピー性皮膚炎の治療
痒みや脱毛の原因となる炎症を抑える治療が最優先になりますので、抗ヒスタミン剤の服用やステロイドを塗布するのが一般的です。アトピー性皮膚炎は完治が難しい為、生涯にわたる治療が必要となることも。
猫はアレルギー疾患の症例が少ない為データが不足しているようです。それもありアレルゲンの特定が難しくなる為、病気の治療は効果を見ながら様々なアプローチが必要になります。
猫のアトピー性皮膚炎の対策
とにかくこまめな掃除をし室内のアレルゲンを排除する事が予防に繋がります。猫のベッドやトイレなどもマメに洗い清潔な状態の維持に務めましょう。幼少期から腸内環境を整える事もアレルギー対策に繋がります。
猫の食物アレルギーの症状
猫のアレルギー症状で最も多いのが食物アレルギーですが食事に含まれるたんぱく質に反応して起こります。
アレルギーは蓄積して発症する症状ですので、フードのローテーションや栄養が偏らない様にすることも大切です。
食物アレルギーでは強いかゆみと共に発疹や脱毛、特に顔周りや首に脱毛や炎症反応が見られます。また皮膚の症状だけでなく、炎症性腸疾患や胃に炎症を起こす事で宇都や下痢がみられる事もあります。
猫の食物アレルギーの治療
フードを与えている場合にはフードのたんぱく源を確認し、それ以外の原料で作られているフードに変更して様子を見ましょう。症状が改善されなければまた別のたんぱく源のフードに変更し症状が出ない物を探します。
腸と皮膚疾患の関係
アレルギーによく似た症状で「食物不耐症」というものがあります。似て非なる病気ですが、同様に皮膚に異常が出る事もある為アレルギーと誤認されやすい病気です。食物不耐症は消化異常、特に消化できないことが原因のため、消化器系に異常が出る事がほとんどですが、腸の炎症が起こることで腸壁が破壊され、タンパク質がアミノ酸に分解されずに血液中に侵入することで免疫異常が起こります。
このことからもタンパク質の分解吸収を行う腸の健康を保つことで皮膚の炎症を防ぐことが出来ると考えられます。
まとめ
子猫にアレルギー症状が見られる場合にはアレルゲンの除去と腸内環境の健全性を維持する事が最も大切です。
春になると猫を拾った方が相談に来ることがありますが、与えるミルクによってもその後の体調は大きく変わります。母猫が子猫を育てる際にも母猫の栄養状態が良くなければ母乳の成分も変わりますから、場合によっては免疫機能が低下する事も考えられます。
腸内細菌の数は子猫のうちのわずかな期間で決まってしまいます。病気に打ち勝つ強い身体を作る為にも早目の「菌活」をお勧めします。
本日もお付き合い頂きありがとうございました。
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