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犬の爪がボロボロするのは栄養不足のサイン!改善のための4つのポイントとは?

投稿日:

ペットショップチロルの息子です。

以前にも犬の爪切りの話をさせていただきましたが
爪の健康状態がいまいち良くないなと思う犬が多いです。

爪の状態が悪い犬は栄養管理に問題があることがほとんど。

爪もタンパク質で出来ていますし
健康状態を知る上で見過ごせない部分でもあります。

犬の健康や長生きを考えれば、爪の状態を確認し
どうするべきかを知っておきましょう。

爪のから見る犬の健康状態と改善方法

トリミングに来た犬の爪の状態が悪いのは
ほとんどの場合は栄養管理の問題です。

食事の目的は身体を作るための栄養摂取ですから
その点で問題があるという結果が見られれば
運動を含めて管理の見直しが必要です。

犬の爪がボロボロするのはタンパク質不足が原因

爪の状態が悪いとなれば一番に考えられるのは
食事中のタンパク質の不足です。

犬の身体のほとんどは食事で得たタンパク質から合成されるアミノ酸で出来ていますから
爪の基となる栄養が不足すれば形が悪くなったり
強度が落ちたりします。

先日トリミングに来た犬の爪にも
タンパク質の不足が原因と思われる症状が見られました。

一見健康そうに見える犬や適正体重を上回った犬でも
栄養不足の症状が身体にみられることはあります。

ドッグフードのタンパク質の不足で犬の爪が空洞化する

時々爪が空洞化した犬がトリミングに来ますが
十分なタンパク質が食事で摂取できなければ
画像の犬の爪のように健康状態は悪くなるでしょう。

犬の爪も人間同様に硬ケラチンで出来ていますが
ケラチンは18種類のアミノ酸の集合体で
もちろんタンパク質の一種です。

主成分のシスチンは必須アミノ酸で食事で摂取するしかありません。

爪の健康状態が悪いということはタンパク質の少ない食事
もしくは摂取したタンパク質が有効利用できない原因があります。

病気などの明らかな異常が無ければ
まずは食事内容の見直しをおすすめします。

ドッグフードの良し悪しはパッケージを見ただけではわからない

ドッグフードの質の良し悪しについては散々お話ししていますが
原材料や成分だけで判断できるものではありません。

タンパク質中のアミノ酸にしても
バランス良く含まれていなければ有効利用出来ません。

タンパク質の成分数値が低いフードはもちろん論外です。

人間同様に糖と脂質が増えれば肥満のリスクは高まりますが
肝心のタンパク質は不足するという状態に陥り
太っているのに栄養不足という
一見すると矛盾した健康状態の身体になってしまいます。

どんなフードを与えているにしても
結果が伴わなければ意味がありません。

見た目には健康的でも爪や皮膚、被毛に問題があれば
そのフードはあなたの犬のためにはならないと言えます。

栄養バランスの整った良質なフードを与えていれば
爪の健康状態が悪くなることはほぼありません。
その時は何かしらの病気の可能性があります。

ただ、栄養摂取だけに気を使っていては犬の健康維持はできませんから
それに見合った運動も必要になります。

犬の健康のためには栄養摂取とそれを消費する運動が必要

 

Belgian Shepherd Dog Running Dog On Beach Malinois

栄養と運動はセットと言っても過言ではありません。
人も犬も生き物である以上
何もしなくとも生きていく上で栄養は消費されるので
食事という方法で栄養を摂取しなければならないのです。

逆に言えば摂取した栄養を正しく使うには
適切な運動が必要とも考えられます。

筋肉や脂肪も燃焼させるという表現が使われますが
食事で得た栄養からエネルギーを作り出すためには
酸素が必要不可欠です。

そうなると犬は人と違い自発的な呼吸はできませんから
正しい栄養摂取と代謝を考えれば運動が必要になります。

つまりいくら栄養を摂取しても酸素吸入量が少なかったり
血液循環が悪ければ栄養は効率よく使えません。

結果的に身体に無駄な栄養だけが溜め込まれ
健康状態は悪くなっていきます。

健康状態を適切に保つには栄養摂取と
それに見合った適切な運動が必要です。

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犬に必要な量の水を飲ませる工夫を

犬の健康を維持する上では水もまた必要不可欠な栄養です。

栄養バランスが整った食事を定期的に摂取できるという点では
ドッグフードは素晴らしい商品なのですが
結局は人の調理した保存食ですから
犬という動物の理想的な食事とは言い切れません。

特にドライフードを与える飼い主が多い現代では
犬の水分摂取量が不足しがちです。

野生の捕食動物は食事から多くの水分を摂取してきたので
もともと水を多く飲む習慣がないのです。

犬種によっても水を飲む飲まないの差はあるようですが
いずれにしても水分摂取量が少ないと
健康を損なうリスクはかなり高くなります。

犬にとって水は重要な栄養素

犬の身体の60%~70%は水分ですから
摂取する水の質や量で健康状態は大きく変わります。

摂取した栄養をエネルギーとして使えば
何か物を燃やした後に灰が残るように
身体の中にも不要な老廃物が産まれます。

エネルギーを生産するとアンモニアが発生しますが
これは身体の中から排出しなければなりません。

各部位でエネルギー生産が行われ発生したアンモニアは
血液に乗って肝臓へ運ばれます。

肝臓ではアンモニアが尿素に変えられて腎臓でろ過され
尿として排泄されるという過程をたどります。

その際に必要となるのが水分です。

血液量も増え循環もスムーズになりますし
代謝やナトリウム濃度などの調整にも水は必要です。

最後に

爪や皮膚、被毛に表れる体調不良のサインが見られたら
早めに対処しましょう。

身体の表面に症状が表れているとなれば
身体の内部ではもっと進行している可能性があります。

特に爪がボロボロと崩れやすくなっていたら
栄養不足はかなり深刻だと考えましょう。

犬は人よりも早く歳を取りますから
失った健康を取り戻すのは難しくなります。

改善ではなく予防を心がけることで
あなたとの今が未来へとつながっていくのです。
言葉ではない犬の訴えを見逃さないように

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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執筆者:


  1. くーる より:

    こんにちは。久しぶりにコメントをさせていただきます。
    ブログもインスタも拝見させていただいてました。

    飲水の事なのですが、我が家のゴールデンもチワワも自ら飲まないのです。
    なのでドライフードに水を足したり、それでも足りないと思うので、牧田さんが苦手な薄めた甘酒やプレーンヨーグルトなど、本当に薄くて味するの?という感じの水分を飲ませています。
    獣医さんからは必要と思えば自分で飲むから、フードに入れる程度でわざわざ飲ませる事はしなくても良いと言われてしまいました。それでも水分が足りない事の方が怖いので飲ませていますが。
    ネットで調べると体重毎に必要な飲水量が書かれていますが、結構多いですよね?我が家は3キロと32キロです。
    ゴールデンの方はだいたいその量を飲ませてますけど、暑がりですし今の時期は普段飲まないのに久しぶりに自分で飲んでみたりで、書かれている量より多く飲んでしまっていたり。なのにオシッコの量が増えるでもなく、こういう時こそ体が欲しているという事なのかなと思ってみたり。盲導犬協会からは2リットルを超えると良くないと言われたり…。
    逆にチワワの方は書かれている量を飲ませると軟便になりますので、その辺はウンチと相談しつつ…です。(以前合うフードの相談をさせていただきましたが、ブルーで落ち着きそうです)
    ちなみに…3キロチワワは120〜140cc。32キロゴールデンは2000cc程飲ませています。季節によって量も変えた方がいいのでしょうね…。本人(犬)に任せるのが一番だとも言われると迷いますね。

    • 牧田 亮介 より:

      くーるさん

      お久しぶりです。
      コメントありがとうございます。

      飲水については獣医さんのおっしゃることも事実ではありますが、全ての犬に言えることではありません。
      飼育している犬の栄養管理はほとんど飼い主に委ねられていますし、犬が全ての栄養管理をコントロールできるのであれば、体調不良を起こす犬猫も少ないはずですからこんなに多くの動物病院が成り立っていないでしょう。

      自然環境の中の群れで育ったわけではありませんから、動物の本能や身体能力を過信するのは危険です。
      僕自身もアトピー性皮膚炎が酷いのでこまめに水を飲むように、スマホのアラームを2時間ごとセットしたりと工夫しています。そうでないと1日コップ1杯も飲みません(笑)

      犬の意思に任せていてもうまくいかないこともありますから、飼い主の観察力と知識経験は犬を飼う上で必要でしょう。
      ただ無理に飲ませる必要はないと思いますし、飲み過ぎるのも問題はあります。

      フードに水分を加えることは賛否両論があります。
      水分量が多くなると胃酸が薄まって消化が難しくなるということです。

      特にフードを噛まずに丸呑みする犬は、食事と一緒に多くの水分をとると吐いてしまうことが多いので配慮が必要になります。

      後はクールさんのおっしゃるように、季節等の影響を考えればフード同様に毎日同じ量の水を飲むということはあり得ません。
      夏と冬では湿度が極端に違いますし、その他の要因(環境、体調や年齢など)によっても変化は見られますから、犬の状態から判断するのが一番です。

      犬に任せるのが一番と言えばそれまでですが、器の材質が変わったり、温度やミネラル成分の含有量やPHなどでも飲水量に差が生じます。
      ある程度工夫を凝らしてみるのも必要なことだと思います。

      それにしてもゴールデンさんはかなりの水を飲んでまね。十分すぎるほどです。
      チワワさんもそれだけ飲んでいればOKでしょう。
      出来れば回数を分けて飲むように配慮してあげてください。

      言わずもがなですが、排泄後の尿の色や臭いは一応の目安になりますので、毎日確認しましょう。

      • くーる より:

        ありがとうございます。
        ゴールデン、多いですか…。超初期の腎不全らしいのです。SDMAは大丈夫なのですが、尿が薄いらしいです。これは飲水量が多いからかな…。若い時からphが酸性寄りらしく、何年もphコントロールを食べていて、それもありその時は飲んでいたらしいです。ですよね、そういうフードですものね。
        今はエイジングケアを食べています。その時の指示でドライのみだとむせる時があるようなので水を足して食べさせるようにとなったみたいです。phコントロールからエイジングケアに変更して味も淡白になり、水も飲まなくなったと勝手な想像なのですが…。
        32キロゴールデン、10歳。フード丸呑み。超初期の腎不全だとどのくらいの量が理想なのでしょうね。
        最近オナラが多く、臭いのはフードに足す水が多いからなのかな。ウンチは普通なのですけど。
        ちょっとやり方を変えてみます。フードがむせない程度の少ない水分と、食後にヨーグルト水を。みたいに。

        2匹とも子犬時代を知らないので、どれがこの子の普通かがわからなくて悩みますね(^_^;)
        器の材質というのは考えていませんでした。おそらく今までは一般的なステンレスの器だったでしょうから、それにしてみようかな。
        参考になりました!ありがとうございました!…しかしオナラが(^_^;)

        • 牧田 亮介 より:

          くーるさん

          フードをエイジングケアに変更して水を飲まなくなって1日2Lですか?
          もし酸性尿というだけでもともと水を多く飲むのならpHコントロールを与える必要性はなさそうですけどね。

          酸性尿だからシュウ酸カルシウム結石ができやすくなるわけではなく、アシドーシスになることで尿中へのカルシウムの排泄量が増加した結果、結石と尿pHの低下が起こるんだと思いますから。

          腎不全になると確かに飲水量は増えますが、そのことが健康を損なう原因になることはないと思います。あまりにも水を飲まないというのであれば問題ですが32㎏のゴールデンなら1.6L程度が正常値かと思います。
          病気や年齢の影響を考えればもう少し飲んでもおかしくはないと思いますがそれでも2L以下でしょう。

          おならが出る原因は確かに水分摂取量も無関係ではないかもしれませんね。
          そこまでの老犬ですと胃腸の働きはかなり衰えていますから、胃酸の分泌量は少なくなっているはずです。その上大量の水を飲むというのならますます胃酸は薄まってしまいますから、胃の消化が不十分で腸の栄養吸収率は下がります。
          そうなると停滞時間も長くなりますから、消化が不十分なフードは腸内で発酵しインドールやスカトールが生産されるのでしょう。
          それに大型犬になるほど体重に対しての腸管の比率は少なくなるので消化不良を起こしやすいですから。

          おならがあまり出るようなら1度の食事量を少なくしたり、ウェットフードを足して消化を助けるのも良いかもしれませんね。
          コスモスラクトなども与えればより効果的かと思います。

          • くーる より:

            続けてコメントすみません。書き方が悪かったです。
            若い頃から尿が酸性気味でphコントロールを指示されていたらしいです。phで数年過ごしたようです。この頃は自分で水をよく飲んでいたとのこと。
            そして高齢になってきたのでエイジングケアに切り替えたのが今年。そしたら自分で飲まなくなり、フードも丸呑みでむせるので、フードに水を足して食べさせるように指示され、この状態で我が家に来ました。
            現在は水はごくたまに自ら飲みますけど、量的には少ないので私が薄い味付けをして飲ませているのです。
            私が飲ませている量が多いのです。
            フードに100cc混ぜたのが1日2回なので200cc。そして私が飲ませているのが1600cc程。それにプラスして、たまに自分で100cc程飲んだりしています。なので計1800〜2000という感じです。
            なので、正直言うと私が飲ませなければ自分でどれくらい飲むのかわかっていません。
            これからも私が飲ませるのであれば、私が与える量を減らせば良いわけです。
            ゴールデンということもあるのか、味がすれば完食だし水分も全て飲みます。ただ自分で飲む量が足りないので飲ませているということです。…よね?(^_^;) もちろん尿量、体調、季節に合わせて。

            コスモスラクト与えていた時がありました。味見したらかなりしょっぱくて、ニガリ?腎臓、心臓、尿にどうなの?と思いました…。
            食事回数を2回から3回に変えようかとも検討していました。チワワが胃酸が上がるタイプなので3回なのですが、それに合わせられるとコチラも楽になりますし。

            何度もすみません。私文章書くの好きなのに、要領が悪くて長文になってしまうのです(>_<)

          • 牧田 亮介 より:

            くーるさん

            なるほど分かりました。
            フードに水を混ぜるのはやめて食後にお水を飲ませるようにすればおならも治るかもしれませんね。

            コスモスラクトには塩が入っていますから確かにしょっぱいですが、犬は元々肉食傾向でナトリウム量の多い食事をする動物なので気にせずとも大丈夫です。
            ただし心臓に疾患があればナトリウム量の多い食事はNGです。コスモスラクトに含まれている程度なら全く問題はないと思いますけどね。

            食事に混ぜて与えれば食後に水を飲むようになるかもしれませんよ。pHコントロールもナトリウム量が多いので飲水量が増えるフード出るから。
            あと食事の回数は3回に分けても良いと思います。

  2. くーる より:

    アドバイスなど参考になりました。ありがとうございました。
    ひとまず昨日から、食事を3回、フードに混ぜる水を湿らせる程度、食後にヨーグルト水を少なめに、食間に適度な水分、コスモスラクトを再開。という形をとりました。
    オナラ、減りました!フードに混ぜた水のせいだった可能性大です。
    一度のご飯量が減ったので不服そうですけど(^^;; しばらくこの状態でいってみます。

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