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突然の脱毛!犬に起こる原因不明の抜け毛の原因と対策についての考察

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ペットショップチロルの息子です。

最近犬の脱毛についてのお悩み相談が多くなってますが
原因という原因が見当たらないことが多いので困っています。

ノミダニやアレルギー、感染症やホルモンバランス
ストレスなんかでもなさそうです。

となれば脱毛は栄養的な問題かもしくは自然なことなのか
原因と対策について考えてみました。

原因不明の犬の脱毛の改善には食生活の改善をしてみよう

脱毛の原因の多くは皮膚疾患を引き起こす何かですが
その場合であれば脱毛以外にも痒みや湿疹などが確認でき
ホルモン異常などは左右対称の脱毛などが特徴です。

でも最近よくある脱毛はランダムに身体の部分部分が
きれいにツルっと毛が抜けています。
しかもなぜかチワワに多いのです。

ある飼い主の方は東京の皮膚科専門医に診察していただいたそうですが
これが原因とはっきりした診断はいただけなかったようで
とりあえずフードを変更しようということになりました。

犬の脱毛を起こす原因はドッグフードにあるのかもしれない

確かに皮膚や被毛をはじめとする犬の身体は
食べたもので作られていますから
はっきりした原因と思われる要因が無ければ
食生活の見直し位しかできることはありません。

その犬にとって理想的な食生活にどれだけ近づけられるか
それに尽きるでしょう。

犬の健康維持に必要な栄養成分を分析し補おうと産まれたのが
現在販売されているドッグフードですが
加熱加工した保存食という形をとっている以上多少のデメリットもあります。
その点が脱毛を引き起こしている可能性も0ではありません。

というか原因が特定できないのならそこを疑うしかないです。

フードを構成する栄養成分の加熱による栄養損失については
以前にも話しましたね

ブルーバッファローのライフソースビッツを分析!これがBLUEのやり方か!

この事実から考えると栄養管理の問題で
皮膚や被毛にトラブルが起こること十分に考えられます。

犬の皮膚や被毛は摂取したタンパク質の20~30%で出来ている

爪同様に皮膚や被毛も摂取したタンパク質に含まれる
必須アミノ酸が主原料ですからそれが不足することはもちろんいけません。

犬種によって変わりますが、チワワやダックスでも
摂取したタンパク質の20%は皮膚被毛の健康維持に使われます。

これがプードルになると約30%にもなります。
伸び続ける長毛種では多くのタンパク質が必要なのです。

犬の皮膚を作るにはビタミンも欠かせない

タンパク質から摂取したアミノ酸が皮膚や被毛を作るには
ビタミンも欠かせません。

ビタミンB群にC、Eが不足すれば皮膚を作るための材料が不足しますから
健全な皮膚状態を保てません。

加熱に弱いと言われるビタミンや脂肪酸をどう補うかでも
皮膚の状態は変わるのではないでしょうか?

脂質は犬の皮膚の健康維持に必要

脂質も皮膚の健康には必要な栄養成分です。

以前皮膚の構造を話した際にレンガとセメントの例えをしたことがありますが
角質細胞が積み重なった間には細胞間脂質が必要ですから
良質な脂肪酸をしっかりと摂取できるフードを選択するか
サプリメントなどで補うことも時には必要かもしれません。

犬にシャンプーが必要な3つの理由と皮膚や被毛の人間との違いを解説

脱毛のトラブルを解決できそうな製法にこだわったフード

皮膚のトラブルが栄養成分にあると考えれば
どれだけ有効利用できる栄養成分を摂取できるかも重要なはずです。

アレルギーのリスクもありますし原材料が何かや
安全性も無視はできませんが、どんな製法で作られたかも
考慮する必要がありそうです。

色んなフードを試してみないことにはどれが有効かはわかりませんが
製法という点を見れば栄養損失を抑えるための工夫を施した
特徴的なフードがいくつかあります。

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犬の理想的な食生活を再現したハイクオリティなセレブフード

何度か話にも出ていますが、現在流通しているフードでは
最も理にかなったドッグフードと思われるジウィピークです。

ホームページの解説の中では栄養学的にそれは違うだろ
と思う点もありましたが、フードとしては素晴らしい製品です。

しかしその分価格もとんでもない金額です・・・

原材料にグリーントライプを使用し
エアドライ製法という高熱を加えない製法で
脂質やビタミンの栄養損失を起こさないように配慮されていますし
有用なバクテリアも摂取できる点は唯一無二かと思います。

涙やけにも有効なのでしょうが、脱毛や皮膚のトラブルの改善にも
かなり効果的だと思われるフードです。

低温で加工した抗酸化作用の粒が犬の健康を守る

こちらもよく話に出てきますね。

ユニークな発想で栄養学的に優れた製品を作り出したと感心しました。
ジウィピークとは対極にあるような科学的なアプローチで
犬の健康を守ろうという新規メーカーらしいフードです。

栄養損失の大きなビタミンを含んだ抗酸化作用の強い食品を
低温で加熱加工したライフソースビッツは
皮膚のバリア機能を維持するためには最適なドッグフードです。

詳細は以前お話ししたこちらをご覧ください。

ブルーバッファローのライフソースビッツを分析!これがBLUEのやり方か!

天然の脂質とビタミンを閉じ込めた栄養豊富なドッグフード!

ビルジャックの『真空アミノヘルス製法』もまた
優れた製品づくりのための特筆すべき技術です。

加熱温度を明確に公表しているのはビルジャックくらいでしょう。
低温での加工によって油脂の流出が少なく
素材に含まれる脂肪酸がそのまま生かされているので
安全性や栄養効率に優れたフードと言えます。

ただアミノ酸の熱変性を防ぐという点には疑問を感じますが。

犬に起こる脱毛は遺伝子の働きによる可能性がある

チワワ特有の脱毛なのであれば遺伝的要因が疑われますが
他の小型犬でも似たような事例があるようです。

中型犬や大型犬ではわかりません。
事例が確認できないのは飼育頭数が少ないからでしょう。

しかし犬種特有の遺伝子の働きで脱毛が起こる犬種もいますから
ありえないことではありません。

犬によっては脱毛を引き起こす遺伝子がある

あまり知られていないと思いますが
アメリカンへアレステリアという犬種がいますが
この犬種はまばらに生えていた被毛が
生後2ヶ月頃に抜け落ちるという特徴があります。

SGK3遺伝子の働きによるものであると解明されたようですが
マウスを使った実験結果でも
被毛の形成やその周期にかかわる遺伝子であることが分かっています。

原因不明の脱毛は遺伝子の働きによるものと言えなくないのかもしれませんね。

犬の脱毛を起こす遺伝子に働きかける栄養成分が分かれば改善可能なはず

遺伝子の働きで起こる脱毛であっても
改善のための方法が無いとは断定できません。

以前ヒルズのメタボリックスを紹介しましたが
あのフードの優れた点は、ある栄養成分の組み合わせが
遺伝子に働きかけて基礎代謝を高めることにあります。

こうしたリバウンドを起こしにくいフードが実在することからも
脱毛は栄養管理で改善が可能かもしれないと思います。

今はまだはっきりとした脱毛のメカニズムが解明されていなくとも
近い将来解決するためのフードが開発されることでしょう。

満たされ過ぎた環境が犬の脱毛を引き起こすのかも

脱毛の問題は飼育環境にあるのかもしれません。
被毛は保温のために必要なものであることは
疑いの余地がありません。

寒冷地に生息する犬種ほど密接した厚い被毛に覆われています。

一年空調の管理された室内での生活は
外敵におびえることもなく快適な環境です。

そして最適な栄養バランスの食事が定期的に摂取が可能
そんな満たされた生活は野生動物では考えられません。

脂肪分は多く、効率よくエネルギーとして利用できる糖質に
消化吸収率に優れたタンパク質が豊富なフード

加えて飼い主という保護者までもがいる環境です。

何もかもが満たされた環境では体温維持のためには
被毛なんてものは必要ないと塗ん家落ちてしまうことがあっても
不思議ではないのかもしれませんね。

適切な栄養管理と運動を心がけることが一番です

脱毛以外に健康を損なっている様子が無ければ
自然の環境下での活動時間を増やしたり熱さや寒さを体験させ
適度なストレスを与えることも必要かもしれません。

子供たちが体育や運動会、部活に打ち込み身体を作るように
たくましい犬に育てるための飼育も心がけましょう。

犬は獲物を狩るために走ることに特化した体を持った動物です。
室内で飼育されている小型犬も例外ではありません。

その持って生まれた機能を活かすためしっかりと栄養を与え
自然な環境で運動をさせることが一番の健康法です。

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