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犬や猫に野菜は必要なのか栄養の事も考えてプロっぽく語ってみた

投稿日:2017年2月7日 更新日:

ペット屋の息子です。

お客様の中にキャベツを茹でて与えてるという方が結構多くいますね。
フードのかさ増しが目的だったり、野菜を取った方がいいと考えての事のようです。

犬や猫に野菜を与える必要があるのでしょうか?

一般的に玉ねぎは与えてはいけないというのは聞いたことがあると思いますが、玉ねぎに含まれる硫化アリルが溶血性貧血を引き起こす原因になると言われています。他にも同様に人間の食べる物の中には犬の健康を損なうおそれのある物がありますが、そういったものは割とみなさんご存知のようです。
与えると危険な物はご理解頂いて避けているようですが「与えない方が良い物」という物もあるのではないでしょうか?

人間と犬猫は生物として少し食性に違いがあります。

犬の食性は雑食ですが猫は真正の肉食です。今日はそのあたりの事を考えてお話してみたいと思います。

犬や猫に野菜は必要なのかを生物学的観点から考えてみた

工業高校卒の僕が生物学的観点とか言ってるのが恥ずかしいですが、一応ペットショップで20年くらい日々過ごしておりますので、少しはそれなりにお役に立つお話ができるかと思います。

一応生物学上の分類的に食性の違いで分けると

犬は雑食性(傾向は肉食に近い)
猫は肉食性

ということになっています。

雑食と肉食という言葉を聞いて皆さんがどう理解しているのかわかりませんが、犬は雑食だから肉だけでなく野菜も挙げた方が良い。猫は肉食だから肉だけでいい。というと若干語弊があります。
お客様とお話して多くの方がこうした認識をお持ちの方がほとんどでしたので一応解説します。

雑食=「動物性食品の栄養がなくとも生きていく事に支障がない」
肉食=「植物性の食品だけでは生きていく事に支障をきたす」

という認識が正しいと思います。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、要約してしまうと、犬は肉を食べなくても生きていけるけど、猫は肉も食べないと生きていけないという感じです。

犬や猫は野菜を食べても良い生き物だけど

というわけで犬猫は野菜を食べることに生物学上問題は無いということですが、話はここで終わりではありません。犬猫に与えない方が良い野菜はありますし、与え方も考えないといけません。

ちょっと詳しい方やこだわっている方ならご存知でしょうが、犬猫は唾液腺からでんぷんを消化するアミラーゼという酵素が分泌されませんので、でんぷん質の物は多く与えない方が良いということになります。

ここからは話がちょっと複雑になってくるのでうまく説明できるかどうか自信がありませんが、犬猫には野菜は与えても良いけど与えない方がいいと思います。

ドッグフードのお話を以前しましたが、犬猫の食生活はフードの登場で大きく変わり、乳酸菌などの有用な細菌の含まれないフードや添加物のビタミン、でんぷん質の多く含まれた嗜好性に特化したフードが健康に影響を及ぼし、アレルギーや尿路疾患を患う個体を増やす結果となりました。

その結果を鑑みてフードメーカーも研究を重ね、現在ではフードの質は格段に良くなったと言えます。もちろんメーカーなどによっても大きく違いますが、プレミアムフードといったレベルの物に関しては総合栄養食として与えるに足るものでしょう。
それぞれのコンセプトで犬猫に必要な栄養成分を再現しています。

自然の食生活には及ばないものの、必要な時に必要な量を摂取できるという点では自然環境下の動物とは比べ物にならないほど良い結果を産みだしているでしょう。

しかしそういったフードを選んでおきながら野菜などを与えてしまうと、せっかくの栄養バランスを崩す結果となってしまいます。
そういったデメリットを考えれば、野菜を上げるという点で推奨できる点は、水分を取れるという点のみです。

ドッグフードには必要な栄養素が含まれていますから与える必要はありません。

ちなみにアルカロイドという窒素を含む塩基性化合物は犬にとって害があると言われています。
これを含む野菜がありますのでそちらは避けましょう。

ユリ科(ネギ、ニラ、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、アスパラガス)
ナス科(ジャガイモ、ピーマン、ナス)
マメ科(インゲンマメ)

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犬が好きだからとキャベツを与え続けるとどうなる?

ではキャベツを与えることについてですが、キャベツを与えてもどうもなりません。キャベツだけを与え続ける人はいないでしょうから副食やトッピング程度なら問題ありません。しかしフードの栄養バランスが変わることは事実です。

プロらしくといった手前もあるのでちょっと詳しくお話ししましょう。
およそどんな食材にも良い点と悪い点がありますがキャベツもまた同様で、完全食材と言えそうなのは卵くらいの物です。

キャベツを与えるメリットは食欲旺盛な犬の為のかさ増しや、水分補給ができるといった点があります。
他にも栄養学的な面から言えば、内葉にビタミンCβカロテンが豊富です。

キャベツのような緑色の野菜にはビタミンcが多く含まれていますが、葉緑体が光合成を行い栄養を作り出す際に生成される活性酸素の除去の為に必要とされるので、身を守る為に作り出し蓄えているのです。

キャベジンという名称で知られるビタミンUも犬には良い成分です。胃腸の粘膜保護や修復作用の増進、肝機能の活性化に効果があります。

食物繊維については賛否両論です。
動物は食物繊維(セルロース)を消化できません。実は草食動物も同様に消化できませんが、彼らはそれを発酵という手段をもって栄養に変えています。内臓機能が違うというよりは腸内細菌の差ですね。発酵に時間が掛かるので草食動物は腸が長いのです。

デメリットとしてあげられるのはシュウ酸とゴイトリンですが、シュウ酸は過剰摂取によって尿路結石の原因となると言われています。実際のところははっきりわかっていませんが。
水に溶けやすいので茹でれば問題無いという方もいますしそういった記載のあるサイトも見かけたことがあります。しかしそれはビタミンCも同様です。水溶性のビタミンなので茹でればどちらも減少します。したがってデメリットとメリットという点では±0となります。

ゴイトリンはとんでもない量のキャベツを食べない限り問題ないので割愛します。
あとは食物繊維を腸内細菌が分解する際にガスが発生します。その辺の話はまた今度。

とまあ与えてもメリットばかりでないので与える必要はないでしょう。

まとめ

今回は誰にでも納得できるなるほど!って要素が無かったので個人的に面白くない話でした。
専門的な話は嫌いではないのですが専門用語とか、ある種の前提条件になる知識が必要だと、理解して貰うためには説明する方にも相当な知識が必要で完全に理解していないと無理ですね。
というわけで3流の僕にはこういう話は向いていません。悪しからず。

そういえば冒頭で玉ねぎの硫化アリルについて記載しましたが、最近の研究では問題となる物質は「有機チオ硫酸化合物」と言われています。どういった作用を起こし貧血に至るかまで解明されているとのことですので間違いないようですが、硫化アリルという成分に隠れた恐るべき刺客です。
「硫化アリル」がパク大統領で「有機チオ硫酸化合物」がチェ・スンシルというところでしょうか。
とにかく玉ねぎは危険です。

今日の結論。野菜はご自身が食べましょう。

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