勝手な考察 猫の話 繁殖

猫と犬の生態や種類の違いと猫の繁殖について考えてみた。

投稿日:2017年3月21日 更新日:

ペット屋の息子です。

皆さんは犬と猫の違いが判りますか?
もちろん違いがあることは事実で、外見上の違いがあり判別することができますから、犬か猫なのかは一目瞭然です。ようやく言葉が喋れるようになった子供でもわんわん!にゃんにゃん!とその違いを認識しています。

では犬と猫の違いを説明してみることができますか?
これもおそらく可能でしょう。性格も違えば行動や人間との付き合い方も変わります。食性の違いは決定的です。生物学的にも確かな違いがあります。
しかし犬や猫の外見から何を持って犬や猫として認識しているのかは未だ謎のままです。犬と猫を見間違えることはありえないと思うのですが、説明しろとなると難しいものです。
というわけで外見上の違いの差は説明できないので、その他の部分で犬と猫の違いについて考えてみました。
興味のある方はお付き合い下さい。

 犬と猫の違いは何?

犬と猫の違いではっきりしているのは食性の違いくらいでしょうか?犬は雑食と言ってもかなり肉食に近いので、人間から見ればそう大きな違いではないように思えます。

しかし犬派と猫派に分かれるのはやはり性格の違いと外見的特徴によるものが大きいでしょう。

 犬と猫の違いは行動習性に表れる

集団で生活する犬と違い、猫は単独で行動することを好みます。この絶妙な距離感が猫の魅力とも言えます。犬は常に愛情を示し飼い主と行動を共にすることを望みますが、時々気まぐれに飼い主と戯れる姿を見れば、猫好きにはたまらない癒しとなる様です。

飼育面でも大きく違います。猫はトイレのしつけに苦労することはほとんどありません。その上、犬の様に散歩に出るようなことを必要としません。

と言ってもこのあたりの事は説明するまでもありませんので、ここからは猫と犬の生物学的違いについてお話したいと思います。

 犬と猫の違いは頭蓋骨の構造にあった!

犬と猫は元々の祖先は違いますが共通する点もあります。犬はもともとは肉食だったので、その理由から

哺乳綱 ネコ目 イヌ亜目 イヌ科 イヌ属 タイリクオオカミ種 イエイヌ亜種

となったようです。ネコ目はもともとは食肉目だったのですが、一般の人にはわかりづらいという理由でネコ目に変更されたという、なんともめちゃくちゃな話です。生物分類の話を一般の人にわかりやすくする必要があるのかと疑問ですが、現在の日本では犬はネコ目に属します。
もっとも食肉目の中で完全な肉食を保つ猫が代表となったのは納得できなくもない理由です。
ちなみに猫は

哺乳綱 ネコ目 イヌ亜目 ネコ科 ネコ属 ヨーロッパヤマネコ種 イエネコ亜種

となります。

さて猫と犬の分かれ道になるイヌ亜目ネコ亜目ですがこれにはしっかり理由があります。

頭蓋骨の中に違いが見受けられますが、犬と猫では鼓室胞という鼓膜の振動を伝える為の空間の数に差があります。
イヌ亜目では鼓室胞は1つの空間になっていますが、ネコ亜目では鼓室胞が2つに仕切られているのです。これは解剖でもしてみないとわからない違いなのですが、ネコ亜目に属する肉食動物に共通する特徴なんだそうです。

 犬と猫の進化と繁殖の違い

ここからは何となくそう言えばな疑問を勝手に考察していきます。

今までは犬の話題ばかりでしたがその中の

犬が雑食になり猫が肉食なままの理由を進化の過程から考察した

犬は人間の繁殖によって多様性を得たと話しましたが、猫は逆に野生種が持つ大型猫ほどの多様性を持ち合わせていません。
これも面白いと思うのですが、人間の生活に寄り添い家畜化した彼らは、性格的な差から犬程の用途は与えられず、せいぜいネズミなどのげっ歯類を退治する益獣として共生する事を許されていました。

この時からすでに猫は猫だったのでしょう。

人間と共に世界中に勢力を拡大した猫ですが、環境に適応して変化するようなことはほとんどありませんでした。彼らは人間の生活の恩恵を受けて寒さや暑さをしのぎ、時々食事を分け与えられ、快適な生活を謳歌していたのです。
野生種の様に環境や狩りに特化した進化を遂げる必要はもうなかったのでしょう。

げっ歯類を退治する為の猫は人間による交配もほとんど行われず、環境に適応する為の変化もないままの彼らは、姿形や性格に大きな差がないのです。

しかし時代が移り変わり人間の生活にも変化が見られ、一般大衆の生活が豊かになりペットとしての猫の地位が確立する様になりました。

ここでもまた犬と猫の違いが見られます。
ネコの品種の多くは自然発生の突然変異種です。犬と違い、人間が用途に合わせた交配を行うのではなく、偶然産まれ育った猫を見つけ固体化するような繁殖を行っていたのです。

犬の繁殖が人の手によって品種を作り出す作業であるならば、猫の繁殖は発生した品種を分類していく作業だったのです。
こうした分類が行われ猫の品種が確立していきました。

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マンチカンの繁殖による猫の新品種

しかしここ数年では犬に追従する様に人の手による新品種が確立されています。
もともと猫は繁殖能力が旺盛な動物です。年間に2~3回の出産が可能で、犬よりも高齢での出産も可能な動物です。世界記録では生涯420匹を産み最高齢では30歳での出産という記録もあります。

これはあくまで個人的な見解ですが猫は犬よりも種の特徴がはっきり表れやすいと思います。
猫は犬よりも個体差が少なく特徴は顕著です。基準となる猫というのはいませんが、日本人の認識からするとジャパニーズボブテイルという昔ながらの短尾のネコか、アメリカンショートヘアでしょう。仮にそういった猫と個性的な品種を比べると違いは1つか2つ特徴的な何かがあるだけです。
顔がつぶれた長毛種のペルシャ、耳が折れているスコティッシュフォールドやアメリカンカール、短足のマンチカン、毛が長く大きなメインクーンやノルウェイジャンフォレストキャット
体の大きさや姿形に大きな違いがない上に、特徴を発現する遺伝子がはっきりと決まっている為に両親のどちらかの特徴が顕著に現れるのではないでしょうか?
マンチカンの中足のような例もありますが・・・

猫に比べると犬は品種の確立までに多くの犬が関わってきていますので、異種交配では隔世遺伝や先祖返りの様に両親に発言していない形質も現れることがあり、純血種に比べると血の繋がりが感じられない容姿に産まれるのかもしれません。

猫の新品種は固定化率も高く、確立が早く行われるのでしょう。
日本ではマンチカンをベースにスコティッシュフォールドやペルシャ、アメリカンカールとの交配で産まれた新品種も誕生しています。

短足+折れ耳         スコマンチ(通称)

短足+鼻が低く丸みのある体  ミヌエット(非公認団体あり)

短足+反り耳         キンカロー(非公認団体あり)

スコマンチは通称で、スコティッシュが折れ耳を生じさせる遺伝子同士の同型接合をもって生まれた個体に致命的な遺伝疾患が発現することとや、雑種に比べ純血種に多い遺伝病の因子などの危険回避から認められていない品種となっています。

 まとめ

犬と猫の違いは解剖学的見地では他にもあるようです。犬には鎖骨がありませんが、猫には鎖骨があります。正確に言うと骨ではなく軟骨組織で、他の骨と連結していません。肩甲骨も首の後ろ側にある為犬よりも柔軟さがあります。

現在は猫も多くの品種が誕生しています。世界中ではスフィンクスなどの無毛種の新品種が多いようです。犬に似た性格のリュコイなども話題を呼びました。

犬や猫は人間によって繁栄を勝ち得ました。しかし野生動物にはない多くの弊害が産まれたのも事実です。残念なことにペットとしての彼らよりも食用の牛や豚の方が種としての研究が進められています。
人間にとっての家畜とは様々な形があり正解は決められませんが、どちらの命も尊ばれる物であって欲しいと願います。

-勝手な考察, 猫の話, 繁殖

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