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犬にとうもろこしはNGなのか?ドッグフードの原材料を栄養学から語る

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ペット屋の息子です。

カロリーは100gで92kcal。炭水化物が多く16.8g、たんぱく質が3.6g、脂質が1.7gとなっており、ビタミン・ミネラルでは葉酸とモリブデンの成分が高いが必須アミノ酸ではL-リジン、L-トリプトファンが極端に低い。

上記はドッグフードの主原料に使われることがある食品の栄養的特徴ですが、インターネット上でドッグフードを評価なさっている方にはもうお判りでしょう。
夏のお祭りの屋台で香ばしいにおいが食欲をそそる「とうもろこし」です。

  • 穀物は消化に良くない。
  • 植物性タンパク質は犬は利用しにくい。

などと言われドッグフードの原材料に使われているかどうかでフードの品質が良いかどうか判断されてしまう食材ですが、実際のところはどうなのでしょう?
残念ながらドッグフードの品質を評価するサイトでは納得できる説明がなされていませんでしたので、客観的な目線で栄養学的に解説してみようと思いました。

というわけで本日はドッグフードの原材料としてのとうもろこしの話です。

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 ドッグフードに使用されるとうもろこしの是非を問う!

栄養学の話ばっかりで申し訳ありませんが、ドッグフードでお悩みの方がインターネットで情報を収集すると

ドッグフードにとうもろこしって良くないんだな

と思ってしまうのが現状です。どこもかしこもとうもろこしが主原料のフード、もしくは原料に含まれている=粗悪なフードと記載されていますからね。

冒頭で言ったようにとうもろこしを生で食べれば消化に悪いのは事実ですし、調理したところで犬に与えるべきものではないでしょう。生物価が低いのも確かです。

しかしドッグフードという製品となってしまえばもうとうもろこしじゃなくドッグフードなので消化がいいも悪いもありませんし、成分分析値はAAFCOの基準を満たしているフードもある事は事実です。

でもじゃあいったい何がどう悪いの?

とそこまで細かく教えてくれるサイトがないんですよね。数多くのフードの評価を星やアルファベットや点数をつけられる方でも評価基準になるとうもろこしについては

  • 犬に穀物は消化に悪い(必要ない)
  • 生物価が低い
  • カサ増し

という理由だそうです。
というわけで一つ一つ検証していきましょう。

ドッグフードの原材料のとうもろこしは消化に悪いのかを検証!

穀物は消化に悪いから犬に与えるべきではないという意見が非常に多いのですが、これは一理あります。お客様の犬が生米食べて下痢しましたから。

確かに犬は消化管が短く、するどい歯の形状からも肉食の特徴を兼ね備えています。でもドッグフードって肉でも穀物でもありませんよね?
お客様の犬は生米食べて下痢しましたが、穀物食の人間でも生米食べたら下痢すると思います。

ドッグフードにとうもろこしが使われていると言ってもばっちり加工されています。多くはすりつぶされていますからドッグフードの粒を見てもとうもろこしが入っているかわかりませんし、フードは加熱処理もされています。
とうもろこしが消化にいいとか悪いってもはや関係ありませんね。

生米よりもご飯、ご飯よりもおかゆの方が消化がいいのは皆さんもご存知でしょうし。

ドッグフードのコーングルテンの消化率は生肉以上!

ドッグフードの品質同様にコーングルテンにも良し悪しはありますが、高品質な物ではその消化率は90%以上です。生の肉類は水分量65~70%程度ですからどうしても摂取量の半分以上は栄養になりません。

 

というわけでとうもろこし(穀物)は消化に悪いからでドッグフードを評価するのは間違っていると言えるでしょう。
現時点ではトウモロコシが原材料のフード≠粗悪ではない。という結果です。

ドッグフードに穀物は必要ないと言えるのかを検証!

これは長くなりそうなので簡潔に。というか以前の

ドッグフードに穀物不使用?犬にグレインフリーは本当におすすめ?

を見て頂いた方が早いですね。

給餌量を間違わなければ炭水化物をエネルギーにした方が効率が良いのは野生動物にも人間にも言えることです。

わざわざタンパク質や脂肪をエネルギーにするのは代謝経路から考えても非効率ですし、タンパク質は身体の構成に使われるべきであってエネルギー源にするにはもったいないでしょう。コスト的に見ても。

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ドッグフードに生物価が低いとうもろこしは使用するべきではないを検証!

とうもろこしは生物価が低いから使うべきではないというのは同調できませんが、主原料にするべきではないというのなら賛同しましょう。
とうもろこしが使用されていたとしても主原料に肉を使っているのであれば問題になりません。

ちなみに生物価とは
(保留窒素量/吸収窒素量)×100で表される値で体内に吸収されたタンパク質の内どれだけの窒素量が体内に蓄えられたかを数値化した物で、体内でどれだけのタンパク質が有効利用されたかを示す栄養価を求めるのに必要とされる値です。

この数値がとうもろこしでは50~60程度ですので、摂取したタンパク質が合成に使われる割合がそのまま%になるので約半分は無駄になるということになります。

というわけでとうもろこしは生物価が低いのは事実なので単一のタンパク源として考えればまあNG食材です。なので主食にとうもろこしを与えるというのなら犬になんて物を食べさせるんだ!となるでしょう。
しかしドッグフードは多くの食材の栄養をバランス良く含んでいれば問題が無いと思いますので、その一部にとうもろこしが利用されているのは問題になりません。

冒頭でも言ったように必須アミノ酸のL-トリプトファンが極端に低いというデメリットがあります。

しかしフードの開発研究者は素人に指摘されるまでもなくそんなことは当然理解しています。ですからそれを補うために多くの食材を使用して最適なバランスを保つように設計しているのです。

パッケージに書かれた原材料の名前だけで見れば、犬に必要なアミノ酸やミネラル、ビタミンなどの栄養素をどの食材からどれだけ抽出しようかなんて苦労はわかるはずがありません。

それを想像もしないで犬の健康を支えるチームの一員のとうもろこしが足を引っ張っているという人もいますが、他の栄養素のみんながカバーしていますし、とうもろこしにもいいところはありますから、主役ではなく脇役の務めを果たしている限りは邪険にしなくても良いでしょう。

ちなみに生物価が低いということは利用されない分が無駄になるのですが、それは問題になります。

ドッグフードの原料の生物価が低いとうもろこしは腎臓の負担になるのかを解説

生物価が低いということであれば利用されない分の窒素が排泄されることになります。体内でタンパク質の合成が行われ、生産された尿素窒素は血液を介し、腎臓でろ過され尿となり排泄されます。

つまり過剰なたんぱく質の摂取や質の悪いたんぱく質を摂取することで腎臓に負担をかけることになるのです。しかも腎臓のネフロンは一度機能を失うと再生することができません(ラットを使った実験では腎臓の元となる細胞を増やすことに成功しています)

つまり腎機能の保護は健康寿命を延ばす上で非常に重要ですから、とうもろこしは与えるべき食材ではないということになります。

しかしとうもろこしはあくまで含まれる食材の一つであってそのものを与えているわけではありません。しっかりとそのデメリットを解消することができます。

タンパク質から産まれた尿素窒素の排泄に食物繊維が役に立つ!

通常は腎臓を介し尿中から排泄される尿素窒素ですが、ビートパルプやフラクトオリゴ糖などの可溶性食物繊維を含んだ食事を与えることで腸内の善玉菌の栄養供給量が増える為、細菌代謝が活性化し糞中細菌の窒素取り込み量が増加します。それによって尿中の窒素量を減らすことが可能になるので腎機能を保護することができます。

ドッグフードに使われるとうもろこしはカサ増しの為なのかを検証!

カサ増しの為に使われているという発想がまずわかりません。
犬は食事量よりも質や回数に満足することは研究で明らかにされていますし、食事という物は生きるために必要な行為であって望んでしているわけではなく本能的な行動です。多量のドッグフードを与えるべき理由はどこにもありません。

そもそも犬の食事量は飼い主がコントロールするもので、自分の意志で量を決めているわけではありませんから少量で済むならそれに越したことはないでしょう。いくら安価だからと言って、デメリットとされる食材を追加する意味が分かりません。飼い犬がドッグフードを食べないと悩む飼い主の方はかなり多くいらっしゃるのですから。

まとめ

やはり栄養学的な点から考えてもとうもろこしを原材料に使用することがドッグフードの評価をこれほど下げるとは思えません。
ドッグフードに穀物を利用することを否定するのなら、穀物を摂取することができるようになり人と共生を始めた犬の歴史を否定することと同じなような気もします。
積極的に与えるべきでない食材なだけで使用されているだけで非難すべきものではないでしょう。

原材料となる食品のデメリットはどんな食材にもありますから、まずはその食材がどういった理由でどの程度使用されているのかを知った上で判断するべきだと思います。

犬の飼育環境や年齢、犬種等。様々な違いを考慮し、それぞれに合った総合栄養食を作り出すことはそう簡単なことではありません。確かに犬に与えるべきではないフードなども存在することは事実です。しかし原材料のみで良い悪いを決めることはけしてできる事ではないはずです。

原材料だけでフードを判断するのなら、犬の為の完全食を自身が調理して作ってみたらいかがでしょう?相当苦労すると思いますよ。
一度の食事で同時に摂取しなければならない栄養素の組み合わせを考慮しなければ吸収率に差が出たい利用効率が悪くなり、かえって体に負担を与えることになりかねませんから。動物の為の栄養学はほんとに奥が深いです。

個人的にとうもろこしが悪いとは思えませんし、そう言ってしまうのは偏見でしょう。日本にまだ忍者や侍がいると思っている外国人と変わりませんね。

本日もお付き合い頂きありがとうございました。

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